ゆうちょ銀行の住宅ローン|審査するのはどこ?金利と注意点

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ゆうちょ銀行の窓口で住宅ローンを相談するイメージ

ゆうちょ銀行の住宅ローンを審査するのは、ゆうちょ銀行ではありません。同行は銀行法にもとづく「銀行代理業者」として、ソニー銀行とSBI新生銀行の住宅ローン契約の締結を媒介しているだけで、申込条件を定めて可否を判断するのは所属銀行であるこの2行です。したがって「ゆうちょ銀行の審査基準」とは、実際には申し込んだ先の銀行の審査基準を指します(2026年9月13日、ゆうちょ銀行 公式「住宅ローン」にて確認)。

店舗数など規模の面ではメガバンクをしのぐ日本最大級の金融機関でありながら、なぜ自行で貸さないのか。郵政民営化で誕生した際に預金業務の認可は得られたものの、ローン商品を取り扱うために必要な融資業務の認可は得られませんでした。その後も認可取得に向けて動いてきましたが、地方銀行などからの反発もあり、現在も自前の融資業務の認可は取得していません。ゆうちょ銀行が自社で住宅ローンを貸しているわけではないのは、このためです。

かつてはスルガ銀行の住宅ローンも銀行代理業者として販売していましたが、2018年の不正融資問題を受けて取り扱いを終了しました(公式サイトにも「スルガ銀行株式会社の個人ローン契約の媒介手続きは終了しました」と明記されています)。なお、他行商品の媒介とは別に、住宅金融支援機構と提携した全期間固定金利の「ゆうちょフラット35」も取り扱っています。

ゆうちょ銀行で申し込めるのは「ソニー銀行」「SBI新生銀行」「ゆうちょフラット35」の3つ

ゆうちょ銀行の住宅ローンのラインアップは、①ゆうちょフラット35(機構と提携した全期間固定)②ソニー銀行の住宅ローン(媒介)③SBI新生銀行の住宅ローン(媒介)の3本立てです。②と③はどちらもネット銀行系で、諸費用の分かりやすさと団信の選択肢の広さに特徴があります。

ゆうちょ銀行経由の適用金利は3つとも別建て(2026年9月)

同じ「ゆうちょ銀行で申し込む住宅ローン」でも、金利タイプも水準もまったく別物です。2026年9月の適用金利は次のとおりです。

申込先・商品金利タイプ2026年9月の適用金利
ゆうちょフラット35(返済期間21年以上)全期間固定引き下げ期間中 年2.460%
引き下げ期間終了後 年3.460%
ゆうちょフラット35(返済期間20年以下)全期間固定引き下げ期間中 年2.140%
引き下げ期間終了後 年3.140%
ソニー銀行 変動セレクト住宅ローン変動年1.347%
SBI新生銀行 パワースマート住宅ローン<プラス>変動(半年型)通常 年1.050%/優遇 年1.030%

※出典:ゆうちょ銀行「住宅ローン」(2026年9月13日確認)。ゆうちょフラット35は融資率9割以下・金利引き下げ制度の最大引き下げ幅適用時・新機構団信(一般)付きの金利です。SBI新生銀行の「優遇」は、新規の借り入れで変動金利を選び、借入金額が物件購入価格および建築請負価格の合計額の90%以内である場合に基準金利から年0.02%を引き下げるものです。適用金利は毎月見直され、申込時ではなく実際に借り入れる日(SBI新生銀行は契約日)の金利が適用されます。最新の金利・条件は各社の公式サイトでご確認ください。

表で目を引くのは、ゆうちょフラット35の「引き下げ期間中」と「引き下げ期間終了後」で1.000%の差がある点です。これは【フラット35】の金利引き下げメニュー(子育て世帯や省エネ性能などの要件を満たすと一定期間だけ金利が下がる制度)によるもので、引き下げ期間が終われば引き下げ前の金利に戻ります。返済計画は「引き下げ期間終了後の金利」を前提に立てるのが安全です。

2社の手数料・団信・返済期間を並べて比べる

ゆうちょ銀行は所属銀行2社の商品条件を比較表として公表しています。商品名・取扱手数料・返済期間・団信の選択肢は大きく異なります。要点を整理すると次のとおりです(2026年9月13日確認・ゆうちょ銀行公式の住宅ローン比較表より)。

比較の観点ソニー銀行SBI新生銀行
商品名住宅ローン/変動セレクト住宅ローン/固定セレクト住宅ローンパワースマート住宅ローン<プラス>
取扱手数料住宅ローン=44,000円(税込)
変動セレクト・固定セレクト=融資金額の2.20%(税込)
融資金額の2.20%(税込)
融資金額500万円以上3億円以下(10万円単位)500万円以上3億円以下(10万円単位)
返済期間住宅ローン・変動セレクト=1年以上50年以下
固定セレクト=10年以上50年以下
変動金利(半年型)で新規の住宅購入・建設資金=5年以上50年以内
(35年超は当初借入金利に年0.100%上乗せ)
それ以外=5年以上35年以内
返済方法元利均等返済(ボーナス返済併用可)元利均等返済(ボーナス返済併用可)
団体信用生命保険必須加入(保険料はソニー銀行負担)必須加入(保険料はSBI新生銀行負担)
団信の選択肢一般団信(上乗せなし)/がん団信50%保障(上乗せなし)/がん団信100%保障(+0.100%)/3大疾病団信(+0.200%)/生活習慣病団信(+0.200%)/ワイド団信(+0.200%)一般団信(上乗せなし)/ガン団信(+0.100%)/全疾病保障付団信(上乗せなし)

※出典:ゆうちょ銀行「住宅ローン比較表」(2026年9月13日確認)。上乗せ幅はいずれも適用金利への年率での上乗せです。SBI新生銀行は全国保証株式会社の保証付き住宅ローンを利用する場合、同社所定の審査があるほか金利や条件が異なります。

まず押さえたいのは、ソニー銀行の「住宅ローン(定額型)」だけは取扱手数料が44,000円(税込)の定額で、他は融資金額の2.20%(税込)の定率型だという点です。3,000万円を借りる場合、定率型なら66万円ですが、定額型なら44,000円で済みます。ただし定額型は一般に適用金利が高めに設定されるため、手数料の安さだけで有利・不利は決められません。借入額と返済期間を決めたうえで、金利と手数料を合わせた総支払額で比べることが大切です。

SBI新生銀行=諸費用の負担が軽く、全疾病保障付団信が上乗せ0円

SBI新生銀行の住宅ローンの大きな特徴は、諸費用面の負担の軽さです。保証料・一部繰上返済手数料・団体信用生命保険料などが0円で、初期費用や返済中のコストを抑えやすくなっています。一部繰上返済は1円から、手数料0円で何度でも利用できます。

住宅ローンの諸費用のなかでも大きな金額を占めるのが事務手数料です。SBI新生銀行の事務手数料(定率型)は借入金額×2.20%(税込)で、例えば3,000万円の借り入れなら66万円となります(2026年9月13日時点・SBI新生銀行 公式の手数料ページで確認)。手数料のタイプや金額は商品・契約内容によって異なる場合があります。

団信のラインアップも充実しています。2026年9月時点では、一般団信(上乗せ0円)・ガン団信(適用金利に年0.100%上乗せ)・全疾病保障付団信(2026年3月2日取扱開始・上乗せ0円)から選べます。とくに全疾病保障付団信は、就業不能状態まで保障しながら金利上乗せなしで付帯できる点が魅力です。

なお、かつて案内されていたステップダウン金利タイプ・自動繰上返済(スマート返済)・介護保障を付けた「安心保障付団信」は、いずれも新規の取り扱いを終了しています。古い解説記事にはこれらが現行サービスとして残っていることがあるので注意してください。

SBI新生銀行の団信について詳しくはこちら

審査については、年収や勤続年数などの申込条件が公表されています。一方で合否を決める内部基準は公表されていないため、「通りやすい・通りにくい」を断定することはできません。手続き面では、SBI新生銀行は原則として事前審査(仮審査)を行わず本審査のみで完結する点を知っておくとよいでしょう。他行と併願する場合は、他行側の事前審査を先に済ませておくと進めやすくなります。条件の詳細はSBI新生銀行の住宅ローン審査基準を整理した記事にまとめています。

ひとつ注意したいのは、ゆうちょ銀行経由の「パワースマート住宅ローン<プラス>」は、SBI新生銀行に直接申し込む住宅ローンとは商品名も金利体系も異なることです。直接申し込む場合の優遇の仕組みはSBI新生銀行の住宅ローン金利優遇の記事で解説しています。どちらの窓口が自分に合うかは、金利だけでなく相談のしやすさも含めて比べてください。

ソニー銀行=団信の選択肢が広く、がん50%保障が上乗せ0円

インターネット専業銀行として早くから住宅ローンを取り扱ってきたのがソニー銀行です。ゆうちょ銀行経由では、「住宅ローン」「変動セレクト住宅ローン」「固定セレクト住宅ローン」の3つから選べます。

ソニー銀行の魅力は、上乗せ金利なしで付帯できる「がん団信50(がん50%保障)」と、団信の選択肢の広さです。がんと診断確定した場合に住宅ローン残高の50%が保障される特約を、金利の上乗せなしで利用できます(残高が0円になる「がん団信100」は年0.100%上乗せ)。3大疾病団信・生活習慣病団信は年0.200%上乗せで選べます。

健康状態に不安があり一般の団信に加入できるか心配な方向けには、引受条件を緩和した「ワイド団信」(年0.200%上乗せ)も用意されています。団信に加入できないと民間の住宅ローンは借りられないのが原則なので、選択肢があること自体が安心材料になります。

また、自己資金を10%以上用意できる場合は、変動セレクト住宅ローンや固定セレクト住宅ローンで通常より低い金利が適用される仕組みもあります。返済期間は住宅ローン・変動セレクトが最長50年、固定セレクトが10年以上50年以下と長く設定できる点も特徴です。審査面の詳細はソニー銀行の住宅ローン審査を解説した記事で確認できます。

ゆうちょ銀行で申し込むメリットと、見落としやすい注意点

最大のメリットは、ネット銀行の住宅ローンについてゆうちょ銀行の窓口で対面相談できることです。「ネットでの申し込みは顔が見えないから不安」という方も、店頭で相談しながら手続きを進められます。ゆうちょ銀行がSBI新生銀行の代理業者として扱う「パワースマート住宅ローン<プラス>」は、ゆうちょ銀行専用の商品として案内されています。

一方の注意点はすべてのゆうちょ銀行・郵便局で相談できるわけではないことです。住宅ローンの相談・申し込みはゆうちょ銀行 住宅ローン取扱店のローンサービス部が窓口となるため、事前に最寄りの取扱店を確認しておきましょう。また、審査を行うのは所属銀行なので、「ゆうちょ銀行だから通りやすい」ということはありません。何千万円という資金を借りる以上、審査が慎重になるのは当然です。

審査に不安があるならゆうちょフラット35も選択肢に

【フラット35】は住宅金融支援機構と各金融機関が提携して提供する全期間固定金利の住宅ローンで、「幅広い国民がマイホームを持ちやすいように」という目的で提供されています。民間銀行とは異なる基準で利用できるため、自営業や個人事業主、派遣社員・契約社員、アルバイトでも、継続した収入があれば借り入れできる可能性があります。ゆうちょ銀行はこれを「ゆうちょフラット35」として自行で取り扱っており、媒介ではなく直接の申込先になります。

金利水準も確認しておきましょう。2026年9月の【フラット35】は、融資率9割以下・返済期間21年以上35年以下・新機構団信付きで最も多い金利が年3.460%(融資率9割超は年3.570%)です。2026年8月の年3.290%から0.170%の上昇で、変動金利型と比べると当初の返済額は大きくなりますが、借入期間中ずっと金利が変わらない点が最大の強みです。金利が動きやすい局面では、この「返済額が確定している」という性質そのものが価値を持ちます(住宅金融支援機構【フラット35】最新の金利情報・2026年9月13日確認)。

【フラット35】は事前審査の申し込みが無料で、ゆうちょ銀行のほか楽天銀行・ドコモの銀行(旧・住信SBIネット銀行)・SBIアルヒなど複数の金融機関から申し込めます。同じ【フラット35】でも金融機関ごとに融資事務手数料が異なるため、金利だけでなく手数料を含めた総支払額で比べてください。ソニー銀行やSBI新生銀行の民間ローンに申し込みつつ、保険として【フラット35】にも申し込んでおけば、万が一審査に通らなかった場合でも時間を無駄にせずに済みます。

ゆうちょ銀行の住宅ローンに関するよくある質問(FAQ)

Q. 住宅ローンの審査をするのはゆうちょ銀行ですか?

A. いいえ、審査を行うのは所属銀行であるソニー銀行またはSBI新生銀行です。ゆうちょ銀行は申し込みを媒介する銀行代理業者という立場なので、「ゆうちょ銀行の審査基準」は実際には申し込んだ銀行の審査基準を指します。

Q. ゆうちょ銀行の窓口で対面相談や手続きはできますか?

A. できますが、窓口は全店ではなくゆうちょ銀行の住宅ローン取扱店(ローンサービス部)に限られます。事前に公式サイトの取扱店一覧で最寄りの店舗を確認してください。ネット銀行の住宅ローンを対面でサポートしてもらえるのが、ゆうちょ銀行で申し込む利点です。

Q. ゆうちょ銀行の住宅ローンにデメリットはありますか?

A. 相談できる店舗が住宅ローン取扱店に限られること、審査を行うのは所属銀行なので「ゆうちょ銀行だから通りやすい」わけではないこと、そしてゆうちょ銀行経由の商品は各行に直接申し込む商品と名称や金利体系が異なる場合があることが挙げられます。窓口の選択肢の一つとして、直接申込と条件を見比べるのが確実です。

Q. ソニー銀行とSBI新生銀行は、どちらを選べばよいですか?

A. 重視する条件で変わります。取扱手数料を抑えたいならソニー銀行の「住宅ローン(44,000円・税込)」がん以外の疾病も含めて団信を広く比べたいならソニー銀行(3大疾病・生活習慣病・ワイド団信あり)上乗せ0円で就業不能まで備えたいならSBI新生銀行の全疾病保障付団信が候補です。ただし定額手数料の商品は金利が高めに設定されるのが一般的なので、最終的には金利と手数料を合わせた総支払額で比較してください。

Q. 「ゆうちょフラット35」とはどんな住宅ローンですか?

A. ゆうちょ銀行と住宅金融支援機構が提携して提供する、最長35年の全期間固定金利型の住宅ローンです。他行商品の媒介ではなくゆうちょ銀行が直接取り扱います。2026年9月の適用金利は返済期間21年以上で引き下げ期間中が年2.460%、引き下げ期間終了後が年3.460%(融資率9割以下・新機構団信付き)です。

Q. スルガ銀行の住宅ローンは今もゆうちょ銀行で申し込めますか?

A. いいえ、公式サイトに「スルガ銀行株式会社の個人ローン契約の媒介手続きは終了しました」と記載されており、現在は取り扱っていません。2026年9月時点でゆうちょ銀行が媒介しているのは、ソニー銀行とSBI新生銀行の住宅ローンです(このほか自行商品としてゆうちょフラット35を取り扱っています)。

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