社長、経営者、オーナー、代表取締役、取締役の住宅ローン審査

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社長、経営者、オーナー、代表取締役、取締役と言われる「経営者や起業家」と、一般企業や公務員として働くサラリーマンが明確に違うのは「労働者か労働者ではないのか」と言う点です。

一般的に、会社の中では「経営者」が大きな力を持っています。「労働者」を不当に扱うことのないように「労働者」を守るため法令を用意したり、「労働者」を救う制度が用意されています。

逆に「経営者」を守る制度と言うのも多少はありますが、自分で事業や会社を運営しているリスクを補えるほどのものではありません。

この記事では、住宅ローンの審査で「社長、経営者、代表取締役、取締役などの経営者」がどのように評価されるのか、また、経営者からの住宅ローン申し込みがどのようなポイントを重視して審査されるのかについて解説しています。

社長、経営者、オーナー、代表取締役、取締役だと住宅ローン審査に厳しいのは本当?

住宅ローンは高額な資金を長期間貸し出すことになるので、継続的かつ安定的な収入を得られるかが重視されます。

例えば、会社員(サラリーマン)は会社と雇用契約を結んで、会社から給料を受け取っているわけですが、会社の業績で給料が増減することはあっても、会社の借金について責任を負うことはありません。

また、雇用保険や労働保険などの制度が充実しているため、仕事がなくなったり収入が途絶えたりすることをできるだけ防ぐためのセーフティーネットがしっかりしています。

その一方で、社長、経営者、オーナー、代表取締役はリスクを負い経営を行っているだけでなく、雇用保険や労働保険が適用される労働者ですらありません。

会社の業績が悪くなれば役員報酬がカットされる可能性があるのはもちろん、即退任を求められる可能性もあれば、退任後に雇用保険で一定水準の収入が保障されるような制度もありません。

社会的地位や会社の中での立場で考えると、高額な収入を得ていてたくさんの人たちを雇っている立場にある経営者が、住宅ローンの審査で従業員よりも不利な面が多いというのは納得できないかもしれませんが、お金を貸す方の立場から見ると一時的な収入が高い人よりも安定した収入を維持できる人の方が優良なお客さまです。

前提

ポイントは、やはり、住宅ローンが数千万円もの高額な資金を、最大35年もの長い期間融資を続ける金融商品であるという点です。つまり、継続的に収入を維持、継続的に返済できる人物に貸す必要があり、それが住宅ローンの審査の大きなポイントになります。

前述の通り、経営者、特に同族企業や中小企業の経営者の住宅ローン審査は厳しくみられる傾向があります。例えば、起業してすぐに住宅ローンを申し込んでもかなりの確率で審査に落ちることになります。事業を成功させて利益を出しているだけでなく、事業が中長期的にも軌道にのっていると判断してもらう必要があるわけです

もちろん、事業性ローンと違って住宅ローンは「有担保」のローンなので、住宅の価値に対して借入金額が少ない(頭金が多い)状態であれば、審査に通る可能性はぐっと高まります。

 

法人設立後の経過期間・勤続年数について

経営者に対して住宅ローンを貸し出すときの住宅ローンの審査基準として「法人を設立して3期が経過(3期分の決算・納税)していること」という基準が設けられているのが一般的です。

また、直近3期に赤字の年度があると審査ではかなりマイナスになります。赤字があると絶対に審査に落ちるとまでは言いませんが、事業の安定性の観点でマイナス評価されるのは間違いありません。

「税金を払いたくない」「節税したい」という理由で、意図的に「赤字」の状態にすると住宅ローンの審査ではマイナスに響きます。なお、役員報酬を法人の損益から差し引いて考えても赤字になっているような経営状態だと住宅ローンの審査ではかなり厳しい結果になると覚悟しておきましょう。

フラット35であれば決算書の提出は原則不要
民間銀行の住宅ローンの場合、決算書の提出を求められますが、フラット35の場合、原則として決算書の提出は不要です。稀に提出を求められることがありますが、社長・経営者でフラット35を選んだ人の最大の理由に、民間銀行の住宅ローンとの審査基準・提出書類の違いがあります。

特に11年連続でフラット35の融資件数で1位を獲得しているARUHIは、社長・経営者への融資実績も豊富です。店舗も全国に展開していますので、相談先としておすすめです。

ARUHIのフラット35・店舗一覧はこちら

参考までに各金融機関の住宅ローンの勤続年数の基準を紹介します。

 銀行名勤続・営業年数
ARUHI フラット35定めなし
住信SBIネット銀行 フラット35定めなし
auじぶん銀行 定めなし
 イオン銀行 3年以上
SBI新生銀行 2年以上
 みずほ銀行 定めなし
 ソニー銀行 定めなし

年収・収入について

民間銀行の住宅ローンの社長・経営者に対する審査では「個人の源泉徴収表」だけで住宅ローン審査が行われるわけではなく、経営する法人の業績も参照されます。そのため、住宅ローン審査の時に経営する法人の決算書や確定申告書の提出が求められるわけです。

なお、経営者は法令の許す範囲で経費をコントロールしたり、利益をコントロールできます。そのため、「節税」を目的に「利益を減らす」という行為がよくあります。法令で許される範囲内で節税することは会社経営上では大切なことですが、住宅ローンやクレジットカードなどの”与信”を伴う金融商品を利用する時に不利になります。

社長・経営者の方で将来的な住宅ローンの申し込みを考えている人は、事業性ローンを必要以上に抱えるのを避けるだけでなく、2年後・3年後に決算書を金融機関に提出した時にどう見られるかも意識した決算を行うようにしておくことをお勧めします。

なお、事業内容によっては減価償却費、銀行への融資返済などが考慮されることもあります。

いずれにせよ、過去3年の業績を第三者の視点で分析・評価する気持ちが大切です。

事業の業種について

これは「明確に金融機関から教えてもらえることはない」のですが、事業の業態についても審査の材料とされることがあります。例えば、たまたま流行っている可能性があり、参入障壁も少ないネットビジネスよりも、社会インフラを担っていて業績が大きく変わらないような業種の方が審査に有利になることがあるようです。

特定の業種の非難になるようなコメントは差し控えますが、業種や取引先企業なども参照されることがあるようというわけです。

頭金について

事業性ローンとは違って住宅ローンを借りるときに「事業計画」のようなものの提出は不要です。そもそも住宅ローンは「マイホーム」を担保に差し出してお金を借りる仕組みなので、住宅の価値に対して借入金額が少なければ審査に通る可能性はぐっと高まります。

また、会社・個人の資金の移動をコントロールしやすい社長やオーナーにも関わらず、頭金を全く用意しないで家を買おうとするのは計画的とは言えないと思います。やはり、銀行に対してお金の管理をキチンと行える人物像であることをアピールする意味でも、頭金はしっかりと用意するようにしましょう。

最近は頭金ゼロでも住宅ローンの借入ができるようになっていますが、それらを利用しやすいのは公務員やサラリーマンのような安定収入の期待値が高い人たちで会って、社長、経営者、オーナー、代表取締役、取締役はできれば2-3割の頭金は用意しておくべきでしょう。

健康状態

住宅ローンの借入には各銀行の指定する団体信用生命保険に加入することが必要であるため、持病、健康状態、病歴などにより団信に加入できず、結果的に住宅ローンの借り入れができない場合があります。

これは住宅ローン借入者が死亡した場合に団信より住宅ローン残高が弁済され、残高がゼロになるという特性を持っているためです。借り入れ希望金額によっては、保険会社所定の診断書の提出が必要になる場合があります。

社長、経営者、オーナー、代表取締役、取締役はイコール会社であり、その会社に万が一のことがあれば役員報酬、収入に影響を及ぼし、住宅ローンの返済にも影響します。そのため、社長、経営者、オーナー、代表取締役、取締役は健康状態も厳密にチェックされるでしょう。

なお、健康状態に不安にある方でも住宅ローンを諦める必要はありません。auじぶん銀行やイオン銀行では金利に上乗せした手数料を支払うことで加入条件を拡大した団信、「ワイド団信」を扱っており、これに加入することで住宅ローンを借りれる可能性があります。

住宅ローンの返済に2重の安心を

日本では上場をしていないオーナー企業を除き、役員報酬が諸外国と比較して低い水準にあります。
一方で近年では株主代表訴訟などの動きが活発化しており、その賠償要求金額は欧米と変わらない事例も多々あります。

こうした対策としては是非「会社役員賠償責任保険」への加入を行っておきましょう。

あなたに万が一のことがあった場合、健康上の問題であれば団信で補償がありますが、善管注意義務がといわれるなど業務遂行上で発生するリスクにもしっかり備えたほうがよいでしょう。

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