auじぶん銀行などのネット銀行の住宅ローンのつなぎ融資への対応状況

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auじぶん銀行のつなぎ融資

この記事では注文住宅購入時に利用する「つなぎ融資」が、ネット銀行で利用できるのか否かについて解説します。

マイホームを手に入れる方法の1つに注文住宅があります。新型コロナウイルス感染症の蔓延防止と、社員のワークライフバランスの適正化を理由に近年在宅勤務が当たり前になりました。

 

家で過ごす時間が増えたことにより、住まいの快適さ重視したいという方は多いのではないでしょうか。注文住宅は、家族構成・生活スタイルに合わせた家を一から考えることができるので、快適な住まいを手に入れるための有力な選択肢です。

また、税額控除の制度である住宅ローン控除は新築物件購入時の方が、中古物件購入時よりも優遇されているということもあり、注文住宅の市場には追い風が吹いているといえます。

 

実は注文住宅購入時の資金計画は建売住宅、中古住宅、マンションの購入時と比べて複雑になっています。その理由は、土地の購入から建築の着工、そして引き渡しといった段階ごとに、複数回の支払いが必要になるためです。

 

銀行で借りることができる住宅ローンは完成した物件の引き渡し時にしか実行できません。土地の購入時に売主に支払う資金や建築の着工時に建設会社に支払う資金は、住宅ローン以外の手段で用意する必要があります。そこで注文住宅の購入者が、資金調達の手段として利用するのが「つなぎ融資」です。

 

ネット銀行のウェブサイトでは住宅ローン商品の解説はわかりやすくされているものの、つなぎ融資の説明ページはあまり目立つところに記載がありません。また、ネット銀行によってはつなぎ融資を取り扱っていない場合もありますので、注文住宅を購入する方は銀行選びの際につなぎ融資の利用の仕方も合わせて把握する必要があります。

 

次の項からつなぎ融資の仕組みと具体的な銀行の選び方について解説していきます。

 

この記事を書いた専門家(フィナンシャルプランナー)
遠藤功二(フィナンシャルプランナー)


遠藤功二(えんどう こうじ)

1級FP(1級ファイナンシャルプランニング技能士)

CERTIFIED FINANCIAL PLANNER、経営管理専攻修了(MBA)

三菱UFJモルガンスタンレー証券、オーストラリア・ニュージーランド銀行にて延べ1,000人以上の顧客の資産運用アドバイスを担当。 現在は独立系FPとして、投資に限らずライフプランニング、保険、住宅などの幅広い分野で相談、講演、執筆業務に携わる。

つなぎ融資の仕組み

注文住宅購入時の借り入れによる資金調達は下記のように行います。

注文住宅を建てる際には土地探しから始まります。良い土地が見つかったらハウスメーカーや工務店などの建築を依頼する会社を選びます。実際は、土地を探す前にあらかじめどこのハウスメーカーや工務店に建築を頼むのかを決めておくと、土地探しから手伝ってもらえる場合があります。

購入する土地と建築の依頼先が決まったら、土地の売買契約と建築の請負契約を進める準備に入ります。

 

融資の本審査よりも売買契約及び請負契約を先に締結する場合は、住宅ローンやつなぎ融資の審査が通らなかった場合に契約が無効になる条件(特約)を忘れずに付けておきましょう。
一方で、売買契約及び請負契約締結前の段階で本審査を進められる金融機関もあります。

その際には(案)としての契約書等の提出が必要になると思われます。段取りの詳細は土地の売主、建築会社、各金融機関と打ち合わせておきましょう。
次に住宅ローンとつなぎ融資をそれぞれどこの金融機関で借りるかを同時並行で検討します。1つの金融機関で住宅ローンとつなぎ融資を両方借りられる場合がありますが、つなぎ融資を行なっていない金融機関も多く存在します。

 

売買契約、請負契約、住宅ローン本審査通過、つなぎ融資の審査通過後にはいよいよ土地の引き渡しと着工に進みます。住宅完成までにかかる資金はつなぎ融資の資金で支払い、住宅の引き渡し時に住宅ローンの資金でつなぎ融資を返済するという流れです。住宅の引き渡し後は、長い年月をかけて住宅ローンを返済していきます。

つなぎ融資のメリット

手元資金が十分にない方、もしくは資金はあっても、住宅購入資金に多額のお金を投じたくない方にとって、つなぎ融資はとても便利な融資です。

 

つなぎ融資利用時のデメリット

つなぎ融資を利用する際には下記のデメリットを留意した上で利用しましょう。

<つなぎ融資のデメリット>

つなぎ融資には以下のようなデメリット・注意点があります。

  •  金利が高い
  •  住宅ローンとは別に費用がかかる
  •  団体信用生命保険(団信)の適用外の場合がある

 

金利が高い

住宅ローンの金利が1%以下で借りられる昨今ではありますが、つなぎ融資の金利は2%を超えることは珍しくありません。つなぎ融資は前述の通り、住宅の引き渡しまでの限られた期間のローンです。多少金利が高くても気にしない方が多いですが、工期が伸びてしまった場合は想定を超えて金利の支払いが増えてしまうことがあります。

住宅ローンとは別に費用がかかる

つなぎ融資を利用する場合は、住宅ローンとは別に事務手数料、契約書に貼り付ける収入印紙代、抵当権設定の司法書士費用および登録免許税、などがかかります。
同じ新築物件を買うという行為でも、つなぎ融資を使わないで済む新築マンション購入のようなケースと注文住宅を買う場合ではこのあたりの費用が異なってくるということです。

団信適用外の場合がある

つなぎ融資は債務者に万が一のことがあった時に残債が保険金で完済される団体信用生命保険(団信)の対象外になっているケースがあります。団信未加入のつなぎ融資を利用し、仮に建築中に債務者に万が一のことがあった場合は、返済が滞ってしまいます。遺産よりも債務の方が多く残ってしまう場合は、遺族は相続放棄の手続きをすることで債務を引き継がないようにする必要があります。団信に加入不可のつなぎ融資を利用する場合は、生命保険で万が一に備えておくという手段もあります。

 

つなぎ融資を行なっている金融機関

住宅ローンは銀行や信用金庫等で借りるのが一般的ですが、つなぎ融資はノンバンクで利用することもできます。銀行がつなぎ融資を行なっている場合は、自社の住宅ローンとセットで提供しているケースが多くなっています。つなぎ融資を行なっていない銀行で住宅ローンを借りる際には、つなぎ融資だけノンバンクを利用するのが一般的です。

 

万が一に備えるための生命保険とは?

団信なしのつなぎ融資とあわせて利用する生命保険は、基本的には死亡保険になります。死亡保険には、いくつかの種類があります。

<一般的な死亡保険>

 定期保険

 収入保障保険

 終身保険・養老保険

定期保険は、一定期間のみ加入する死亡保険です。例えば、保険期間が1年のものや10年程度のものなど、種類はさまざまです。会社によっては団体保険で1年更新型の定期保険を扱っている場合もあるため、社内の制度を見てみましょう。

収入保障保険は、万が一のことが起きた時に遺族に年金形式で死亡保険金が支払われるタイプの保険です。本来は遺族の生活費をカバーする目的で加入する保険です。年金形式の保険金を一括で受け取ることもできます。

その場合、保険金額は10〜20%減額になってしまいます。遺族が受け取れる合計の保険金額が段々と減っていく仕組みなので、保険料が定期保険よりも安い傾向があります。本来は長期間の加入を目的とした保険のため、短期間の加入目的でも利用できるのかは、保険会社にきいてみましょう。

終身保険や養老保険は、一定の期間が経過すると支払った保険料以上の解約返戻金や満期保険金が受け取れるタイプの貯蓄型保険です。これらのタイプは保障金額の割に保険料が高額であり、短期間で解約するとかなり損をすることがあるので、団信の代替としては使えません。

 

つなぎ融資選択時の押さえておくポイント

ここからは、つなぎ融資を利用する前提でネット銀行の対応を見ていきます。つなぎ融資の条件は、下記のポイントをチェックするようにしましょう。なお、金融機関は顧客の状況によっては個別対応をしてくれる場合があります。条件を見て不都合なことがある際には相談をしてみるのも良いでしょう。

<つなぎ融資のチェックポイント>

  • つなぎ融資商品の有無
  •  融資金利
  •  事務手数料
  •  融資上限金額
  •  団信の有無
  •  利用条件

ソニー銀行の住宅ローン

ソニー銀行ではつなぎ融資を行なっていませんが、日本モーゲージサービス株式会社(MSJ)と株式会社アプラスといったノンバンクが提供するつなぎ融資を紹介しています。

ソニー銀行専用 MSJ住宅つなぎローン

MSJではソニー銀行専用のMSJつなぎローンという商品を提供しています。融資金利は三菱UFJ銀行の短期プライムレート金利+年率1.2%(2021年12月時点では年率2.675%)となっています。
事務手数料は税込11万円で、融資期間を2回以上延長する場合は都度22,000円(税込)がかかります。融資上限額は合計で1億円までとなっています。団体信用生命保険は加入必須となっており、保険料はMSJが負担します。

利用条件はソニー銀行の住宅ローンの本審査が通っていることと、団信に加入できることです。

 

つなぎ融資商品名:ソニー銀行専用 MSJ住宅つなぎローン

提供金融機関:日本モーゲージサービス株式会社

融資金利 :2.675%(2021年12月時点)

事務手数料(税込): 11万円(延長の場合加算あり)

融資金額: 下記1と2を両方満たす金額まで

1 100万円以上1億円以内かつソニー銀行の住宅ローン承認金額以内
2 土地購入代金:売買契約金額の100%
建物建築着工金:請負契約金額の30%(最大40% ※)
建物建築中間金:請負契約金額の60%(最大80% ※)
建物竣工時金:請負契約金額の100%
※請負契約書で着工時30%、中間時60%を超えている場合

団信の有無:有り

利用条件:ソニー銀行の本審査通過、団信加入

 

アプラスブリッジローン

アプラスでは、アプラスブリッジローンというつなぎ融資を提供しています。融資金利は三菱UFJ銀行の短期プライムレート金利+年率1.2%(2021年12月時点では年率2.675%)となっており、MSJと同水準です。

また、事務手数料も税込11万円となっており経済的な条件はMSJと大差ないといえるでしょう。

しかし、アプラスブリッジローンの融資金額の上限は8,000万円となっていることと、団信が付いていない点が「ソニー銀行専用 MSJ住宅つなぎローン」との違いです。ちなみに、アプラスブリッジローンは「ソニー銀行専用」の商品ではありませんので、他のネット銀行で住宅ローンを借りる方も利用できます。

つなぎ融資商品名: アプラス ブリッジローン

提供金融機関:株式会社アプラス

融資金利:2.675%(2021年12月時点)

事務手数料:(税込) 11万円

融資金額 :下記1と2を両方満たす金額まで

1、500万円以上8,000万円以内(1万円単位)かつ金融機関等が発行する「融資証明書」に記載された住宅ローン予定額まで。

2、<土地購入代金> 売買契約金額の100%以内、<建物建築着工金> 請負契約額の30%以内、<建物建築中間金> 請負契約金額の60%以内(建物建築着工金を含む)

団信の有無:なし

利用条件:金融機関等から住宅ローン融資が内定している方

住信SBIネット銀行

低金利の住宅ローンと就業不能時を保障する団信に定評がある住信SBIネット銀行ですが、銀行自体ではつなぎ融資を行なっていません。ただし、他社でつなぎ融資を行い、住信SBI
ネット銀行の住宅ローンでつなぎ融資を完済するという手法は可能です。

 

また、SBIグループには「SBIマネープラザ株式会社」という銀行代理業者があり、つなぎ融資を行なっています。融資金利は年率2.60%(2021年12月時点)、事務手数料は11万円(税込)、融資金額の上限は8,000万円までとなっており、団信は利用できません。

本つなぎ融資の対象者はSBIマネープラザが銀行代理業として提供している「ミスター住宅ローンREAL」と「フラット35」といった住宅ローン商品の利用者に限定しています。

 

つなぎ融資商品名:SBIマネープラザ 住宅つなぎ融資

提供金融機関 :SBIマネープラザ株式会社

融資金利:2.600%(2021年7月1日時点)

事務手数料(税込): 11万円

融資金額:下記1と2を両方満たす金額まで

1 500万円以上8,000万円以内(10万円単位)でかつ、金融機関等の住宅ローン融資内定金額まで
2 <土地購入代金> 売買契約金額の範囲内。
<建物建築着工金> 請負契約金額の40%以内
<建物建築中間金> 請負契約金額の80%以内(中間金-着工金が上限)

団信の有無:なし

利用条件:SBIマネープラザが銀行代理業で提供する住宅ローン商品が内定している方

 auじぶん銀行

低金利と全疾病を対象とした入院保障が付いたがん団信を両立させていることで、住宅ローンにおいて人気の高いauじぶん銀行ですが、残念ながらつなぎ融資を行なっていません。

だからといって注文住宅の購入者がauじぶん銀行の住宅ローンの利用を諦める必要はありません。

 

ノンバンクでつなぎ融資を利用することで問題なく住宅ローン実行までの資金調達を進めていくことができます。ただし、ソニー銀行のようにノンバンクを紹介しているわけではないので、自身でつなぎ融資先を選定する必要があります。(筆者としてはアプラスへの申込を行うことをオススメします)

 

auじぶん銀行の住宅ローンについてさらに詳しくはこちら

 

まとめ:つなぎ融資は銀行選定の基準に入れる必要はない

ここまで見てきた通り、多くのネット銀行ではつなぎ融資を扱っていません。しかし、ノンバンク等の他社のつなぎ融資を利用することで注文住宅の購入の際もネット銀行の好条件の住宅ローンを選択できる可能性はあります。ただし、住宅ローンでつなぎ融資を一括返済できるかは、各銀行に確認しておく必要があります。

「注文住宅といえばつなぎ融資」というイメージを強く持ちすぎ、つなぎ融資を行っている銀行に絞って銀行探しをしてしまうと、選択の幅を狭めかねません。
注文住宅を購入する際も、ノンバンクのつなぎ融資の利用を視野に入れ、ネット銀行を選択肢に入れながら銀行選びをしましょう。

 

auじぶん銀行の住宅ローンについてさらに詳しくはこちら

 

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