住宅ローンの申込みから審査・借入れまでの流れ|期間と必要書類

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住宅ローンを組んでマイホームを手にした夫婦のイメージ

カードローン・自動車ローン・教育ローンなどさまざまなローン商品がありますが、住宅ローンはそのなかでも特に厳しい審査を通過する必要がある金融商品です。

その理由は、融資金額が数千万円単位と非常に高額であること、そしてその金額を30年以上もの長い期間をかけて返済することになるためです。年収はもちろん、健康状態や勤務先・雇用形態・転勤履歴など、さまざまな観点から慎重に審査されます。

こう説明すると審査に通るか不安に感じるかもしれませんが、マイホームを購入する人の大半は住宅ローンを利用しています。つまり、これまで非常に多くの人が住宅ローンの審査に通り、借りて返済してきているのです。

審査を受けること自体にお金はかかりませんので、それほど身構えず、まずは申し込んでみるのも一つの方法です。

それでは、住宅ローンを申し込んでから実際に借りて、マイホームでの生活を開始するまでの流れを把握していきましょう。

申込み、審査、借入れまでの流れについて

住宅ローンの申込から審査、そして実際に融資(振込み)が行われるまでは、一般的に以下のような流れで手続きが進みます。多くの住宅ローンでは、最終的な利用可否が判断される本審査(正式審査)の前に、仮審査(事前審査)という簡易的な審査手続きがあります。

融資が実行されるまで

  1. 仮審査申込
  2. 銀行による仮審査
  3. 銀行から仮審査の結果を受け取る
  4. 正式審査申込(必要書類を提出)
  5. 銀行による正式審査(提出書類に基づき審査)
  6. 銀行から審査の結果を受け取る
  7. 契約手続(必要書類への捺印または電子署名、司法書士との面談など)
  8. 融資実行

銀行によって仮審査から融資実行までに必要な期間は変わりますが、最短でも1ヶ月はかかると考えておきましょう。

ネット専業銀行の場合、ネット上や電話での手続きとなるため、書類の不備なども発生しやすくなります。このため、仮審査は時間に余裕を持って行うべきでしょう。

仮審査が通ったからといって、必ず借り入れをしなければならないわけではありません。時間に余裕がなく、悪い条件で借り入れせざるを得ない状況は避け、早めの仮審査申込を心がけましょう。

なお、SBI新生銀行には仮審査(事前審査)という手順がなく、本審査からスタートします。これはデメリットではなく特徴で、他の銀行と比べて手続きがシンプルになり、結果的に早く融資が受けられる可能性があります(必要書類は本審査時に一式必要になります。他行と併願する場合は、他行側の仮審査を先に済ませておくとスムーズです)。

各ステップと期間の目安

各ステップの内容と、かかる期間の目安を整理すると次のとおりです(期間は金融機関や状況によって異なります)。

ステップ主な内容期間の目安
仮審査(事前審査)年収・借入状況などから借入可否をおおまかに判定即日〜数日
本審査(正式審査)必要書類を提出し、収入・健康状態・物件などを詳細に審査1〜2週間程度
契約手続金銭消費貸借契約の締結、司法書士との面談など数日〜1週間程度
融資実行指定口座へ入金され、売主へ購入代金を支払い契約後の指定日

全体では最短でも1ヶ月、書類の不備などがあると2ヶ月ほどかかることもあります。引き渡し日から逆算し、余裕を持って進めましょう。

一般的に必要となる主な書類

本審査で一般的に必要となる主な書類は以下のとおりです。金融機関や勤務形態(会社員・自営業など)によって異なるため、事前に必ず確認して用意しておきましょう。

  • 本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカードなど)
  • 収入を証明する書類(源泉徴収票、住民税決定通知書、自営業の方は確定申告書など)
  • 物件に関する書類(売買契約書、重要事項説明書、物件のパンフレットなど)
  • 住民票、印鑑証明書 など

近年は、必要書類を「利用目的×物件の種類×確定申告の有無」などの質問に答えると自動で絞り込めるチェックシートやシミュレーション形式で用意している金融機関が増えています。書類の点数は申込内容で大きく変わるため、まず自分の条件で必要書類の一覧を出してから集め始めるのが結局は近道です。

契約手続は「電子契約」が主流に|印紙代の違いにも注目

かつては契約書に押印して収入印紙を貼る紙の契約が当たり前でしたが、現在はWeb上で電子署名を行う「電子契約」に対応する金融機関が主流になっています。当編集部が2026年7月に主要金融機関の公式サイトの申込案内を確認したところ、確認した7商品すべてで電子契約の取り扱いがありました(申込内容によっては利用できない場合がある旨をあわせて明記している金融機関もあります)。

電子契約の実利としてよく挙げられるのが印紙代(印紙税)の負担がなくなる点です。住宅ローンの契約書(金銭消費貸借契約書)は印紙税法上の第1号文書にあたり、紙で契約する場合は契約金額に応じた収入印紙が必要です。国税庁の印紙税額一覧表によると、1,000万円を超え5,000万円以下で2万円、5,000万円を超え1億円以下で6万円です(不動産の譲渡に関する契約書に適用される軽減措置は、消費貸借契約書には適用されません)。電子データでの契約であれば、この印紙税はかかりません。

ただし、電子契約そのものに手数料を設定している金融機関もあります。たとえばりそな銀行は、公式サイトで電子契約サービス手数料をWeb完結型5,500円・店頭型11,000円(いずれも消費税等込)と案内しています。印紙代と手数料の差し引きで比べるとよいでしょう。

なお、電子契約でも抵当権設定登記のために司法書士との面談が必要とされるのが一般的です。「来店不要」と書かれていても、司法書士との面談日程は早めに押さえておきましょう。

主要金融機関の手続きの違い(当編集部が公式サイトで確認)

同じ「住宅ローンの申込み」でも、仮審査の呼び方・回答までの目安・契約方法は金融機関ごとに違います。当編集部が2026年7月に各行の公式サイトの申込案内ページを実際に確認したところ、主な違いは次のとおりでした。

金融機関事前の審査・診断(公式サイトの記載)契約方法
SBI新生銀行仮審査なし。公式の「住宅ローン審査申込」フォームから本審査へ。審査申込から約5営業日を目安に必要書類を案内、申込から最短1ヵ月半で借入原則電子契約(来店不要)
ソニー銀行Webの仮審査申込フォーム(口座不要)。最短60分回答、仮審査申込から借入まで通常1ヶ月程度電子契約(来店不要)
三菱UFJ銀行「かんたん事前審査」=ネットで24時間申込可・必要書類不要電子契約なら契約時の印紙代0円
みずほ銀行(ネット住宅ローン)「AI事前診断」は最短1分で借入の可能性が分かるが、事前審査ではなく審査結果は正式審査の完了後に通知と公式明記電子契約(印紙代不要)。正式審査申込日から借入日まで最短30日以上
りそな銀行Webで事前審査(24時間申込可)電子契約(サービス手数料あり)。書面契約も選択可
ドコモの銀行(旧・住信SBIネット銀行/WEB申込コース)仮審査は申込当日から3営業日以内に回答、正式審査は1週間〜10日程度、仮審査申込から借入まで通常1ヵ月半程度借入内容に応じてWEB契約または書面契約
SBIアルヒ(ダイレクト支店)Web事前審査は2026年7月1日で取扱終了し、Web経路は本申込のみ。本申込の受付から融資実行予定日まで6週間以上必要電子契約あり(一部利用できない場合あり)

※当編集部が2026年7月14日〜7月27日に各行の公式ページ(申込の流れ・必要書類)を確認した内容です。手続き・必要書類・回答日数は変更されることがあるため、最新の手続き・必要書類は各金融機関の公式サイトでご確認ください

この一覧から読み取れるのは、「仮審査」という言葉が金融機関ごとに違うものを指しているということです。みずほ銀行のAI事前診断のように、審査ではなく可能性を示す診断として案内されているものもあります。回答の速さだけで比べず、それが何を意味する結果なのかを公式の説明で確認しておくことが大切です。

適用される金利は「申込時」ではなく「融資実行時」

見落とされやすいのが、住宅ローンに適用される金利は、申込時点ではなく融資が実行される時点のものが基準になるという点です。全期間固定金利のフラット35も、住宅金融支援機構が「資金の受取時に返済終了までの借入金利と返済額が確定する」と説明しているとおり、資金受取の月の金利が適用されます。

この点は、金利が動いている局面ほど効いてきます。フラット35の借入金利(借入期間21年以上35年以下・融資率9割以下・新機構団信付きで最も多い金利)は、2026年8月資金受取分で年3.290%と、7月の年3.140%から上昇しました。数か月の手続き期間のあいだに、想定していた返済額が変わることもあり得ます。

また2026年8月時点では、日本銀行が9月の金融政策決定会合で追加利上げを想定していると複数のメディアが関係者取材として報じています。これは報道であって日銀の公式発表ではありませんが、金利が動きやすい環境であることは意識しておきたいところです。資金計画は、最新の金利で試算し直せる余地を残して立てておくと安心です。

住宅ローンの申込・審査・借入に関する注意点

次に、住宅ローンの申込から借入れ(融資実行)までの流れのなかで、特に注意すべきポイントをまとめました。当たり前のことばかりですが、取り返しのつかない住宅ローンの契約では、当たり前のことをおさらいすることが非常に重要です。

  1. 予算と目標の設定:
    • 住宅ローンを利用する前に、自分の予算や購入する住宅の目標を明確にしましょう。
    • そのうえで、毎月の収入や住宅ローン以外の支出、家族全体の将来の予定などを考慮し、無理なく返済できる計画になっているかを確認しましょう。不安のある人はFPに相談すると良いでしょう。
  2. 金融機関の選定:
    • 複数の銀行や金融機関から住宅ローンの金利や条件を比較し、自分に合った住宅ローンを見つけましょう。住宅ローンは大半の人が人生で1回しか利用しません。過去に利用した人のクチコミなども参考に、その金融機関の信頼性や顧客サービスの評判も考慮に入れましょう。金利の低さだけでなく、団信の保障内容や事務手数料などの諸費用まで含めて総合的に比べることが大切です。
  3. 申込書の記入:
    • 金融機関の指示に従って、住宅ローンの申込書を正確に記入します。記入内容にミスがあってもそれだけで審査に落ちることはありませんが、無駄な時間と手間がかかるので、必ず提出前に見直してください。
    • 収入や資産、借入履歴などの情報を提供する必要があるので、必要書類は事前にチェックして手元に用意しておきましょう。
  4. 必要書類の提出:
    • 収入証明書、身分証明書、住民票などの必要書類を提出します。自営業などの場合は提出書類が多く、また金融機関によって異なるので事前に確認しておいてください。
    • 申込書と同様に、提出する書類の情報が正確であることが重要です。
  5. 審査:
    • 金融機関は提出された情報を基に、借入能力や信用リスクを評価します。
    • 審査には数日から数週間かかる場合があります。その間、追加の情報が必要になることもあります。どれくらいかかるか分からないので、早めに申込を進めておくことも大切です。
  6. 承認:
    • 審査を通過すると、金融機関から借入承認が通知されます。
    • 承認されたローンの金利や条件を確認しましょう。借入可能額や融資時期など、必要であればこのタイミングで金融機関と相談します。
  7. 契約:
    • ローンの金利や条件に同意したら、契約書に署名します。電子契約であればWeb上で電子署名を行い、書面契約であれば不動産会社や銀行を訪問して手続きするのが一般的です。いずれの場合も、抵当権設定登記のために司法書士との面談が必要になります。
    • 契約書には返済スケジュールや追加の手数料などが含まれています。調印する前に最終チェックを怠らないようにしましょう。
  8. 借入れ:
    • 契約が完了すると、金融機関から借入れが行われます。融資額は一度自分の口座に入金されますが、すぐに不動産会社(売り手)の口座へ購入代金として振り込まれます。
  9. 返済:
    • 借入れが完了すると、住宅ローンの返済が始まります。一般的には翌々月ごろから引き落としになることが多いようです。毎月定期的に返済を行い、返済スケジュールに従って返済していきます。メインバンクでない場合は、定期的に返済資金を入金する必要があるので注意しましょう。

よくある質問(FAQ)

仮審査と本審査は何が違うのですか?

仮審査(事前審査)は、年収や借入状況などから借入可否をおおまかに判定する簡易的な審査です。本審査(正式審査)は、必要書類を提出したうえで収入・健康状態・物件などを詳細に確認する審査で、最終的な融資の可否が決まります。仮審査に通っても本審査で結果が変わることがある点に注意しましょう。

申込みから融資実行までどのくらいかかりますか?

金融機関や状況によりますが、最短でも1ヶ月程度が目安です。書類の不備や追加確認があると2ヶ月ほどかかることもあります。物件の引き渡し日から逆算し、時間に余裕をもって申し込みましょう。

仮審査がない銀行もありますか?

あります。たとえばSBI新生銀行は仮審査(事前審査)を設けず、本審査からスタートする仕組みです。手続きがシンプルになる一方、必要書類は本審査時に一式そろえる必要があります。銀行ごとに流れが異なるため、申込前に手順を確認しておきましょう。

電子契約にすると印紙代はかからないのですか?

電子データで契約する場合、印紙税の課税対象となる「文書」の作成にあたらないため、収入印紙は不要です。紙の契約書の場合は契約金額に応じた印紙税がかかり、国税庁の一覧表では1,000万円を超え5,000万円以下で2万円、5,000万円を超え1億円以下で6万円です。ただし、電子契約サービスに手数料を設けている金融機関もあるため、実際の負担は各行の案内で確認しましょう。

申込時の金利がそのまま適用されるのですか?

いいえ。多くの住宅ローンでは、融資が実行される時点の金利が適用されます。フラット35も資金の受取時に借入金利と返済額が確定する仕組みです。申込から実行まで1〜2ヶ月かかることを踏まえ、金利が動く可能性を織り込んだ返済計画にしておきましょう。詳しい取り扱いは申込先の金融機関にご確認ください。

まとめ

住宅ローンは、申込みから借入れまでに多くのステップがあります。提出する書類も多く、申込内容や書類に不備があるとあっという間に時間が経ち、2ヶ月ほどかかることもあります。

手続きそのものはネット完結・電子契約が主流になり、印紙代の負担がなくなるなど利用者にとって身軽になっています。一方で、仮審査の意味合いや回答までの日数、契約方法は金融機関ごとに異なります。そして適用金利は融資実行時点のものになるため、金利が動く局面では手続き期間の長さそのものが資金計画に影響します。

住宅ローンは、審査から契約・融資実行までの流れを把握し、時間に余裕をもって申し込むようにしましょう。あわせて、金利だけでなく団信や諸費用まで含めて複数の金融機関を比較することも大切です。

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