フラット35の団体信用生命保険と収入保障保険の違い、特徴とは?

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今となってはずいぶん昔のことになりますが、フラット35は当初、団信の保険料を別途支払う必要がある住宅ローンでした。

2017年10月に住宅ローン「フラット35」の団体信用生命保険(団信)が金利組み込まれるように制度改正が行われました。

それまでは住宅ローンの返済額とは別に毎年団信料金を別途支払う必要がありましたが、今も、フラット35は団信に加入する場合には金利に0.2%上乗せという形で毎月の返済額に組み込まれます。逆に団信に加入しない場合は0.2%低い金利で借り入れできるようになりました。

今回はフラット35の団信と収入保障保険の違いについて解説します。

そもそも団信ってなに?

団信とはローン契約者が死亡、または高度機能障害などの万が一のことがあった場合に、保険会社が契約者に代わってローン残債の全額を支払う制度です。住宅ローン契約者に万が一の不幸があった場合に残された家族はローンの負担がなくなるため生活の基盤である家を失うことなく住み続けることができます。

住宅ローンでは長期間の返済を続けなければならないことを考えると団信のように万が一の備えをしておくことが重要です。

フラット35の団信は何が違うの?

団信は契約者に万が一のことがあった場合に保険会社がローン残債を保証してくれます。住宅ローンを貸し出した銀行はこの保険により債権を回収できることから、通常の住宅ローンでは加入を必須として、債務者の死亡時のリスクに備える形式をとっています。

つまり、ある程度、健康状態が良好でなければ住宅ローンを借りることができないということです。

しかしフラット35は団信への加入が必須ではないため、団信に加入でいない方でも借り入れることが可能になります。ここが最も大きな違いといえます。

フラット35では団信付きと団信無しの2種類が用意されていて、団信なしの場合には団信付きのものよりも0.2%低い金利が適用されます。
このフラット35の団信と収入保障保険との違いはなんでしょうか。

フラット35の団信と収入保障保険

フラット35は団信への加入が必須ではないため、保険料を考えた場合に若く健康な方であれば団信に加入せずに収入保障保険したほうが保険料が抑えられるのでしょうか。フラット35の男子がリニューアルされる前と後で実際に試算して比較みましょう。

団信と収入保障保険

それでは2017年10月以降、現在も利用されている金利に保険料を組み込む方式の団信で計算してみたいと思います。

先のシュミレーションと同条件で、4,000万円を金利1.14%・35年元利均等返済で借り入れした場合。
実行金利を1.34%とすると、毎月の返済額は11万9,362円。総返済額は5,013万円となります。団信加入なしの場合は、金利が1.14%で、月返済額は11万5,542円、総返済額は4,853万円となります。つまり、この差額160万円が団信総支払額となります。

収入保障保険の損保ジャパン日本興亜ひまわり保険で、支払総額は163万8,000円でしたから、若干の差ではあるもの団信の金利組み込み型の方が総支払額が安く抑えられています。団信代わりの収入保障保険加入は、加入者が若く健康体である条件に限り、現在でも安くなるケースがあるかもしれません。

ただ、収入保障保険では他にも注意しなければならない点があることを覚えておきましょう。
例えば、万が一、住宅ローン利用者であり収入保障保険加入者の本人が亡くなり、相続人が保険料を受け取った場合。全ての完済手続きを相続人が行わなければなりませんが、相続財産をめぐり遺族間で揉め事があると、保険金を住宅ローン完済のための資金に充当できないことも考えられます。

一方、フラット35の団信の場合は、住宅金融支援機構が契約者ですから、住宅ローン利用者本人が亡くなっても、遺族が所定の手続きをとれば、住宅金融支援機構が保険会社に保険金を請求しローンが完済される仕組みとなっています。遺族が死亡手続きを行えば、相続トラブルに関係なく、自動的にローンが完済されるわけです。

実際に支払う保険料や支払い方法、さらにそもそもの目的であるローン残債の支払いのスムーズさを考えても、健康上の問題など特段の理由がなければリニューアルされたフラット35の団信に加入することが良さそうですね。

そして健康上の理由で団信に加入できないため住宅ローンを借りられないという方でも、リニューアル後でもフラット35の団信は加入が必須ではないため利用が可能です。ただしその場合でも団信の代わりとなる収入保障保険などの万が一のときの保険は考えておきましょう。

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