auじぶん銀行の住宅ローンの疾病保障付きの団信を徹底解説

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auじぶん銀行の疾病保証付き住宅ローン

住宅ローンの団信とは?

この記事ではauじぶん銀行の住宅ローンの団体信用生命保険(団信)について解説しています。

団信とは、住宅ローンの債務者(住宅ローンを借りている人)が亡くなった場合などに、住宅ローンの残債が保険金で返済される生命保険のことです。「その銀行の住宅ローンを利用する人」を1つの団体として加入することから、団体信用生命保険、と呼ばれています。

一般的には、住宅ローンを利用する人は団体信用生命保険(団信)への加入を求められます。

団信の保険料は銀行が負担するので私たちが保険会社に直接保険料を支払うケースはほとんどありません。(銀行が負担すると言っても、住宅ローンの利息の一部が団信保険料に充てられるだけなので、実質的には私たちが負担しています。)

団信は住宅ローンの利用者が保険会社と契約して加入するものですが、私たちが団信に加入することは、銀行にも住宅ローンの返済が滞納するリスクを回避できるメリットがあります。住宅ローンを借りる側にとっても、家族や遺族にマイホームを残しながら、住宅ローンを残さずに済むというメリットがあります。

疾病保障を利用する目的は?

次に住宅ローン/団信の疾病保障サービスについて解説していきます。

住宅ローンの団信に疾病保障をセットする目的は、住宅ローンを返済中に大きな病気にかかったり、交通事故などよるケガに備えることです。

生命保険に加えて、就業不能保険や医療保険を追加することをイメージするとわかりやすいと思います。

疾病保障は、病気やケガなど所定の条件を満たした時に保険金が支払われる保険で、その保険金は住宅ローンの返済に充当されます。病気やケガで困っている時に、住宅ローンの残高を0円にしたり、半分にしたりすることができます。

疾病保障を利用することで、将来、大きな病気やケガにあって収入が減った時に、住宅ローンの返済に困らずに済む可能性を高められます。

疾病保障を住宅ローン(団信)にセットすることは、安心して住宅ローンを組むための一つの方法です。

ただし、疾病保障を充実させようとすると費用負担が大きくなるので、保険料が発生することが多いため、家計の状況やコストとリスクのバランスを考慮検討することが重要です。

auじぶん銀行について

また、auじぶん銀行は大手銀行と大手通信サービス企業が共同で出資して2008年6月に誕生したネット銀行です。

銀行口座数は2010年5月に100万、2015年に200万、2020年に400万、2022年には500万、2024年には600万を突破し、その後も順調に利用者を増やしています。

住宅ローン融資実行額も2020年9月に1兆円、2022年3月に2兆円、2023年5月に3兆円、2023年10月に3兆5,000億円、2024年3月に4兆円、2024年6月に4兆5,000億円、2024年11月に5兆円を突破しています。このペースはネット銀行の歴史の中で最速ペースで、今も急激な勢いで住宅ローンの利用者を増やしています。

この記事を書いた専門家(フィナンシャルプランナー)
遠藤功二(フィナンシャルプランナー)


遠藤功二(えんどう こうじ)

1級FP(1級ファイナンシャルプランニング技能士)

CERTIFIED FINANCIAL PLANNER、経営管理専攻修了(MBA)

三菱UFJモルガンスタンレー証券、オーストラリア・ニュージーランド銀行にて延べ1,000人以上の顧客の資産運用アドバイスを担当。 現在は独立系FPとして、投資に限らずライフプランニング、保険、住宅などの幅広い分野で相談、講演、執筆業務に携わる。

auじぶん銀行はネット銀行としての業績も好調です。2022年3月期までの過去の経常収益と純利益は下記の通りです。この時期は新型コロナウイルス感染症による経済の停滞があった時期で、それにもかかわらず順調な業績で推移していることがわかります。

auじぶん銀行の業績
経常収益 当期純利益
2024年3月 81,602 12,091
2023年3月 66,134 6,493
2022年3月 59,617 5,503
2021年3月 51,077 2,520
2020年3月 43,653 1,889
2019年3月 38,392 1,892
2018年3月 32,140 1,074
2017年3月 28,227 1,803
2016年3月 23,646 1,275

単位:百万円

auじぶん銀行財務情報・ディスクロージャー

※auじぶん銀行財務情報・ディスクロージャーを元に当サイト調べ

なお、従業員数は2024年4月時点で630名で、多数の従業員を抱える都市銀行や地方銀行や信用金庫と比較するとかなりスリムな組織体制といえます。

店舗を持たないネット銀行のauじぶん銀行が多くの住宅ローン顧客を取り込むことができている理由に、住宅ローンが低金利で、さらに無料の疾病保障がついている点があげられます。スリムな組織体制ゆえに効率的な銀行経営を実現できているからこそ有利な商品を提供できているのだと思われます。

auじぶん銀行の住宅ローンキャンペーン

現在、auじぶん銀行で住宅ローンのキャンペーンは実施されていません。

auじぶん銀行の住宅ローンの魅力

auじぶん銀行の住宅ローンは、金利の低さと疾病保障が充実した団信を両立している点が特徴です。また、ネット銀行ならではの利便性は、申込時も借り入れ後も高く、忙しい現役世代に適しているといえます。

ネット銀行の中でもトップクラスの低金利

は以下の通りになっています。

変動金利から固定金利まで幅広い金利タイプで魅力的な金利の住宅ローンを提供しています。

  • 変動金利:年HPご確認%(全期間引下げプラン・物件価格の80%以下で新規借入時・50歳以下で一般団信を選択時)

※審査の結果によっては保証付金利プランとなる場合があり、この場合、上記の金利とは異なる金利となります。 金利プランが保証付金利プランとなる場合は、固定金利特約が3年、5 年、10年に限定されます。

変動金利の金利水準は、店舗型の銀行が提供する住宅ローンよりも金利が低い傾向があるネット銀行の中でもトップクラスの低金利水準です。

また、固定金利も変動金利よりは高い利率であるものの、固定金利の住宅ローンとしてはかなり魅力的な金利を実現しています。

auじぶん銀行の団体信用生命保険(団信)

もともと、auじぶん銀行の住宅ローンの特徴は「がん50%保障団信」が金利上乗せなしで加入できることでしたが、サービス内容の改善が進んだことでがん以外にも保障範囲が拡大された疾病保障も利用できるようになりました。

入院保障が付いたがん団信

auじぶん銀行のがん団信は「がん50%保障団信」と「がん100%保障団信」に分けられます。

がん(所定の悪性新生物)と診断されたら、がん50%保障団信の場合は残債の50%分の保険金が支給され、がん100%保障団信の場合は残債の100%分の保険金が支給されます。がん50%保障団信は金利上乗せなしで利用することができます。

この2つの疾病保障のどちらを利用するかは多くの方が悩むと思いますが、返済額の差と保障対象となる残債の大きさを確認したうえで、ご自身の考え方を信じて決めると良いでしょう。

がんに備えることができると考えれば、上乗せ金利負担は安いとも言えますが、毎月の返済額の増加が気になる人は、ご自身の仕事や会社の環境を考慮するとよいでしょう。具体的にはがんになることで収入が急激に減少するタイプの職業の方、がんへの備えを万全にしたいという方は、がん100%保障団信を検討しても良いかもしれません。

ちなみに、がんの中でも「皮膚の悪性黒色腫以外の皮膚がん」と「子宮頸がん0期、大腸粘膜内がん、非浸潤がん、食道上皮内がんなどのがん」は軽度ということもあってか、保険金支払いの対象外になることも留意する必要あります。

がんに対する保障の手厚さを理解すると「がん以外の病気になったら保障はないの?」と不安に思う方は多いと思います。

auじぶん銀行は、そのような不安の声にも応えています。同行のがん団信には精神障害を除く全ての怪我や病気で31日以上入院となった場合に1か月分の返済額と同額の保険金が支給される「月次返済保障」が付いています。「月次返済保障」は入院状態が続く限り、30日ごとに保険金が支給されるので、事故や病気で超長期入院になった際にも住宅ローンの支払いに対する不安はかなり払拭できます。

さらにauじぶん銀行のがん団信には入院が180日以上継続した場合に、残債が全て保険金で精算される「全疾病長期入院保障」も付いています。

180日以上も入院するような大怪我や大病を患った場合は、後遺症が残ることが想定されます。回復しても、元気な時ほどは仕事に専念できなくなる可能性があることは否定できません。そのような時でもこの「全疾病長期入院保障」で残債がなくなれば、家計の経済的負担はかなり軽くなります。

各種給付金も受け取れるがん100%保障プレミアム

auじぶん銀行では金利を上乗せすることでがん100%保障プレミアムを選択することもできます。がん100%保障プレミアムはがんと診断された時の保障はもちろん各種給付金が手厚くなっています。

auじぶん銀行の団信に加入したら医療保険を見直す

このようにauじぶん銀行の団信は医療保障が充実しています。では、がん団信に加入すれば、医療保険は不要なのでしょうか。

実は、団信に付いている医療保障と医療保険とでは、保障に違いがあります。

がん団信はあくまでも住宅ローンの残債の1部または全部を減額するためのものです。治療費を給付するものではありません。また、がん団信の保障は住宅ローンの返済中に限定されます。

一方で、医療保険やがん保険の場合は、「終身型」で加入できるものが多くなっています。一般的に年齢が上がるほど、大病を患う可能性は高くなります。医療保険やがん保険は、将来の高額な治療費に備えるという役割があります。

実は、医療保険やがん保険に加入する際に、「子育て中などの、現役の時だけに絞る」という考え方もあります。高齢時までに資産形成をしておけば、老後に保険は不要であるという考え方です。

このような考え方をされる方には、がん100%保障団信プレミアムが合っているかもしれません。がん100%保障団信プレミアムには、診断給付金や入金給付金などがあり、医療保険の役割を果たすからです。住宅ローンの返済期間中に限定して医療保険的な保障を得ることができます。

いつどれだけの医療保険が必要かを検討し、団信と医療保険をうまく組み合わせられると良いでしょう。

50歳以下限定で一般団信を利用した場合の金利プランも提供

限定金利プランへの申込方法の詳細や注意事項はこちら

※ 実際のお借入日の金利により変動します。
※ 審査の結果によっては保証付金利プランとなる場合があり、この場合は上記とは異なる金利となります。
※ 別途借入金額の2.20%(税込)の事務手数料が発生します。
※51歳以上のお客さまは対象外です。
※住宅ローン金利優遇割を最大適用した金利です。J:COM NET優遇割、J:COM TV優遇割、コミュファ光優遇割は適用条件充足後、3ヶ月後から適用開始となります。
※本審査完了以降、団体信用生命保険のプラン変更はできません。団体信用生命保険の保障内容をご確認のうえご検討ください。

 

セカンドオピニオンサービス・24時間電話健康相談サービス

上述のがん50%保障団信、がん100%保障団信、がん100%保障団信プレミアムには特典としてセカンドオピニオンサービスや24時間電話健康相談サービスが付いています。

例えばがんの治療方針は病院によって異なることがあります。かかった病院に先進医療自体がないということもあり得ます。「医者から勧められた治療をそのまま採用して良いのか」という不安にかられた際にはセカンドオピニオンサービスを利用すると良いでしょう。

24時間電話健康相談サービスも、体調を崩した時ほど心の支えになってくれると思います。

一般団信・ワイド団信も利用可能

実は前述の各がん団信は満50歳までの方が対象となっています。

また、持病や病歴がある方は疾病保障付き団信の審査が通らない可能性もあります。健康上または年齢を理由に疾病保障付き団信が利用できない方は、一般団信またはワイド団信を選択することができます。一般団信は、保障対象を死亡と高度障害に絞ったシンプルな団信であり金利上乗せはありません。高血圧症、糖尿病、肝機能障害などの持病がある方で一般団信の加入ができない方はワイド団信であれば利用できる可能性があります。

ワイド団信の保障内容は一般団信と同様ですが、金利を年0.3%上乗せする必要があります。

ネット銀行であることのメリット・デメリット

auじぶん銀行はネット銀行です。そのため、ネット銀行ならではのメリットとデメリットがあります。

メリット:利便性とコスト安を実現

1、利便性

ネット銀行であることの最大のメリットは、自由な時間に手続きができることです。auじぶん銀行のウェブサイトには住宅ローンシミュレーションが用意されていますので、借り入れ額の試算は自分で行うことができます。

また、借り入れの申し込みを行う際には仮審査と本審査の申し込みが必要になりますが、これらの手続きもウェブサイト上のマイページ内で行うことができます。銀行営業中に店舗で提出する必要はありません。

審査に必要になる書類はウェブ上でリスト化されたものを閲覧できますので、自身で準備を進めていくことができます。

住宅ローンを借りる世代は働き盛りの現役世代です。平日の昼間に銀行の店頭に行くのが難しい人も多いでしょう。auじぶん銀行であれば、真夜中や早朝でも自分のペースで手続きを進められるので現代人向きだといえます。

2、コストが安い

auじぶん銀行では司法書士と行う登記関連手続きを除いて、ウェブ上で借り入れの契約が完了するので、原則は紙の契約書がありません。

そのため、印紙代(例えば借り入れ金額1,000万円超5,000万円以下で2万円)がかからないというメリットがあります。なお、何らかの理由により紙の契約書が必要になり、印紙代が必要になる場合があります。

また、審査時に保証会社の保障が必要と判断されない限り、保証会社の利用も不要なので、保証料もかかりません。

※審査の結果によっては保証付金利プランとなる場合があり、その場合、通常の金利とは異なる金利となります。金利プランが保証付金利プランとなる場合は、固定金利特約が3年、5 年、10年に限定されます。

さらに一部繰り上げ返済手数料が無料であったり、他の銀行からauじぶん銀行の預金口座に毎月定額で資金を取り寄せる場合の資金移動の手数料も無料です。

このように、あらかじめ用意したシステムでユーザに手続きしてもらうことで、費用を低く抑えているネット銀行ならではのサービスを提供しています。

デメリット:自分で完結する必要がある

auじぶん銀行のデメリットは、ネット銀行ゆえに店舗で担当者と顔を合わせて相談ができない点です。とはいってもauじぶん銀行では住宅ローン相談用のコールセンターが土日祝日含めて運営されており、不明点があればいつでも質問をすることができます。

コールセンターでは親切丁寧な説明を受けられるので、店舗で相談ができないないことはさほど問題にはならないでしょう。

ネット銀行は本当に大丈夫なのか?

住宅を購入する際には、「滞りなく住宅ローンを返済できるだろうか」「この物件で本当に大丈夫だろうか」という不安がよぎるものです。そのような不安があると、銀行選びにおいては「人と対面しないで契約するネット銀行でお金を借りて本当に大丈夫だろうか」という気持ちになりがちです。

また、住宅自体が高額な買い物なので、金利の違いで生じる総支払い額の差があまり気にならなくなる人もいます。そのため、金利が高いとわかっていても、担当者の顔が見える対面型の銀行で住宅ローンを借りる人は多々います。もちろん、対面型の銀行も良い商品、良いサービスを提供しているので、ニーズに合う人には向いています。

ただ、長期的な目線で見るとネット銀行のメリットは相対的に大きいといえます。

ネット銀行が低コスト経営のため、住宅ローン金利が対面型銀行よりも抑えられる点や、低いコストで手厚い保障の団信に加入できる点は解説したとおりです。

借りる当初は申し込み時の安心感が優先されがちですが、実際に返済をスタートし何年も経つと、「毎月の返済額をもう少し抑えられないかな」という家計の悩みや、年齢を重ねる度に「人間ドックで何か見つかったら怖いな」といった健康状態の不安が膨らんでくるものです。

auじぶん銀行であれば、相対的に低い金利を選択しているという一種の納得感を得やすく、団信のがん保障や入院保障によって、病気に対する不安もかなり和らげることができます。

また、auじぶん銀行のようなネット銀行は、ローン残高の確認や繰上げ返済をオンラインで行うことができるため、家計管理も手軽におこなえます。対面型の銀行でもネットサービスを拡充している方向性を考えれば、今後、銀行サービスはさらにネット化が進むと思われます。

多少不安は付き物ですが、ネット銀行の利用に挑戦するのは、時代に即した行動だといえます。

冒頭で記載した、auじぶん銀行の口座数の増加は、ネット銀行が普及している時代の流れを物語っているといえるのではないでしょうか。

まとめ

ここまで見てきた通り、auじぶん銀行は低金利と手厚い保障を両立させており、かなり盤石な住宅ローン商品を構築したといえます。実際に価格.com住宅ローン部門やオリコン顧客満足度®️調査で満足度総合で上位にランキングされています。

もちろん、他の銀行の住宅ローンの条件も比較した上で検討すると、より正確にauじぶん銀行の住宅ローンの魅力を理解できるでしょう。

auじぶん銀行の住宅ローンについてさらに詳しくはこちら

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