auじぶん銀行の住宅ローンはペアローンや収入合算に対応している?

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auじぶん銀行の住宅ローン(ペアローン)

夫婦や親子の力を合わせて住宅ローンを組む方法として、ペアローンと収入合算という仕組みがあります。

ペアローンと収入合算の目的は、住宅ローンの借り入れ可能額を増やすことです。2人の収入を使って住宅ローンを返済していくことを示すことで、金融機関から希望する借入金額を融資してもらえるようにすることが目的です。

毎月の返済が負担になる金額を借りるべきではありませんが、親子や夫婦の力を合わせて住宅ローン返済能力を高く示すことで、住宅ローンの借入金額の増額させるのが最終ゴールです。

通常、ペアローンは、配偶者や親族などの2人で住宅ローンを組みます。ペアローンの場合は2人がそれぞれが金融機関と単独に住宅ローンを契約することになります。

最終的には2人分の収入が住宅ローン返済に充てられる資金になり、返済能力を大幅に高めることができるため、1人の収入では借りられない高額な金額の借り入れができるようになります。

ペアローンの場合、物件も共同名義と言う形で登記されることになります。返済責任も2人で共有することになるため、契約の手間は増えます。万が一離婚することになったら特に面倒な調整が増えるでしょう。

収入合算は、親子など、同居する家族がそれぞれの収入を合算して、一人で住宅ローンを組む方法です。この場合も、返済能力が高くなるため、通常より高額な住宅ローンを組むことができます。ただし、返済責任自体は主たる借り手のみにあります。

いずれの場合も、返済能力が増すため、住宅ローンの審査に有利になる可能性がありますが、住宅ローンは無理は禁物で、返済能力に見合ったプランを考える必要がありますし、借り入れ後も責任を持って返済していく意識を持つことが大切です。

住宅ローンは初めて利用する人が大半なので、ペアローンも収入合算も初めて聞く人が多いと思います。大半の人は「どちらを選べば良いか分からない、選ぶどころかそもそもよくわからない」と悩むことになります。住宅ローン選び自体悩んでいる人は、まずは「金利」で比較しましょう。最近は通常の銀行より低い金利で提供しているネット銀行を優先的に確認していくのがおすすめです。

ネット銀行の住宅ローンは金利が有利なだけでなく、疾病保障や保証料などの条件も有利なケースが多いためです。

なお、このコラムではネット銀行の中でも人気が高いauじぶん銀行の住宅ローンを使って、ペアローンや収入合算の仕組みについて解説していきたいと思います。

auじぶん銀行はスマホサービスに強いネット銀行なので支店はありません。店頭でスタッフとの対面相談はできません。その代わりウェブ上で必要な情報収集や手続きはほとんど行うことができ、忙しい現代人向きの銀行となっています。auじぶん銀行のペアローン・収入合算の条件を理解すれば、その情報を基に他の銀行の住宅ローンも比較検討しやすくなります。

この記事を書いた専門家(フィナンシャルプランナー)
遠藤功二(フィナンシャルプランナー)


遠藤功二(えんどう こうじ)

1級FP(1級ファイナンシャルプランニング技能士)

CERTIFIED FINANCIAL PLANNER、経営管理専攻修了(MBA)

三菱UFJモルガンスタンレー証券、オーストラリア・ニュージーランド銀行にて延べ1,000人以上の顧客の資産運用アドバイスを担当。 現在は独立系FPとして、投資に限らずライフプランニング、保険、住宅などの幅広い分野で相談、講演、執筆業務に携わる。

auじぶん銀行の住宅ローンはペアローンに対応している?

auじぶん銀行では住宅ローンのペアローンに力を入れています。2021年にauじぶん銀行で住宅ローンを借りた人の32.1%はペアローン利用しているだけでなく、20代の借り入れの61%がペアローンを利用しているとのです。(auじぶん銀行のニュースリリースより)

やはり若い世代にとってペアローンを利用するのは当たり前の時代になってきていることがわかります。

※上記の数値は、auじぶん銀行が2022年3月24日に発表したプレスリリースを参照しています。

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auじぶん銀行の住宅ローンのペアローン

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auじぶん銀行の住宅ローンキャンペーン

現在、auじぶん銀行で住宅ローンのキャンペーンは実施されていません。

ネット銀行の中でも人気の高いauじぶん銀行

一言でネット銀行といっても様々なタイプの銀行があります。auじぶん銀行は、2008年に誕生したネット銀行で、2015年12月から独自の住宅ローンの取り扱いを開始しています。

対面型の銀行もインターネットバンキングを付加サービスとして展開していますが、 auじぶん銀行はインターネット専業銀行として誕生していて、インターネット・スマートフォンに特化している銀行で店舗はありません。

ネット銀行は不動産費用や人件費のコストが対面型銀行よりも低く抑えられているため、好条件の商品を打ち出しやすいという傾向があります。

例えば、auじぶん銀行の住宅ローンは、2019年3月と2020年8月に団体信用生命保険(団信)のサービス内容の改善を行っていますが、これは効率的に住宅ローンなどのサービスを提供できているからこそ実現できた改善だと思います。また、それらの改善により疾病保障の守備範囲が大きく拡大しています。

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auじぶん銀行の守備範囲の広い団信とは

auじぶん銀行の住宅ローンが人気の理由の1つとして、満50歳までの人であればがん50%保障団信に金利上乗せなしで入れるという点があげられます。この団信に加入しておくと債務者が「がん」と診断されるだけで、住宅ローンの残債が半分になります。(上皮内がんなどの一部の軽度のがんは保障対象外です)

がんは、治る可能性が十分にある病気にはなったものの、治療の際に多少の後遺症が残ってしまうことがあります。がん50%保障団信に入っておけば、治療後に住宅ローンの返済負担がかなり軽くなるので、仕事に復帰した後にワークライフバランスを改善することができます。

また、名称は「がん50%保障団信」ではありますが、この団信には精神障害を除く全てのけがと病気を保障する「全疾病長期入院保障」と「月次返済保障」、「4疾病保障」※1が付いています。全疾病長期入院保障は180日以上入院すると住宅ローンの残債がなくなる保障です。月次返済保障は2020年8月に登場した保障で31日以上入院するとその後30日に達するごと(61日、91日、121日、151日※2)に毎月の返済額が保険金によって免除される保障です。

※1 満50歳までの方が加入可能。

※2 給付金の支払い回数には上限があります。

例えば交通事故に遭い長期入院になってしまったという「まさか」のケースもauじぶん銀行の団信であれば守ってくれているということです。また、金利を上乗せすることでさらに保障の手厚い団信を選ぶこともできます。気になる方はauじぶん銀行のウェブサイトを見てみましょう。

低金利を実現

auじぶん銀行の住宅ローンは、低金利の面でも定評があります。時点の変動金利の金利は年HPご確認%(全期間引下げプラン・新規借入れ)、当初10年固定金利は年HPご確認%(当初期間引下げプラン)となっており、前項のがん50%保障団信が付いているにも関わらずネット銀行の中でもトップクラスの低金利になっています。

※審査の結果によっては保証付金利プランとなる場合があり、この場合、上記の金利とは異なる金利となります。 金利プランが保証付金利プランとなる場合は、固定金利特約が3年、5 年、10年に限定されます。

ペアローン・収入合算とは

auじぶん銀行には、夫婦もしくは親子で協力して住宅ローンを返済する契約形態として、ペアローンまたは収入合算という選択肢があります。どちらも1人で行うよりも高額な借り入れができるというメリットがあります。それぞれの契約形態の留意点を把握した上で選ぶと良いでしょう。

ペアローンの留意点

ペアローンは1つの物件に対して夫婦または親子で1契約ずつ、合計2本の住宅ローンを組む形になります。抵当権の設定費用などの諸費用が2契約分になるので費用は1人で組む場合と比較して高額になります。

それぞれの契約者が団信に加入するため、パートナーに万が一のことがあっても、自分の住宅ローンは残ってしまいます。もし子育て中の方が夫もしくは妻に先立たれてしまうと、自分の住宅ローンの返済のために仕事はそれまで通りの負荷でやりつつ、さらに子育て・家事は1人で行わなければならないという事態が想定されます。

このため、ペアローンを利用する際には、必要に応じて掛け捨て型の死亡保険への加入を検討すると良いでしょう。

収入合算の留意点

収入合算は主債務者と連帯保証人の収入を合わせて住宅ローンの審査を行う方式なので契約本数は1本になります。一般的に世帯主が主債務者となり、配偶者が連帯保証人になります。

収入合算の方式はペアローンと異なり、諸費用は1契約分で済みます。デメリットは連帯保証人に団信が適用されないことです。連帯保証人に万が一のことがあった場合、本来2人の収入を基準に計算した住宅ローンの残債を主債務者1人で返していかなければなりません。

収入合算を選択するのであれば連帯保証人の死亡保険を検討することが重要になります。

死亡保険を検討する際には遺族年金を把握する

死亡保険を検討する際には、保険過多にならないように遺族年金を把握しましょう。遺族年金では足りない分を民間保険でカバーするという考え方が大切です。
遺族年金には、遺族基礎年金と遺族厚生年金があります。

遺族基礎年金は、国民年金または厚生年金に加入している方が亡くなった場合に、遺族が受け取れる年金です。ただし、遺族基礎年金を受け取れる遺族とは、子がいる配偶者、または子です。配偶者とは妻だけでなく夫も含みます。年金制度における「子」とは18歳になる年度の3月末までの方、もしくは障害等級1級または2級の20歳未満の方のことをいいます。

厚生年金に加入している方が亡くなった場合は遺族厚生年金が発生します。遺族厚生年金は、夫が亡くなった場合には妻または子が受け取れますが、妻が亡くなった場合は、夫は55歳以上でないと受け取れません。

つまり、55歳未満で子がいない夫が残された場合、遺族基礎年金も遺族厚生年金も受け取れないということです。

妻が残された場合は、子がいれば遺族基礎年金と遺族厚生年金が受け取れ、子がいなくても遺族厚生年金が受け取れます。ただし、子がいない30歳未満の妻は遺族厚生年金の受け取り期間は5年だけとなります。一方で、遺族基礎年金が受け取れない40歳から65歳までの妻には、遺族厚生年金に加え中高齢寡婦加算が支給されます。
ところで、遺族年金全般のルールとして、残された配偶者の年収が850万円以上だと受け取れないという原則があるので注意が必要です。(子がいる場合は、親が遺族厚生年金の対象外でも子が遺族厚生年金を受け取れます)

ペアローンを組んだ場合、収入合算で住宅ローンを組んだ場合で夫と妻のそれぞれが亡くなったケースで、どのような遺族年金が受け取れるのかをシミュレーションしておきましょう。

auじぶん銀行では同性パートナー、結婚前でも契約可能

auじぶん銀行では同性パートナーやまだ同居前の婚約状態の方々でもペアローン・収入合算を利用することができます。ただし、同性パートナーの場合は本審査の時に任意後見契約および合意契約に係る公正証書の正本または謄本の写し、任意後見契約に係る登記事項証明書の写しもしくは東京都渋谷区が発行するパートナーシップ証明書または東京都港区が発行するみなとマリアージュカードが必要となります。

また、婚約状態(同居予定の婚約者)の方々の場合は、申し込み後に入籍を証明する書類の提出が必要になる場合があります。(2024年3月時点)

auじぶん銀行でペアローン・収入合算を申し込む方法

auじぶん銀行はネット銀行なので、ペアローン・収入合算の申し込みの際にどのような手続きをとったら良いのかわからないという方もいると思います。実は手続きは簡単です。

 auじぶん銀行のペアローンの申し込み方法

auじぶん銀行で住宅ローンを申し込む場合はまずネット上で仮審査を申請します。

仮審査には特に書類は必要ありませんので、すぐに進めることができます。仮審査を進めていく中で、ペアローンの希望の有無、借り入れ希望額、返済期間などの質問項目が出てきますので回答すれば申し込み完了です。もちろん審査の結果によってはペアローンを利用できないこともあります。

auじぶん銀行の収入合算の申し込み方法

収入合算を申し込む場合も、auじぶん銀行では仮審査の画面で申し込みます。

収入合算の有無を回答した後、収入合算者(連帯保証人となる方)の情報を入力すれば申し込みは完了です。

もちろんペアローン・収入合算共に 本審査の際には様々な書類が必要になりますが、 仮審査時点の希望をもとに手続きが進んでいくので、ウェブ上で必要書類を確認しながら進めていけば難しいことはないと思われます。

ペアローンか、収入合算かの選択に迷ったら

ペアローンを利用するか収入合算を利用するかの選択に迷ったら、住宅ローン控除と団信の必要性を基準に検討しましょう。

住宅ローン控除の視点

住宅ローン控除は、定められた期間、毎年の残債から一定の割合の金額が、所得税から控除される制度です。所得税から引ききれなかった場合は、一部が住民税からも税額控除されます。

ペアローンの利用者は住宅ローン控除を夫婦それぞれが利用できます。

一方で収入合算の場合は、住宅ローン控除は主たる債務者のみが利用できます。

2022年度税制改正大綱には、2022年以降は住宅ローン控除の率を1%から0.7%に引き下げることが明記されました。このように住宅ローン控除の条件は、頻繁に変更になるため、最新の情報をチェックしましょう。

団信の必要性

ペアローンの場合は団信が 1人ずつ適用になります。一方で収入合算の場合は団信が適用されるのは主債務者だけです。家計を夫婦2本柱で支えている場合は、お二人それぞれに団信があった方が良いのでペアローンが向いていると思われます。

一方で、家計は主に世帯主が支えており、世帯主に万が一が起きた時のリスクが高い家庭の場合は、収入合算または世帯主単独の契約が良いということになります。

ペアローン、収入合算を検討の際はライフプランを作る

ペアローン、収入合算は目的の物件を購入するために借り入れ額を増加させる方法です。しかし、家計全体に占める住宅ローンの支払い負担が高くなりがちな点には注意が必要です。

「2人で借りた方が高額なローンが組めるから」という安易な理由で判断せず、ライフプランを作成して「本当に2人で長期間に渡る返済が可能なのか?」を吟味しましょう。ライフプランとは、今後のライフイベントと、家計の収支を年表にしたキャッシュフロー表を合わせて記載したもののことをいいます。

ライフプランを作成することで下記のことがわかります。

<ライフプランを作成するとわかること>

  • 今後の収支・貯蓄計画
  • お互いのキャリアプラン
  • お互いの考え方

今後の収支計画はキャッシュフロー表を作成することでわかります。たとえば、子供の教育費用が高騰する時期にお金が足りない場合は、キャッシュフロー表で貯蓄がマイナスとなって表れます。住宅ローンを組む前であれば、改善策の1つとして「住宅ローンの借入額を下げる」というアクションを選択できますが、借りてしまってからだとその選択肢を取るのは難しいでしょう。

また、夫婦のキャリアプランも重要です。もしライフプランを作成する過程で、妻が「子供が生まれたら私は専業主婦をしたい」と希望するのであれば、ペアローン・収入合算は組まない方が良いと思われます。住宅ローンは、今後の収入があることが前提で組むのが基本だからです。

ライフプランを作ることで夫婦の考え方も共有できます。1人が「資産性を重視した物件を買い、返済途中の売却も検討している」と考え、もう1人が「終の住処にする予定」と考えていたら、後々売るのか売らないのかで揉めかねません。これは単独ローンの場合でも共通することです。ライフプランを作成することで夫婦の考え方を共有することは大切です。

まとめ

住宅ローン選びをしていると 様々な情報が目に入りどこの銀行を選んだら良いのか分からなくなってしまう方は少なくありません。まずは有力と思われる銀行の条件をよく理解しましょう。その銀行を基準に他の銀行を比較検討すると情報の整理がつきやすくなります。

auじぶん銀行はウェブサイトに必要な情報がほとんど掲載されているので、最初に調べる銀行としては最適です。まずはウェブサイトの情報を詳しく見てみましょう。

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