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auじぶん銀行のミックスローンとは?仕組みと注意点

ミックスローンとは、1つの住宅ローンを2本の契約に分け、変動金利と固定金利などを組み合わせて借りる方法のことです。auじぶん銀行でもミックスとして利用でき、毎月の返済額も総返済額も、変動だけ・固定だけで借りた場合の中間に収まります。変動金利の低さを生かしつつ金利上昇の影響を半分に抑えたい人に向く一方、契約が2本になるぶん登記関連費用が増え、審査の結果によっては選べないこともあります。

変動金利は固定金利より低い反面、金利が上がると返済額が増えるリスクがあります。固定金利は返済額が変わらない代わりに、金利そのものが高く設定されています。ミックスは、目先の低金利を取るか安定を取るかという選択に、両方を少しずつ取るという別の答えを用意する方法です。

※本記事で解説するauじぶん銀行の住宅ローンの内容は、2026年10月時点に同行のウェブサイトで確認した情報に基づいています。

この記事を書いた専門家(フィナンシャルプランナー)
遠藤功二(フィナンシャルプランナー)


遠藤功二(えんどう こうじ)

1級FP(1級ファイナンシャルプランニング技能士)

CERTIFIED FINANCIAL PLANNER、経営管理専攻修了(MBA)

三菱UFJモルガンスタンレー証券、オーストラリア・ニュージーランド銀行にて延べ1,000人以上の顧客の資産運用アドバイスを担当。 現在は独立系FPとして、投資に限らずライフプランニング、保険、住宅などの幅広い分野で相談、講演、執筆業務に携わる。

日本の住宅ローン金利は上昇局面にある

日本では1999年のゼロ金利政策以来、長く低金利が続き、住宅ローンの金利も低い水準で安定してきました。過去20年ほどを振り返ると、変動金利を選んだ人が有利だった時代が続いていたことになります。

状況は大きく変わりました。日本銀行は2024年3月にマイナス金利政策を解除し、その後は段階的に利上げを進めています。2026年9月18日の金融政策決定会合では、政策金利(無担保コールレート翌日物)を1.25%程度へ引き上げました。次回の会合は10月29日・30日です(日本銀行 金融政策決定会合の日程)。

住宅ローンは30年以上にわたる長い借り入れです。金利の上昇は、借りる前に想定しておくべき可能性というより、すでに返済額に影響し始めている変化として考える必要があります。

変動と固定は基準にしている金利が違う

ミックスを考えるうえで最初に押さえたいのは、変動金利と固定金利では基準にしている金利が別だという点です。変動金利は政策金利の影響を受ける短期プライムレートなどを基準にし、全期間固定型やフラット35は長期金利(新発10年物国債の利回り)の影響を受けます。

長期金利の上昇を受けて、フラット35の2026年10月の金利(返済期間21年以上35年以下・融資率9割以下・新機構団信付きの最も多い金利)は年3.830%となり、2017年10月に現行の制度になって以降で最も高い水準です(住宅金融支援機構「最新の金利情報」)。基準が違うため、変動と固定では上がる時期も幅も一致しません。長期金利が上がったからといって、変動金利が同じだけ上がるとは限りません。

変動金利も据え置きが続くとは限らない

これまで変動金利は、固定金利ほど大きく動いてきませんでした。その前提も変わりつつあります。9月の利上げを受け、三菱UFJ銀行とみずほ銀行は短期プライムレートを11月2日から年2.625%へ引き上げると発表しました。auじぶん銀行も2026年10月に新規借入の変動金利を引き上げています。

auじぶん銀行で2026年10月に新規で借りる場合の変動金利(全期間引下げプラン・物件価格の80%以下)は年1.734%です。50歳以下で一般団信を選ぶと一般団信限定金利の年1.680%となり、住宅ローン金利優遇割を最大まで使うと年1.530%まで下がります。物件価格の80%超で借りる場合は年0.045%、借入期間を35年1か月以上にする場合は年0.1%が上乗せされます。

すでに借りている人の金利は、年2回(4月1日・10月1日)の基準日に見直されます。10月1日の基準日で決まった新しい金利は、同じ年の12月の返済日の翌日から適用されます。基準金利の見直しと、自分の返済額に反映される時期は別だと理解しておく必要があります。

多くの住宅ローン利用者は変動金利を選んでいる

住宅金融支援機構の「住宅ローン利用者調査(2026年1月調査・2026年2月20日公表・有効回答1,237件)」によると、2025年4月〜9月に住宅ローンを借りた人の金利タイプの内訳は次のとおりです。

  • 変動型:75.0%(前回調査比−4.0ポイント)
  • 固定期間選択型:14.9%(同+2.7ポイント)
  • 全期間固定型:10.1%(同+1.3ポイント)
住宅ローン利用者の金利タイプ別割合を示す棒グラフ。変動型が75.0%と大半を占める
金利上昇局面でも4人に3人が変動型を選択。一方で固定型の比率は前回調査から上昇した

(参考・出典)住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査」https://www.jhf.go.jp/about/research/loan/user/index.html

金利の上昇局面に入った後も、4人に3人が変動金利を選んでいます。一方で、前回の2025年4月調査(変動型79.0%・固定期間選択型12.2%・全期間固定型8.8%)と比べると変動型は4.0ポイント減り、固定型がともに増えました。金利上昇を受けて、固定へ少しずつ移る動きが出ていることが読み取れます。

2026年10月にはフラット35の金利が現行制度で最も高い水準になり、固定を選ぶ人の負担も増えています。変動と固定のどちらを選んでも金利上昇の影響は避けにくく、ミックスが改めて検討される背景になっています。

同じ調査では、今後1年間の住宅ローン金利について「現状よりも上昇する」と答えた人が73.7%と、前回から8.0ポイント増えています。

同じ調査は、金利が上がった場合に返済額がどれくらい増えるかの理解度も尋ねています。「理解しているか少し不安」「よく理解していない」「全く理解していない」の合計は52.0%にのぼりました。ミックスを検討する前に、金利が上がったとき自分の返済額がどうなるかを試算しておくことが先決です。

ミックスローンの仕組み

金利上昇のリスクは気になるものの、金利の高い固定金利だけで借りるのは割高に感じる人のための方法がミックスローンです。2種類の金利を組み合わせて借りる契約方式で、最も一般的なのは変動金利と固定金利の組み合わせです。

auじぶん銀行では、公式のよくあるご質問で、変動と変動、固定2年と固定10年といった同じ金利タイプ同士の組み合わせも選べると案内されています。借入金額は1契約あたり500万円以上10万円単位で設定でき、たとえば2,000万円を1,000万円ずつ2本に分けるといった形になります。

ミックスローンのメリットは影響を半分に抑えられること

ミックスのメリットは、金利上昇の影響をすべて受けずに済む点です。金利が結局上がらなかった場合でも、変動金利の部分では低金利の恩恵を受けられます。

4,000万円を借りて10年後に金利が上がったケースで、全額変動・全額固定・変動と固定の半分ずつの3パターンを比べてみます。前提条件は次のとおりです。

  • 借入金額は4,000万円、借入期間は35年(元利均等返済・ボーナス返済なし)
  • 変動金利は年1.100%で、10年後に年2.600%へ上昇すると仮定
  • 固定金利は全期間で年3.300%

※実際のauじぶん銀行の適用金利とは異なる仮の金利です。計算を簡単にするため、事務手数料などの諸費用は考慮していません。

 変動金利固定金利ミックスローン(変動50%+固定50%)
1〜10年の毎月返済額114,788円160,715円137,751円
(変動57,394円+固定80,357円)
11年目〜35年目の毎月返済額136,533円160,715円148,624円
(変動68,266円+固定80,357円)
総返済額約5,473万円約6,750万円約6,112万円

(筆者計算)総返済額は、端数処理はせず毎月の返済額を単純に期間分乗じています。

変動金利・ミックス・固定金利の総返済額を比較した棒グラフ。ミックスは中間に位置する
ミックスローンは総返済額でも常に中間に位置する

金利が上がる前の1〜10年目の毎月返済額は、変動金利が最も低く、次いでミックス、固定金利が最も高くなります。金利が上がった後の11〜35年目は、金利が変わらない固定金利が最も低く、次いでミックス、変動金利が最も高くなります。

35年分の総返済額は、この仮定では変動金利が最も少なく、固定金利が最も多くなりました。このように、ミックスはどの局面でも中間の位置に収まります。変動金利がさらに大きく上がって固定金利が最も有利になった場合も、ミックスは中間の順位にとどまります。

ミックスローンのデメリットは登記関連費用が増えること

ミックスは2つの契約を同時に結ぶため、司法書士に支払う登記関連費用が1契約ごとに発生し、合計が増えることがあります。auじぶん銀行も手数料・諸費用のページで、ミックス(2契約)では1契約ごとに登記関連費用が発生することがあると明記しています。

一方で、auじぶん銀行の事務手数料は借入金額に対して2.20%(税込)の定率です。公式のよくあるご質問でも、ミックスと1契約とで事務手数料は変わらないと案内されています。諸費用や団信を含めた注意点はauじぶん銀行 住宅ローンのデメリット|団信・審査・金利の注意点でも整理しています。

ミックスは合計1,000万円から、保証付金利プランでは選べない

auじぶん銀行のミックスは、1契約あたりの最低借入金額が500万円です。2契約を同時に結ぶため、ミックスとしての最低借入金額は合計1,000万円になります。1契約の最高借入額は1億9,500万円で、2契約あわせた上限は2億円です。

もう一つの注意点は、保証付金利プランになるとミックスを選べないことです。auじぶん銀行は原則として保証会社の利用を求めていませんが、審査の結果によっては保証会社の利用が条件になります。これを保証付金利プランといいます。

保証付金利プランは、保証料相当額を上乗せした金利が設定されるため、通常のプランより金利が高めです。固定金利特約も3年・5年・10年に限られます。保証付金利プランになるかどうかは申込者が選べず、審査の結果で決まります。ミックスを前提に資金計画を組んでいても使えない場合がある点に注意が必要です。雇用形態による申込可否はauじぶん銀行の住宅ローンは契約社員・派遣社員でも借りられる?で解説しています。

変動部分に関わる5年ルールと125%ルール

ミックスの変動金利部分には、返済額の急な変化を和らげる2つのルールも関わります。auじぶん銀行は公式サイトでどちらも明記しています。

  • 5年ルールとは、借入後5回目の10月1日を基準日とする金利の見直しまで返済額を一定にするルールのことです。期間中に金利が変わっても返済額は変わらず、元金と利息の内訳だけが変わります。以降は5年ごとに返済額を見直します。
  • 125%ルールとは、見直しで返済額が増える場合も、それまでの返済額の125%を超えないようにするルールのことです。

どちらも元利均等返済を選んだ場合のルールで、元金均等返済には適用されません。基準日は借入から5年後の日ではなく、5年ごとの10月1日です。

例えば、変動部分の毎月返済額が5万7,000円ほどの人の金利が上がっても、次の見直しまでは返済額が同じまま据え置かれます。見直しで増える場合も、上限はそれまでの125%にあたる7万1,700円ほどです。返済額が抑えられる期間は、そのぶん返済額に占める利息の割合が増えます。auじぶん銀行は、金利情勢によっては最終返済期日が来ても返済が終わらず、未返済の残高が残る可能性があり、その場合は原則として最終返済期日に全額を返済すると案内しています。5年ルールと125%ルールは返済額の急変を和らげる仕組みであり、利息の負担そのものを減らすものではありません。

ミックスローンが合う人

ミックスは、変動金利と固定金利のどちらかに決めきれない人に向いています。

金利が上がる可能性を意識しつつ、繰上返済を積極的に計画している人にも合っています。先ほどの試算のように10年で1.5ポイント一気に上がるとは限らず、日本銀行の利上げはこれまで0.25%ずつ段階的に進められてきました。変動金利が固定金利の水準に追いつくまでには、一定の時間がかかると考えられます。

例えば、4,000万円を変動2,000万円・固定2,000万円に分けた場合、手元資金ができるたびに変動の契約へ繰上返済を充てていけば、金利上昇の影響を受ける元金そのものが減っていきます。auじぶん銀行は一部繰上返済の手数料が無料なので、少額ずつでも繰上返済を重ねやすい仕組みです。

金利が上がりきる前に変動金利の部分から繰上返済を進めれば、残る固定金利の部分は金利上昇の影響を受けません。変動の低さは手放したくないものの、金利はこの先も上がりそうだと考える人に向いた組み方です。

ミックスローンが合わない人

最も有利な選択をしたいと考える人には、ミックスは向きません。住宅ローンの有利不利は、金利がどう動くかで後から決まります。金利が上がらなければ変動金利が、一定以上に上がれば固定金利が有利だったことになり、ミックスが最も有利になることはありません。

諸費用を少しでも抑えたい人にも向きません。前述のとおり、契約が2本になることで登記関連費用が増えるためです。

ミックスローンの申し込み方法

auじぶん銀行の住宅ローンは、申し込みから必要書類の提出までをスマートフォンやパソコンで進められます。最初に住宅ローンのマイページを登録し(口座がなくても登録できます)、仮審査の申込画面の金利タイプでミックスを選びます。

すべてがオンラインで完結するわけではなく、契約手続きの段階では司法書士との面談などがあります。金利プランは借入時に決め、借入後に変更することはできません。ミックスを希望する場合は、資金計画の段階で組み合わせと配分を固めておく必要があります。適用される割引の条件はauじぶん銀行の住宅ローン キャンペーンコードは?で解説しています。

auじぶん銀行の住宅ローンの特徴

auじぶん銀行は店舗を持たないネット銀行で、住宅ローンの手続きの多くをスマートフォンやパソコンで済ませられます。

au回線や電気などのサービスとセットで金利が下がる住宅ローン金利優遇割も特徴です。対象はモバイル・でんき・ネット・TVのサービスで、組み合わせると最大で年0.150%の引下げになります。ただし対象となる回線や契約の条件は細かく定められており、誰でも年0.150%下がるわけではありません。J:COM NET優遇割などは、適用条件を満たしてから3か月後に適用が始まります。

auじぶん銀行の団信

auじぶん銀行の団信の引受保険会社はライフネット生命保険で、以下は2025年1月14日以降に借り入れた人が対象の内容です(2026年10月時点)。

借入時の年齢が50歳以下でがん50%保障団信を単独で選ぶと、上乗せ金利なしで、所定のがんと診断確定されたときにローン残高の50%が保障されます。所定の急性心筋梗塞・脳卒中で所定の状態に該当したか所定の手術を受けたとき、所定の肝疾患・腎疾患で60日以上継続して入院したときも、残高の50%が保障されます(がん診断保障と4疾病保障はいずれか1回のみ)。

さらに、精神障害を除くすべての病気やケガで入院が180日以上続いた場合に、ローン残高が0円になる全疾病長期入院保障も付いています。がんの保障には責任開始日から90日以内の免責期間があり、上皮内新生物などは対象外です。

費用の面では、50歳以下で特約なしの一般団信を選ぶと、一般団信限定金利として通常の金利より年0.054%低い金利が使えます。がん50%保障団信は上乗せなしですが、一般団信限定金利と比べると年0.054%高い金利で保障を得る形になります。

がん100%保障団信

がん100%保障団信は、所定のがんと診断確定されると残高がすべてなくなる団信で、金利が年0.050%上乗せされます。残高が半分になるのと完全になくなるのとでは、その後の家計の負担がまったく違うため、このプランを選ぶ人もいます。

がん100%保障団信プレミアム

がん100%保障団信プレミアムは、がん診断時の残高100%保障に加えて、4疾病でも所定の条件を満たすと残高の100%が保障され、各種給付金も付くプランです。上乗せ金利は年0.150%です。

ワイド団信

がん保障の付いた団信を選べるのは、借入時の年齢が50歳以下の人です。51歳以上の人は一般団信かワイド団信での加入になります。ワイド団信とは、持病や病歴があり一般団信に加入できない人でも加入できる可能性がある団信のことで、上乗せ金利は年0.300%です。

夫婦で借りる場合のペアローン連生団信は、上乗せ幅の体系が異なります(がん50%保障団信で年0.300%、一般団信で年0.200%など)。単独で借りる場合の数値と混同しないよう注意が必要です。

金利タイプの選択は慎重に

ミックスは、変動金利か固定金利かで迷ったときの助け舟になります。だからといって、気軽に選ぶのは危険です。返済期間は長いため、後からミックスにしなければよかったと感じることもあり得ます。

組み方を変えたくなった場合、通常は借り換えを検討します。ところが、すでに金利の低い銀行で借りている場合、借り換えで明確に金利を下げられる先は限られます。借り換えには事務手数料や登記関連費用がかかるため、一定以上金利が下がらないと総支払額は減りません。

ミックスの一方の契約だけを他行へ借り換える方法も考えられますが、借り換えの諸費用は契約ごとにかかり、借入額が小さいぶん費用の割合が重くなります。次に、借りた後に配分を変えられないことも踏まえておく必要があります。ミックスを選ぶなら、借り換えに頼らずに済むよう、最初の段階で組み合わせと配分を決めておくことが大切です。

まとめ

日本銀行は2026年9月18日に政策金利を1.25%程度へ引き上げ、フラット35の10月の金利は現行制度で最も高い水準になりました。auじぶん銀行も10月に新規借入の変動金利を引き上げており、金利は上がらないという前提で住宅ローンを組める時代ではなくなっています。

このように変動・固定のどちらにも上昇の動きがある局面では、変動金利の低さと固定金利の安定を組み合わせられるミックスは、有力な選択肢の一つです。合計1,000万円以上という条件、審査の結果によっては選べない点、登記関連費用が増える点を踏まえて判断する必要があります。制度や商品の内容は改正・改定されることがあるため、利用前に各機関の最新情報で確かめてください。

(参考・出典) auじぶん銀行の住宅ローンについて

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