auじぶん銀行の住宅ローンの落とし穴と審査基準

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auじぶん銀行は2008年6月に設立されたインターネット銀行です。

大手企業を親会社に持つ資金力を活かし、最新サービス・最新システムの開発を進めているauじぶん銀行は、株式会社格付投資情報センター(R&I)の発行体格付は「AA-」(2021年9月22日時点)と高く評価されています。

資本金は2021年2月に第三者割当増資をしたことで675億円に到達。預金残高は2021年8月に2兆円を超えていて資金力・銀行規模は順調に拡大しています。

 

auじぶん銀行はネット銀行の中でも特に信用力が高い銀行ですが、従業員数は想像以上に少なくわずか454人(2021年6月10日時点)です。ネットに限定して銀行サービスを提供することで地方銀行や信用金庫等の金融機関と比較すると、かなりスリム経営資源で大きな事業を展開できています(参考:https://www.jibunbank.co.jp/corporate/history/

 

auじぶん銀行は、店舗費や人件費を抑えた効率経営により、比較的有利な条件の金融商品を安価な手数料で提供していて、普段使いの銀行としても魅力的な銀行です。例えば、auじぶん銀行の住宅ローンは高く評価されていて、価格.comの住宅ローン人気ランキング2021年上半期住宅ローン部門別で第1位、2021年オリコン顧客満足度®︎調査住宅ローン金利部門でも第1位を獲得しています。

 

ただし、auじぶん銀行の住宅ローンは誰でも利用できるわけではなく、審査基準があります。また、一見気がつきにくい落とし穴(デメリット)にも注意する必要があります。この記事では、そんなauじぶん銀行の住宅ローンについて審査基準・落とし穴(デメリット)などについて解説します。

 

この記事を書いた専門家(フィナンシャルプランナー)
遠藤功二(フィナンシャルプランナー)


遠藤功二(えんどう こうじ)

1級FP(1級ファイナンシャルプランニング技能士)

CERTIFIED FINANCIAL PLANNER、経営管理専攻修了(MBA)

三菱UFJモルガンスタンレー証券、オーストラリア・ニュージーランド銀行にて延べ1,000人以上の顧客の資産運用アドバイスを担当。 現在は独立系FPとして、投資に限らずライフプランニング、保険、住宅などの幅広い分野で相談、講演、執筆業務に携わる。

auじぶん銀行について

最初にauじぶん銀行が提供している金融サービスを全体的に確認しておきましょう。住宅ローン以外の商品も非常に充実しています。

 

円預金

円普通預金・円定期預金などの基礎的な円預金はもちろん、最高6億円のくじ「BIG」を受け取ることができる「BIG付定期預金」などの他の銀行では見かけない独自性の高い円預金を提供しています。また、中途解約ができない代わりに比較的高い金利が受け取れるステップアップ定期預金やプレミアム金利円定期預金なども扱っています。

 

外貨預金

米ドル・ユーロなど多数の外貨預金を割安な為替手数料で取り扱っていることが特徴です。外貨普通預金・外貨定期預金といった基礎的な外貨預金はもちろん、100円から始められる外貨預金積立も利用できます。投資タイミングをAIが判断してくれるAI外貨自動積立も興味深いものとなっています。

 

住宅ローン

住宅ローンについて詳しくは後述しますが、低金利であることと、独自のサービス内容を付帯するなど、住宅ローン選びにとって重要な「金利の低さ」「長い借入期間を通じての安心感」「借り入れ時と借り入れ後の利便性」が充実していて継続的に高い人気を集めていて、2021年6月にauじぶん銀行の住宅ローン実行額は1兆5,000億円を突破しています。

 

その他

auじぶん銀行ではこちらで紹介した金融商品以外にも、カードローンやFX(外為証拠金取引)、株式・投資信託・NISA、totoやデビットサービスなど多岐にわたる金融商品を提供しています。

 

auじぶん銀行の住宅ローンについて

auじぶん銀行のがん50%保障団信

auじぶん銀行の住宅ローンには様々な特典や高いサービスが付帯されていますが、特に注目したいのは無料で利用できる「がん50%保障団信」です。これはがんと診断された場合に住宅ローンの残高が半分になる特約で、住宅ローンの返済中にがんになった時の返済負担を大きく軽減できる団信です。

 

日本人の2人に1人ががんになるといわれている現代には頼もしい保障です。

日本人の2人に1人はがんになる

 

さらに、金利を年0.2%上乗せすることで、がんになったら住宅ローン残高がゼロになるがん100%保障団信に換えることもできます。また、金利を年0.3%上乗せすることで11疾病保障団信も選択できます。11疾病保障団信にもがんと診断されたら住宅ローン残高がゼロになる保障が付いており、がん診断給付金100万円、上皮内がん・皮膚がん診断給付金50万円、入院一時金給付10万円、がん先進医療給付金500万円(1回の上限)といった医療保険のような保障も付帯されています。

 

全疾病保障も無料で付帯

前述のがん50%保障団信には全疾病保障も無料で付いています。全疾病保障とは、入院が継続180日以上となった場合に、住宅ローン残高がなくなる保障です。全疾病保障は精神障害を除くすべての怪我や病気の入院に対応しています。11疾病保障団信の場合は、入院継続日数のルールは全疾病保障と同じですが、対象の病気はがん以外の10種類の生活習慣病に限定されます。

 

月次返済保障も無料

auじぶん銀行の住宅ローンには精神障害を除く全ての病気やケガで入院が連続して31日以上となった場合、またそれ以降の入院が継続して30日に達するごとに毎月の住宅ローン返済額が保険金で支払われる月次返済保障も無料で付いています。この保障は「全疾病保障」の条件を満たすまでの間の期間の住宅ローン負担を軽減するサービスです。

例えば、交通事故に遭い、入院が数ヶ月に及んでしまったような時でも月次返済保障があれば安心して治療に専念できます。

ちなみに、会社員の方が4日以上病気や怪我で休業する場合には傷病手当金が健康保険から支給されます。ただ、傷病手当金の支給額は標準報酬月額のおよそ3分の2 程度であるため、心許ない印象があります。auじぶん銀行の月次返済保障があれば、傷病手当金と合わせて長期療養時の経済的負担を軽減できる可能性があります。ところで、11疾病保障団信には月次返済保障はありません。

 

保証料は無料・審査金利もなし※

auじぶん銀行の住宅ローンは保証会社を利用しないため保証料は無料です。ただし、2021年1月29日から保証会社の保証付きの住宅ローンの取り扱いを開始していて、住宅ローンの審査の結果で、保証会社を利用することになった場合は、保証料相当額を上乗せした金利で住宅ローンを利用することになります。

※審査の結果、保証会社を利用することになる場合がありますが、保証料相当額は金 利に含まれているので別途支払う保証料はありません。

 

auじぶん銀行の住宅ローンの審査基準

auじぶん銀行の住宅ローンの審査基準(auじぶん銀行の住宅ローンに申し込める人)は以下のような条件になっています。

 

各金融機関の住宅ローンに対する考え方(積極的に取り組んでいきたいか)は、表面上の住宅ローンの金利やサービス内容だけでなく審査基準にあらわれることがありますのでしっかりと確認しておくと良いでしょう。

 

特殊な審査基準が設けられているわけではありませんが、勤続年数や雇用形態や収入などであまり絞り込んでおらず、比較的幅広い人を受け入れられるようにしている印象を受けます。

 

 

auじぶん銀行の住宅ローンの場合、特殊な審査基準が設けられているわけではありませんが、

年齢 申込時年齢:満20歳以上満65歳未満
最終返済時:満80歳の誕生日まで
がん50%保障団信、がん100%保障団信、11疾病保障団信:満20歳〜満50歳
一般団信、ワイド団信:満20歳〜満65歳
勤続年数 ウェブサイトを見る限り明確な基準は定められていないようです。もちろん、勤続年数が長いほうが住宅ローンの審査上有利になるのは間違いありませんが、勤続年数に明示的な定めがあるわけではありませんので、転職したばかりの方でも住宅ローン審査に申し込みしてみる価値はあると言えるでしょう。
雇用形態 勤続年数と同様に明確な基準は公表されていません。公務員・正社員などの比較的安定収入を得られやすいといわれている雇用形態の方はもちろん、一般的に、契約社員や派遣社員・自営業などの安定収入が得られにくい雇用形態の場合、多少厳しい審査基準が設けられるケースがありますが、auじぶん銀行の場合は雇用形態について明示的な基準を公表していませんので、幅広い方にチャンスがある住宅ローンと言えるでしょう。
健康状態 auじぶん銀行では、団信への加入が住宅ローン利用の必須の条件になっています。満20歳〜満50歳の方で健康な方はがん50%保障団信、がん100%保障団信、11疾病保障団信の対象になります。満51歳〜満65歳未満の方、もしくは満50歳以下でも持病や病歴を理由に疾病保障付の団信に入れない方は一般団信の対象になります。さらに、高血圧症、糖尿病、肝機能障害などがあり、一般団信の加入も難しい方向けにワイド団信も用意されています。一般団信は金利の上乗せは不要ですが、ワイド団信は金利0.3%の上乗せが必要になります。病状によってはワイド団信の審査も通らないケースはあります。
収入 前年度の年収(自営業の場合は申告所得)が 200万円以上であること。最低年収200万円は決して高い基準ではありません。自営業の方は、申告所得をある程度コントロールできる(節税の観点で申告所得をできるだけ少なくしているケースなど)と思いますので、そういった方で住宅ローンを検討している方は少し注意が必要ですね。ネット銀行でも最低年収のバーは異なり、400万円以上としている銀行もあります。収入が理由で他のネット銀行の審査に通らなかった方でも、auじぶん銀行であれば通るケースは考えられます。
国籍 日本国籍もしくは永住許可を受けている外国籍の方、となっています。
借入可能金額 500万円以上 2 億円以内。(借入単位は10万円)上記の借入金額には、諸費用を含むことが可能です。(諸費用は、例えば、新規でマイホームを購入する場合は”売買契約書の金額×10%まで”となっています。ここで1つポイントになるのは、住宅ローンの借り換え時に「現在の住宅ローンの残債」が「マイホームの担保評価額」を上回ってしまっている場合です。(住宅ローンの返済スピードよりも物件の価値の値下がりペースがはやかった場合などに発生します。auじぶん銀行の住宅ローンの場合、”借入対象物件の担保評価額を上回る金額でもお申込み可能”となっているのは、住宅ローンの借り換えを考えている人にとって非常に心強い審査基準と言えます。(もちろん、その後の審査で落ちてしまう可能性はありますが)

諸費用に該当するもの:印紙税、登録免許税、志保諸氏費用、土地家屋調査士手数料、住宅ローン事務手数料、火災保険料、地震保険料、不動産仲介手数料、引っ越し費用など

なお、auじぶん銀行では保証会社の保証が付いた金利プランも提供しています。保証会社を使わない住宅ローンの審査には通らない場合でも、保証会社の保証付金利プランであれば利用できる可能性があり、通常のネット銀行の住宅ローンより利用できる可能性が高い住宅ローンです。

 

auじぶん銀行の住宅ローンは借り換えで利用される方も少なくありません。現在加入している住宅ローンの金利が高く、団信の内容が死亡・高度障害のみであれば借り換えを検討したくなるのが自然です。また、借り換えの際も諸費用を借入額に含めることができます。そうすることで手元資金の流出はほとんどなく借り換えができる場合もあります。

 

ここまで見てきた通り、auじぶん銀行の住宅ローンは、健康に不安がある方向けにワイド団信を提供したり、収入状況の審査結果次第で保証付金利プランを提供したりと、可能な限り住宅ローンの利用の可能性を広げているような印象を受けます。最低年収基準が200万円であることも、少しでも広範囲の方を対象にする方針の表れではないでしょうか。

 

ここまではauじぶん銀行の住宅ローンの審査基準の概要について確認してきましたが、ここからは、auじぶん銀行の住宅ローンの落とし穴・デメリットについても確認していきましょう。

 

auじぶん銀行の住宅ローンは優れた住宅ローンですが、どんな住宅ローンにもメリット・デメリットは存在します。特にデメリットとしてどのようなポイントがあるのかを押さえておかないと、後々、思わぬ落とし穴にはまってしまう可能性が高まってしまうので、「メリットを把握すること以上にデメリットを把握しておくこと」が重要です。auじぶん銀行はネット銀行なので担当者がいない分、デメリットをしっかり把握することが重要になります。

 

auじぶん銀行の住宅ローンの落とし穴(デメリット)

事務手数料がやや高い

auじぶん銀行では、住宅ローンの事務手数料が借入金額に対し、2.2%(税込)かかります。多くのネット銀行の住宅ローンのデメリットに事務手数料が割高になっているという点が挙げられます。auじぶん銀行の住宅ローンも同じく、借り入れ(借り換え)金額の2.20%(税込)の事務手数料がかかります。3,000万円の借入であれば66万円(税込)、5,000万円の借入であれば110万円(税込)の事務手数料が必要になるわけです。

 

一見割高に見える事務手数料ですが、実は多くのネット銀行は同じ「借入金額×2.2%(税込)」の手数料体系にしているので、auじぶん銀行が特別高いわけではありません。銀行によっては、事務手数料に加えて保証会社に対する事務手数料も支払わなければならず手数料が二重になっているケースを見受けます。そういった銀行に比べたらauじぶん銀行の方が有利だといえます。ただ、住宅ローンの好条件に目を奪われて事務手数料を見落とさないように注意しましょう。

 

”事務手数料”というぐらいなので、事務にかかった費用を請求して欲しいものですが。。。

 

auじぶん銀行の住宅ローンの場合、かなり低金利で住宅ローンを提供しているので、事務手数料を考慮しても総返済額を抑えやすいのですが1つの費用として認識しておくようにしましょう。

 

当初期間経過後の金利が割高に

auじぶん銀行では固定10年などの当初期間引下げプランの住宅ローンも提供しています。当初期間引下げプランは、当初期間中は大幅な金利引下げを行い、当初期間終了後に金利引下げ幅が縮小されてしまう形になっています。

なお、当初に選択した固定期間が終了する際には、いずれかの固定金利期間を選択しない限りは自動的に変動金利に変更になります。

経過後の金利が割高になると記載していますが、住信SBIネット銀行よりは低い金利となるので、しっかりと当初期間経過後の金利を確認することが大切です。

 

これも住宅ローン業界全般にかかわることですが、多くの銀行は、住宅ローンの金利を最初の〇年間大幅に引き下げるタイプの住宅ローンと、借入期間を通じて平均的に引き下げるタイプの住宅ローンの2つを用意しています。

 

借り換えを希望されている方で残りの返済期間が10年程度の方や、繰上げ返済によって10年前後で住宅ローンを返済する計画にされている方に、上記のような固定10年のタイプはニーズがあります。

ここで注意しておきたいのは、当初引き下げタイプの住宅ローンで、例えば、10年固定金利(当初期間引き下げタイプ)の住宅ローンを選んだ場合、10年後に大幅な金利引き下げが終了してしまいます。その後は、金利優遇幅が小さくなるというデメリットがあります。(「当初の返済期間の金利を引き下げる」というタイプの住宅ローンは、最初の金利が低いので借り入れ直後の元本の減少が速いというメリットもあります)

 

店舗で相談しにくい

一部、KDDI直営のauショップで対面での相談会を実施していますが、直営店のみで店舗数も少なく店舗で相談しにくいので、ネットで商品性を理解しなければならない点は頭の片隅においておきましょう。

 

auじぶん銀行のコールセンターは土日も含めて営業をしているため、説明書や手続きの流れでわからないことがあった際には電話で問い合わせることができます。

返済計画などについては、住宅ローンシミュレーションを使うのがお勧めです。auじぶん銀行の住宅ローンシミュレーションでは返済予定表をダウンロードできますので、自身が何歳の時にどれだけの残債が残っているのかをイメージすることもできます。

ネット銀行は自分で何もかもやらなければならない分、経済性と団信の保障の手厚さを両立しています。auじぶん銀行のウェブサイトはわかりやすく作られているのでまずは、アクセスして商品性を確認してみましょう

 

なお、店舗相談したい場合の裏技にARUHIに相談する、という方法があります。実は、ARUHIの一部の店舗でauじぶん銀行の住宅ローンを取り扱っているので、ARUHIの専門スタッフにauじぶん銀行の住宅ローンについて詳しく教えてもらいながら申し込むことができます。

 

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