住宅ローンの支払い開始はいつ?つなぎ融資・分割融資をやさしく解説

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
住宅ローンの支払い開始時期をイメージしたイラスト

この記事では、住宅ローンの支払い(返済)の開始時期について解説します。特に「家が完成する前から支払いを始めなければいけないのか?」という疑問を中心に、仕組みを整理していきます。

結論から言うと、住宅ローンの支払いは基本的に融資実行の直後から始まります。ただし金融機関によっては、住宅が完成するまで利息の支払いのみにできる場合もあります。最終的には金融機関の担当者に確認するようにしましょう。

原則は融資実行後、すぐに返済開始

住宅ローンの支払い開始時期は、原則として融資実行の直後です。銀行口座からの引き落としは融資実行の翌月や翌々月になるケースが多く、初回のみ2〜3か月分がまとめて引き落とされるか、振込や現金などで清算することになります。

一般的に、住宅ローンの融資実行は不動産会社や売主から物件が引き渡される日に行われます。そのため、住宅ローンの支払いはマイホームの引き渡し後、速やかにスタートすることになります。

言い換えると、「住み始めた月」ではなく「お金を受け取った日」が返済開始の起点です。引き渡しから入居までに1〜2か月空くケースでも、返済は待ってくれません。引っ越し費用・家具家電の購入費と初回返済が重なりやすいのは、この時期です。

この「融資実行日」は、返済開始日だけでなく適用される金利・利用できる制度の対象になるかどうかも左右します。たとえば住宅金融支援機構は、2026年10月1日以降に【フラット35】を借り入れた人(借換えを含む)を対象に、楽天ポイントを進呈する「フラットすまい・るポイント」を始めると案内しています。【フラット20】【フラット50】も対象で、所定の期間内に楽天IDでポイント申請をする必要があります(進呈されるポイント数は借入額などに応じて異なり、上限や条件があります。詳細と最新の取り扱いは機構の特設サイトでご確認ください)。この種の特典は「いつ借りたか=融資実行日」で線引きされるのが一般的です。

住宅完成前に融資してもらう場合は?

住宅ローンは、担保となる物件が完成してから借り入れるのが基本ですが、住宅が完成していない状態で融資を受けるケースもあります。これは主に注文住宅の場合に発生します。注文住宅では、土地の購入代金や着工金・中間金など、完成前にまとまった資金が必要になるためです。

完成前の資金を用意する方法には、大きく分けて「分割融資」「つなぎ融資」の2つがあります。

分割融資を利用する場合

分割融資とは、注文住宅で土地の購入から住宅完成までに必要なお金を、住宅ローンそのものを何回かに分けて融資してもらう方法です。

分割融資の場合、それぞれの融資が実行されるたびに返済がスタートしていくのが基本です。つまり、マイホームが完成していないタイミングで先行してお金を借り、その分の返済も始まることになります。

当然、完成していない新居には住めないため、現在の家賃などと並行した支払いが必要になる場合があります。一時的とはいえ住居費を二重で負担することになり、金銭的な負担が大きくなる点には注意が必要です。

なお、金融機関によっては、分割融資の最終融資(住宅完成後の融資)まで利息だけを支払い、元本を据え置きにできる住宅ローンもあります。分割融資を利用したい人は、事前に候補の金融機関の担当者に、元本の返済スタート時期を確認しておきましょう。

つなぎ融資を利用する場合

分割融資に対応していない住宅ローンを利用する場合は、マイホームを建てるのにかかるお金を「つなぎ融資」という商品で工面することになります。

つなぎ融資は、住宅ローンの契約とは別に、土地購入費や建物建築費を一時的に立て替えるためのローン商品です。元本は住宅ローンの融資が実行されたときに一括返済します(つなぎ融資から住宅ローンへ乗り換えるイメージです)。

ここで見落とされやすいのが「利息をいつ払うか」です。期間中は毎月利息だけを支払う商品もあれば、つなぎ融資の完済時に、それまでの利息をまとめて一括で支払う商品もあります。たとえばSBIアルヒの「フラットつなぎ」は、返済回数が1回の期限一括返済で、利息もつなぎ融資の完済日に一括で支払う後払い方式と定められています(2026年8月時点の同社公式の融資条件)。毎月の負担が軽い代わりに、引き渡し時にまとまった利息の支払いが発生するということなので、資金計画では「引き渡し時に必要な現金」を必ず確認しておきましょう。

つなぎ融資を利用する場合も、住宅ローン本体の返済は融資実行の直後から始まります。

分割融資とつなぎ融資の違い

完成前の資金調達という目的は同じですが、両者には次のような違いがあります。

比較の観点分割融資つなぎ融資
位置づけ住宅ローン本体を分割して実行住宅ローンとは別の一時的なローン
完成前の返済融資の都度、返済が開始(元本据置にできる場合も)元本は完成後に一括返済。利息は毎月払いか完済時一括かで商品ごとに異なる
完成後の扱いそのまま住宅ローンとして返済を続ける住宅ローンの実行金で一括返済して消滅
団信(団体信用生命保険)住宅ローン本体なので団信の対象団信の取り扱いがない商品もある(保障の空白期間に注意)
住宅ローン控除住宅ローン本体なので、要件を満たせば土地分も含めて対象になり得る返済期間が短く、原則として対象外
注意点対応する金融機関が限られる別途の事務手数料・金利が発生する

どちらを使えるかは金融機関や商品によって異なります。注文住宅を検討している場合は、完成前の資金をどう用意するかを早めに確認しておくと安心です。

つなぎ融資の実務で押さえておきたいこと

つなぎ融資は「必要になってから探す」ものではありません。仕組み上、住宅ローンの申込みとセットで動くため、金融機関選びの段階で決着がついてしまいます。

フラット35そのものには、つなぎ融資がない

全期間固定金利のフラット35を検討している人がまず知っておきたいのが、フラット35という商品自体にはつなぎ資金の枠が用意されていないという点です。フラット35は住宅が完成し、担保が設定できる段階で融資が実行される仕組みだからです。融資実行までに費用が必要な場合は、つなぎローンを取り扱っている取扱金融機関を選ぶ必要があります

実際、フラット35の取扱金融機関は「フラットつなぎ」のような専用のつなぎ資金商品を別途用意しており、その金融機関でフラット35を借りる人だけが使える形になっているのが一般的です。つまり「住宅ローンはA社、つなぎ融資はB社」といった組み合わせは基本的にできません

資金の受け取り方は「支払いの節目」ごと

つなぎ融資は、住宅ローンを借りる金融機関と同じ金融機関に申し込むのが一般的で、単独では利用できません。住宅ローン側の審査承認を前提に申し込む形になります。

資金の交付は1回きりではなく、土地購入資金・着工金・上棟金・竣工時資金といった支払いのタイミングに合わせて複数回に分けて受け取れるのが一般的です。たとえばSBIアルヒの「フラットつなぎ」は、この4区分で最大4回まで交付を受けられます(中古住宅の購入+リフォームの場合は「中古住宅購入資金・リフォーム請負締結時・リフォーム着工時・リフォーム完了時」の4区分で、新築の4区分とは併用できません)。

ただし、それぞれの回でいくらまで借りられるかには上限があります。フラットつなぎの場合、着工金は建築請負工事費用の30%以内、上棟金は60%から着工金の融資額を差し引いた額以内、竣工時は請負契約で定める請負金額まで(着工金・上棟金と併用する場合はその差額まで)とされています(地域の取引慣習や輸入材料の利用などの事情があるときは、着工金40%以内・上棟金80%から着工金融資額を控除した額以内となります)。

つなぎ融資で受け取れる資金の上限割合を、着工金・上棟金・竣工時の段階別に示した棒グラフ
SBIアルヒ「フラットつなぎ」の融資条件(2026年8月時点)。地域の取引慣習や輸入材料の利用などの事情がある場合は、着工金40%以内・上棟金は80%から着工金融資額を控除した額以内となります。上限は金融機関・商品ごとに異なります。

また、土地購入資金については交付回数は1回で、分割はできません。さらに「建築計画と同時に土地を取得し、1年以内に建物が竣工予定であること」が条件で、土地だけを先行して購入する場合には利用できません。「とりあえず土地だけ押さえておく」という進め方はつなぎ融資では想定されていない、という点は早い段階で知っておきたいところです。

何回まで交付を受けられるか、1回あたりの上限がいくらかは商品によって違うため、工務店・ハウスメーカーの支払いスケジュールと突き合わせて確認しておきましょう。

つなぎ融資期間中は団信の保障がないことがある

意外と知られていないのが、つなぎ融資には団体信用生命保険(団信)が付かない商品があることです。SBIアルヒの「フラットつなぎ」も、融資条件に「団体信用生命保険:取り扱いなし」と明記されています(2026年8月時点)。

住宅ローン本体であれば、契約者に万一のことがあれば団信で残債が返済されます。しかし、つなぎ融資の期間中(土地の決済から引き渡しまで、半年〜1年程度になることも珍しくありません)はその保障がないケースがあるということです。この期間の備えをどうするか、既加入の生命保険で当面はカバーできるかを、契約前に一度確認しておくと安心です。

手数料と金利は金融機関ごとに異なる

つなぎ融資の金利や事務手数料は金融機関ごとに異なり、住宅ローン本体の金利とは別建てです。一般に住宅ローンより高めの金利が設定されることが多く、さらに事務手数料・印紙代などもかかります。

参考として、SBIアルヒの「フラットつなぎ」は事務手数料が2タイプあり、Aタイプ110,000円(税込)Bタイプ55,000円(初回つなぎ交付時のみ加算・税込)+融資金額×1.43%(税込)と公表されています。融資金額は100万円以上1億2,000万円以下、融資期間は1年以内(フラット35の融資実行日まで)で、1年以上の期間延長はできません。担保・保証人は原則不要です(2026年8月時点の同社公式)。

負担額は「借入額 × 金利 × 利用期間」でおおよそ決まるため、工期が延びるほど利息も増えます。しかも上記のように延長には限度があるため、工期の遅れはコストと手続きの両面でリスクになります。住宅ローン本体の金利だけで金融機関を比べると、つなぎ融資のコストを見落としがちです。注文住宅の場合はつなぎ融資まで含めた総額で比較してください。

住宅ローン控除との関係

お金の面でもう一つ見落とされやすいのが、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)の扱いです。

国税庁が示す適用要件のひとつに、「10年以上にわたり分割して返済する方法になっている新築等のための一定の借入金または債務があること」があります。つなぎ融資は返済期間が数か月〜1年程度の短期の借入れで、住宅ローンの実行時に一括返済されるため、つなぎ融資そのものは控除の対象になりません。控除の計算に使うのは、あくまで住宅ローン本体の年末残高です。

一方で、上の要件には「住宅とともに取得するその住宅の敷地の用に供される土地等の取得のための借入金等を含みます」と明記されています。つまり土地の取得資金であっても、住宅ローンとして10年以上かけて返す借入れであれば対象になり得ます。ただし、家屋の新築の日前2年以内に購入した敷地であることなどの条件があり、確定申告時には土地の登記事項証明書や売買契約書の写しといった書類の提出も必要です。分割融資で土地分から住宅ローンとして借りるか、つなぎ融資でしのぐかは、この点でも意味合いが変わってきます。

そのほか、国税庁が挙げる主な共通要件には次のようなものがあります。

  • 住宅の新築等の日から6か月以内に居住の用に供し、その年の12月31日まで引き続き住んでいること。
  • 床面積が50平方メートル以上で、その2分の1以上を専ら自分の居住用にしていること(40平方メートル以上50平方メートル未満の一定の住宅は別枠の要件)。
  • 控除を受ける年分の合計所得金額が2,000万円以下であること(上記の40〜50平方メートル未満の住宅は1,000万円以下)。
  • 親族や知人からの借入金は対象外。勤務先からの借入金も、無利子または「0.2パーセントに満たない利率」のものは対象になりません。
  • 贈与による取得や、生計を一にする親族などからの取得でないこと。

また、控除を受ける最初の年は確定申告が必要ですが、給与所得者は2年目以降、年末調整で適用を受けられます制度の適用期間・借入限度額・控除期間・住宅の性能要件は年ごとに見直されるため、実際に居住する年の要件は必ず国税庁の最新情報でご確認ください。

支払いのスケジュールを時系列で整理する

注文住宅で完成前の資金調達を行う場合、お金の動きは次のような順序になります(つなぎ融資を使う場合の一例)。

  • 住宅ローン+つなぎ融資の申込み……同じ金融機関へ同時に申し込む。
  • 土地の決済……つなぎ融資の1回目を受け取り、土地代金を支払う。ここからつなぎ融資の利息が発生し始める(支払い方は毎月払いか完済時一括かで商品ごとに異なる)。
  • 着工・上棟……工事の進捗に応じて着工金・上棟金を受け取る。借入残高が増えるため、利息も増えていく。
  • 完成・引き渡し……住宅ローンが実行され、その資金でつなぎ融資を一括返済。ここから住宅ローン本体の返済が始まる
  • 入居後……翌月または翌々月から毎月の引き落としが本格化。入居の翌年に確定申告を行い、住宅ローン控除の適用を受ける。

この間、今住んでいる家の家賃とつなぎ融資の利息が重なる期間が発生します。土地の決済から引き渡しまでの期間(一般的に半年〜1年程度になることが多い)をあらかじめ工務店に確認し、その期間分の負担を資金計画に織り込んでおくと安心です。

よくある質問(FAQ)

Q. 建売住宅や中古住宅でもつなぎ融資は必要ですか?

すでに完成している建売住宅や中古住宅を購入する場合は、原則として引き渡し時に住宅ローンが実行されるため、つなぎ融資や分割融資は基本的に不要です。完成前に資金が必要になるのは、主に注文住宅のケースです。ただし、中古住宅を購入してリフォームする場合は、リフォーム代金の支払い時期によってつなぎ資金が必要になることがあります。

Q. 初回の引き落としはいつ、いくらになりますか?

融資実行の翌月または翌々月から引き落としが始まるケースが多く、初回のみ実行日からの日数分の利息や2〜3か月分がまとめて精算される場合があります。具体的な金額やスケジュールは金融機関ごとに異なるため、契約時に確認しておきましょう。

Q. つなぎ融資の利息は毎月払うのですか?

商品によって異なります。期間中に毎月利息だけを支払う形もあれば、SBIアルヒの「フラットつなぎ」のように、つなぎ融資の完済日に期限までの利息を一括で支払う後払い方式もあります。毎月の家計への影響と、引き渡し時に用意しておく現金の額が変わるので、申込み前に必ず確認してください。

Q. つなぎ融資の期間中に万一のことがあったら?

つなぎ融資には団信の取り扱いがない商品があります(フラットつなぎは「取り扱いなし」と明記されています)。その場合、つなぎ融資の期間中は団信による残債の保障がありません。既に加入している生命保険で当面カバーできるか、必要なら一時的に保障を上乗せするかを、契約前に検討しておきましょう。

Q. つなぎ融資で払った利息も住宅ローン控除の対象になりますか?

なりません。住宅ローン控除の対象は「10年以上にわたり分割して返済する方法になっている借入金」とされているため、短期で一括返済されるつなぎ融資は要件を満たさないからです。控除の計算に使われるのは住宅ローン本体の年末残高です。なお、住宅とともに取得する土地の取得資金であっても、住宅ローンとして借りるものであれば要件を満たせば対象になり得ます。

Q. 完成前の二重の住居費が心配です。対策はありますか?

分割融資で元本を据え置けるか、あるいはつなぎ融資で利息の支払いを後ろ倒しにできるかを事前に確認し、二重負担となる期間と金額を見積もっておくことが大切です。完成までの期間が長引くほど負担も増え、つなぎ融資の期間延長にも限度があるため、工期や資金計画にゆとりを持たせておくと安心です。

まとめ

住宅ローンの返済は、原則として融資実行の直後から始まり、引き落としは翌月以降になるのが一般的です。注文住宅で完成前に資金が必要な場合は、分割融資やつなぎ融資を使うことになり、その場合は完成前から返済や利息の負担が発生することもあります。

ポイントは、完成前の資金の手当ては金融機関選びとセットだということです。分割融資に対応しているか、つなぎ融資を扱っているか、その金利・手数料はいくらか、利息はいつ払うのか、団信は付くのか——これらは住宅ローン本体の金利表には出てきません。注文住宅を検討するなら、金利だけでなく「完成前の資金をどう賄えるか」まで含めて比較しましょう。

細かな条件は商品ごとに違うため、疑問はその都度つぶしておくのが確実です。ネット銀行のほか、店舗での相談とオンライン手続きの両方に対応するSBI新生銀行のような金融機関なら、担当者に直接確認しながら進めることもできます。住居費の二重負担なども含め、支払いがいつ・いくら始まるのかを、契約前に必ず確認しておきましょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。