マイホームは土地を持っていても、その土地に勝手に家(建物)を好きなように建てられるわけではありません。
建築基準法という法律の定めに沿って適切なた手続きを行ったうえで建築する必要があります。
建築基準法以外にも、都市計画法や消防法など住宅建築に影響するさまざまな法律があります。建築基準法では、それらの法律と連携しつつ、家を建てるときに遵守しなければならないルールが明記されています。
基本的には、不動産会社や建築事務所・工務店は、家を建てるだけでなく、法に従って必要な手続きを進めてくれますので、詳細まで理解する必要はありませんが、私たち自身もある程度知識を持っておくことが大切です。
また、家を建てるときには多くの人が住宅ローンを利用することになりますが、住宅ローンの審査の中で、これらの手続きが適切に行われているかも確認されますので、これらのルールを守っていないと住宅ローンを借りることもできません。
この記事では、建築確認と住宅ローンの審査の関係について解説していきます。
建築確認とは?
建築確認とは、家を建てる工事をする前に建物や地盤が建築基準法に適合しているか確認することです。
法律で指定されている建蔽率(建ぺい率)や容積率、北側斜線規制などが守られているか、シックハウス対策は行われているか、居室は十分採光が確保されているかなど、様々な観点で法令を遵守して建築されているかが確認されます。
建築確認は着工前に建築確認申請するところから始まり、着工後の中間検査、建物完成後の完了検査など、確認が必要なタイミングも建築基準法で定められています。
建築確認では、例えば、火事になりにくいような基準を満たすような防災の関係上、都市計画の関係上、様々な法律の規制をクリアする必要があります。
建築確認証とは
建築確認申請により、建築計画が法の規定に適合していると確認された場合に交付される文書が「建築確認済証」です。
建築物の工事は、確認済証の交付を受けて初めて着工が可能になりますし、マンションや建売住宅等の場合、売出広告も確認済証の交付を受けてからになります。
着工前の建築確認申請から、着工後の中間検査、完成後の完了検査を経て、上記のよううな証明書が発行される、という流れです。
この証明書が住宅ローンを利用する際もに重要になるのですが、その理由を確認していきましょう。
建築確認証が住宅ローンの審査に必要
まず、金融機関は違法な建物を担保にお金を貸すわけにはいきません。法律の要件を満たしていない建物は通常の物件よりも価値が下がるだけでなく、売却できない可能性が高まります。
その為、住宅ローンの審査の中で「建築確認の検査が終了しました」という確認書類の提出が必要になり、それがこの建築確認証です。
建築確認証が住宅ローン審査のどの時点で提出を求められるのか、住宅ローン審査の流れを確認しながら解説していきます。
住宅ローン審査の流れと提出が必要になるタイミング
- 住宅ローンの申込み
- 住宅ローンの事前審査
- 住宅ローンの本審査
建築確認証は「3の住宅ローンの本審査」の段階で提出を求められるのが一般的です。その後、以下の手続きを経て住宅ローンが実行されます。
- 住宅ローンの契約
- 融資の実行(住宅の引き渡し)
上記は一般的な住宅ローン審査の手順ですが、建築確認証は本審査にて求められることになりますが、通常、販売している不動産業者や家を建ててくれた工務店が用意してくれます。
住宅ローンを申し込んだ金融機関側も慣れていますので、入手方法などサポートしくれます。通常であれば、この書類が準備できない、ということはありません。
なお、努力義務規定で強制力がなかった建築物省エネ法(建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律)が2020年には全ての住宅に義務化される改正が行われるなど、建築基準法などをはじめ、住宅の建築に関わる法律は改正が多く、細かいルールも多岐にわたります。
私たち一般消費者が、建築基準法をきちんと理解する必要はありませんが、市街化調整区域や農地に家を建てるなど特殊な土地に注文で家を建てる時は注意しておいた方が良いでしょう。
注意するといっても不動産会社や工務店に念のため確認する程度で問題ありません。