フラット35の審査基準を解説|通らない・落ちた理由とその対策

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フラット35の審査について相談する夫婦のイメージ

結論から言うと、フラット35は「雇用形態・勤続年数」の間口が広い一方で、落ちるときの理由はほぼ4つに絞られます。①信用情報に事故がある ②総返済負担率(年収400万円未満は30%以下/400万円以上は35%以下)を超えている ③申し込んだ金融機関の独自基準に合わない ④物件が技術基準を満たさず適合証明書を取得できない——の4点です。とくに近年は金利上昇で②が増えています。総返済負担率は「実行時の金利」で計算されるため、金利が上がるほど同じ年収で借りられる額は小さくなるからです。

  • フラット35の申込条件(年齢・勤続年数・雇用形態・年収・国籍)と物件側の条件
  • 年収別の借入可能額の目安を、2026年9月の実際の金利で見直すとどうなるか
  • 審査に落ちる4つの理由と、申し込む前に打てる具体的な対策

フラット35は、国土交通省が所管する独立行政法人・住宅金融支援機構が提供する、全期間固定金利タイプの住宅ローンです。借入時から完済まで金利が変わらないため、返済計画を立てやすいのが特徴です。

フラット35は、商品開発元である住宅金融支援機構に直接申し込むのではなく、住宅金融支援機構と提携する金融機関を経由して申し込む仕組みになっています。提携する金融機関は、メガバンクや地方銀行・信用金庫・ネット銀行のほか、住宅ローン専門のモーゲージバンクなど全国300以上あります(取扱金融機関により適用金利が異なります)。

フラット35を申し込むことができる金融機関は300以上ですが、それらの金融機関と提携している工務店や不動産会社経由で案内されるケースが多くあります。幅広い金融機関で全国的に利用可能なフラット35は、これまで多くのご家庭で利用されてきた実績があります。

この記事では、フラット35の審査基準と、審査に通らない・落ちた理由とその対策について解説します。

フラット35と民間の住宅ローンの違いは「提供する法人の目的」

フラット35と民間銀行が提供する住宅ローンの根本的な違いは、商品を提供している法人の目的がまったく異なるという点です。

フラット35を提供する住宅金融支援機構は、国土交通省などが所管する独立行政法人です。幅広い国民の住環境の改善を支援することを目的としており、そのために提供されているのがフラット35です。一方、住宅ローンを提供している民間金融機関(銀行・信金・JAなど)は、あくまでも営利目的の法人です。

この違いが、フラット35が「公的な役割をになっている住宅ローン」と言われる理由です。フラット35は、「幅広い国民がマイホームを持てるようにすること」「優良・高性能な住宅を日本に普及させること」といった国の方向性に沿って提供されている点を理解しておきましょう。

そのため、パート・アルバイトで働いている人でも利用できる可能性がありますし、団体信用生命保険への加入は任意で、健康上の理由で団信に加入できない人でも利用できます。住宅ローンの審査基準は民間金融機関の住宅ローンとかなり異なっており、フラット35は雇用形態などの面で一般的な住宅ローンより申し込みのハードルが低い面があります。

職業は問われない|パート・アルバイトでも借り入れできる

民間の金融機関の住宅ローンの場合、正社員で勤続年数2〜3年以上が融資の条件とされていることが多くあります。アルバイト・パート・契約社員・派遣社員・自営業・会社経営者の人は、住宅ローン審査で厳しく見られがちで、最初から対象外としている金融機関もあるほどです。

フラット35の場合、職業による区別がほとんどなく、「継続した収入」があれば借り入れできる可能性が高い住宅ローンです。フラット35の目的の1つである「国民に広くマイホームを持ってもらうこと」を達成するために、一般的な銀行が提供する住宅ローンの審査基準とは大きく異なっています。雇用形態ごとの具体的な進め方はパート・アルバイトの住宅ローン審査|通る条件とフラット35の使い方でも整理しています。

転職直後・勤続1年未満でも申し込める

フラット35に限らずどんな住宅ローンでも「継続した収入があるかどうか」が重視されますが、フラット35は転職直後や勤続年数が1年未満でも審査の申し込みが可能です。

転職直後の場合は、転職前の勤務先から給与証明書(転職・休職用)を発行してもらって提出を求められるなど、手続き面での違いはありますが、転職直後でもすんなり利用できることが多い住宅ローンです。

年収ごとの借入可能額は「総返済負担率」で決まる

フラット35は、あらかじめ決められたルールに基づいて運営される住宅ローンで、借入可能額も年収に基づいたルール(計算式)で定められています。

そのルールとは「年収に対する年間の返済金額の割合(総返済負担率)が一定基準以下であること」で、下記の基準を満たすことが条件になっています。

フラット35の総返済負担率の基準

ここで重要なのは、総返済負担率の計算に使われるのが「融資実行時の金利」だという点です。住宅金融支援機構が公表した2026年9月資金受取分のフラット35の金利は、返済期間21年以上35年以下・融資率9割以下・新機構団信付きで最も多いのが年3.460%(前月の年3.290%から0.170%ポイント上昇)で、現行制度になった2017年10月以降でもっとも高い水準です(住宅金融支援機構「最新の金利情報」・2026年9月8日確認)。

下表は、この年3.460%・35年・元利均等返済(ボーナス返済なし・他の借入なし)という前提で、総返済負担率の上限から借入可能額の目安を逆算したものです。

年収総返済負担率の上限借入可能額の目安(年3.460%・35年)
200万円30%約1,210万円
300万円30%約1,820万円
400万円35%約2,830万円
500万円35%約3,540万円
600万円35%約4,250万円
700万円35%約4,960万円

金利が1%台だった時期の目安と比べると、借りられる額は大きく下がります。たとえば年収400万円の場合、金利年1.0%なら3,800万円程度が目安でしたが、年3.460%では約2,830万円と1,000万円近く縮みます数年前の記事やネットの体験談に載っている金額を、そのまま予算の前提にしないでください。

返済額の側から見ても同じです。当編集部が2026年9月適用の各行公式金利を実測して試算したところ、フラット35(買取型・21年以上35年以下・融資率9割以下)で3,000万円を35年・元利均等(ボーナス返済なし・諸費用別)で借りた場合の月々返済額は123,292円、総返済額は51,782,640円でした(当編集部調べ・当社試算。金利は全期間変わらない前提の概算で、事務手数料などの諸費用は含みません)。実額は必ず最新の金利で住宅金融支援機構のシミュレーションや、フラット35実行件数で16年連続シェアNo.1のSBIアルヒの公式サイトで確認してください。年収別の考え方はフラット35の審査と年収・借入可能額|いくらまで借りられる?でさらに詳しく解説しています。

フラット35の申込の条件

年齢

申込時が70歳未満、最終返済時80歳未満の方(親子リレー返済を利用される場合は、70歳以上も申し込み可能)。

勤続年数

特に定めなし。

雇用形態

会社経営者、自営業、個人事業主、派遣社員、契約社員、パート、アルバイトでも申し込み可能。

年収・収入

フラット35には年収の下限(最低年収)は設けられていません。年収に占めるすべての借入の年間返済額(本件融資を含む)の割合(=総返済負担率)が下記の基準を満たしていることが条件です。

年収400万円未満は30%以下、400万円以上は35%以下

国籍

日本国籍の方、永住許可を受けている方または特別永住者の方で、国内に居住していること。

資金の用途・対象となる住宅の条件

  • 住宅金融支援機構の定める技術基準に適合することを証明する「適合証明書」の取得が必要です。
  • 店舗や事務所と併用した住宅の場合、住宅部分の床面積が全体の1/2以上であること。
  • 借入額は100万円以上1億2,000万円以下(1万円単位)で、建設費(土地取得費を含む)または購入価額の範囲内であること。融資限度額は2026年4月実行分から8,000万円→1億2,000万円に引き上げられました(住宅金融支援機構)。
  • かつて設けられていた「住宅の建設費・購入価額1億円以下」という物件価格の上限は、2019年10月申込分から廃止されています(1億円超の物件でも利用可能。ただし借入額は上記の限度額まで)。

フラット35の審査に落ちた理由として考えられる4つ

これまで説明したように、一般の住宅ローンよりも審査基準がゆるいと思われるフラット35に申し込んだものの、審査に落ちてしまった場合に考えられる理由は以下のとおりです。その対策についても解説します。

落ちた理由 その1:個人の信用情報に問題がある

過去にクレジットカードやローン、キャッシング、信販会社や保証会社への支払いなどで返済の「遅延」など何かしらのマイナスな事故があり、信用情報に傷がついた場合に、金融機関同士で個人情報を交換するネットワーク「信用情報機関」にその情報が登録されていることが原因です。

最近では、スマホ本体などを分割(割賦)で購入するケースが多いため、携帯電話料金の遅延などが個人の信用情報に記載されることもあり、注意が必要です。

支払いの遅延が解消、あるいは契約解消で取引が終了した時点から5年程度は、いわゆるブラックリストとして住宅ローンはもちろんクレジットカードなどの審査にも通りにくくなります(自己破産などの情報は機関によって7年程度保有される場合もあります)。
対策としては、事故情報が信用情報機関の記録から削除されるまで待つことが基本となります。

自身の個人信用情報にご不安な方は、下記の各指定信用情報機関のwebサイトから請求して確認することができます。

CIC(webサイトへ)

JICC(webサイトへ)

KSC(全国銀行個人信用情報センター)(webサイトへ)

落ちた理由 その2:借入希望額が総返済負担率の上限を超えている

前述のとおり、フラット35は融資の際の返済負担率を明確にしています。
フラット35の総返済負担率は、年収400万円未満であれば30%以下、年収400万円以上であれば35%以下とされているため、この基準をオーバーしている可能性があります。

総返済負担率は、消費者金融での借り入れはもちろん、車のローン、クレジットカードのリボ払いなども含めて算出されます。これらを含めて自身の借入額を算出し、返済負担率を計算してみましょう。

また、返済負担率の計算に使われるのは「実行時の金利」です。フラット35の最頻金利は2026年9月に年3.460%(21年以上35年以下・融資率9割以下・新機構団信付き)まで上がっており、同じ借入額でも年間返済額は以前より増えています。数年前の感覚で「この年収ならこれくらい借りられるはず」と考えていると、審査で基準を超えてしまう点に注意してください。対策は、頭金を増やして借入額を下げる、車のローンやリボ払いを先に完済して他の返済額を減らす、返済期間を長めに取る、といった方法です。金利の動きはフラット35・フラット20の金利推移でも追えます。

落ちた理由 その3:金融機関ごとの独自基準に合わなかった

フラット35の申し込みを行うとき、金融機関により独自の取扱基準(住宅金融支援機構の基準に上乗せした条件)が異なる場合があります。
同じ人がフラット35を申し込んでも、A社では通らなかったがB社では審査を通った、ということが起こり得ます。

こうしたことに備えるためにも、フラット35を申し込むときには複数の金融機関に同時に申し込んでおくのが得策です。住宅ローンの審査は厳しいため、落ちたときのことを考えておく必要があります。複数同時に申し込み、融資の実行に確実に間に合うように万全の体制を作っておきましょう。

落ちた理由 その4:物件が技術基準を満たさず適合証明を取れない

見落とされがちですが、フラット35は「人」だけでなく「物件」も審査される住宅ローンです。住宅金融支援機構が定める技術基準(住宅の規模・断熱性・耐久性など)に適合していることを、検査機関または適合証明技術者が確認して発行する適合証明書が必要で、これが取得できない物件では、申込者本人の属性に問題がなくても融資は受けられません。

とくに築年数の古い中古住宅や、増改築を重ねた住宅では基準を満たさないことがあります。対策としては、物件を決める前に、その物件がフラット35の技術基準に適合しているか(適合証明を取得できるか)を、売主・仲介会社・検査機関に確認しておくことです。中古住宅では、すでに適合証明書を取得済みの物件かどうかを確認するのが早道です。基準の詳細は住宅金融支援機構「【フラット35】ご利用条件」のページで確認できます。

おすすめのフラット35は?

フラット35は300以上の金融機関で申し込めますが、その中でも圧倒的な貸し出し実績があるのが、住宅ローン専門の金融機関であるSBIアルヒ(旧ARUHI)です。

SBIアルヒは、フラット35の実行件数で16年連続シェアNo.1を獲得している金融機関です(※2010年度-2025年度統計、取り扱い全金融機関のうち借り換えを含む【フラット35】実行件数(2026年3月末現在、SBIアルヒ調べ))。

最大手が必ずしも一番良いとは言いませんが、「フラット35は最終的に住宅金融支援機構につながること」「審査基準や審査に通る方法を経験豊富なスタッフに相談できること」など、SBIアルヒで申し込むメリットは多くあります。全国に店舗(約90拠点・2026年3月末現在)を構えていて相談しやすく、審査のノウハウやシステムも整っているため、審査のスピード面でも申し分ありません。

SBIアルヒのフラット35の詳細はこちら

よくある質問(FAQ)

Q. フラット35は審査に通りやすいって本当ですか?

A. 雇用形態や勤続年数の条件が民間の住宅ローンよりゆるく、パート・アルバイト・自営業・転職直後の人でも申し込める点では、間口は広い住宅ローンです。ただし「誰でも必ず通る」わけではありません。信用情報の事故・総返済負担率の超過・物件が技術基準(適合証明)を満たさないといった理由で落ちることはあります。

Q. 団信に加入できない場合でも借りられますか?

A. 借りられます。フラット35は団体信用生命保険への加入が任意のため、健康上の理由で団信に加入できない場合でも利用できます(団信に加入しない場合は、新機構団信付きの借入金利から年0.200%引き下げた金利が適用されます)。反対に、夫婦2人で加入する「デュエット(ペア連生団信)」を選ぶ場合は年0.180%上乗せになります。万一に備えたい場合は、引受条件を緩和したワイド団信を扱う金融機関を選ぶ方法もあります。

Q. 金利は申込時と融資実行時のどちらが適用されますか?

A. 融資実行(資金受取)時点の金利が適用されます。金利は毎月見直され、住宅金融支援機構のサイトでは毎月第1営業日の正午ごろに更新されます。2026年9月は年3.460%(21年以上35年以下・融資率9割以下・新機構団信付きの最頻金利)で、前月から0.170%ポイント上昇しました。申し込みから実行までの間に金利が動くと返済額も変わるため、実行月の金利を必ず確認しておきましょう。

Q. 同じフラット35なのに、金融機関によって金利が違うのはなぜですか?

A. フラット35の借入金利は各金融機関がそれぞれ決めているためです。住宅金融支援機構が公表している2026年9月の金利は、返済期間21年以上35年以下・融資率9割以下で年3.460%〜年5.690%と幅があり、最も多いのが年3.460%です。上限と下限では2%以上の差があるため、勧められた1社だけで決めず、複数の取扱金融機関の金利と融資事務手数料を必ず比較してください。

Q. 頭金が1割あるかどうかで金利は変わりますか?

A. 変わります。フラット35は融資率(住宅の建設費・購入価額に対する借入額の割合)が9割以下か9割超かで金利が分かれ、2026年9月の最頻金利は9割以下が年3.460%、9割超は年3.570%です。頭金を1割用意できれば、完済まで年0.110%低い金利で借りられる計算になります。

まとめ

フラット35は、雇用形態や勤続年数の条件がゆるく、全期間固定金利で完済まで返済額が変わらないのが大きな魅力です。2026年4月からは融資限度額が1億2,000万円に引き上げられ、住宅価格が高騰する都市部でも使いやすくなりました。一方で、審査に落ちる主な理由は「信用情報の事故」「総返済負担率の超過」「金融機関ごとの取扱基準の違い」「物件が技術基準を満たさない」の4つです。事前に信用情報を確認し、物件の適合証明の可否を早めに押さえ、複数の金融機関に申し込むなど対策をとっておきましょう。

なお、2026年9月のフラット35の金利は現行制度になった2017年10月以降でもっとも高い水準にあり、全期間固定と変動金利の差がこれまで以上に意識される局面です。フラット35以外の選択肢として、保証料・一部繰上返済手数料・一般団信が0円で、店舗とオンラインの両方に対応するSBI新生銀行など民間の住宅ローンも、審査基準や金利タイプが異なるため比較検討に値します。金利タイプと総返済額を見比べ、自分に合った住宅ローンを選びましょう。最新の金利・取扱条件は各金融機関および住宅金融支援機構の公式サイトでご確認ください。

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