三菱UFJ銀行の住宅ローンは、国内最大級の住宅ローン残高をもち、長年にわたり日本の住宅ローンの「標準」とされてきた存在です。
三菱UFJ銀行は都市部を中心に豊富な店舗があり、それぞれの店舗で住宅ローンを提供する一方、インターネットからの申し込みにも力を入れており、書類提出が不要な「かんたん事前審査」から借り入れまで来店不要で完結できる手続きも用意しています。
この記事では、日本の住宅ローンのお手本として存在感を示してきた三菱UFJ銀行の住宅ローンの審査基準を、基礎から順番に整理して解説します(本記事は公式の住宅ローン商品説明書〔2026年6月17日現在〕・金利ページの利用条件〔2026年9月1日現在〕・かんたん事前審査ページ〔2026年4月2日現在〕にもとづきます。条件は改定されるため、最新は必ず公式サイトでご確認ください)。
目次
三菱UFJ銀行の住宅ローンの特徴
三菱UFJ銀行は、国内・民間の金融機関のなかでもトップクラスの住宅ローン取扱残高をもつ、日本を代表する住宅ローンです。
利用者が多いからといって審査基準が甘いわけではなく、しっかりとした(厳しいと言われることがよくあります)審査基準を守りながら、豊富な店舗網と全国のグループ会社・不動産会社との強固な営業基盤で利用者を増やしています。
三菱UFJ銀行の住宅ローンは「これと言った突出した特徴がない」ことが最大の特徴とも言われます。多くの金融機関から参考商品として研究され、日本の住宅ローンの標準と言える存在だからです。
金利タイプは「変動金利」「固定金利(1・2・3・5・7・10・15・20年)」「全期間固定金利」の3つ。借入期間は2年以上40年以内(全期間固定金利は21年以上)で、借入期間を40年にしても金利の上乗せはありません。なお、フラット35の新規取扱いは停止されています(公式のよくあるご質問)。全期間固定で借りたい場合は、同行の「全期間固定コース」か、フラット35を扱う他の金融機関を検討することになります。
三菱UFJ銀行の住宅ローンのメリット
金利の低さや無料の疾病保障といった保障面では、ネット銀行の住宅ローンの方が魅力的なことが多いのですが、三菱UFJ銀行ならではのメリットは何でしょうか。
最大のメリットは、全国に展開する店舗で相談できる点です。店舗を持たずインターネットで申し込みから契約まで行うネット銀行に対し、三菱UFJ銀行では窓口で専門スタッフに相談しながら住宅ローンを申し込めます(ローン窓口設置店での取り扱い)。土日祝日や平日夜間の無料相談会を実施するなど、「直接、専門家に相談して借りたい」というニーズに応えています。また、給与振込や他の銀行取引とあわせた優遇を受けられる点も特徴です。

諸費用の面では、借入時に借入金額の2.20%(税込)の事務手数料がかかる一方で、保証料は不要です。近年主流の「事務手数料型」で、ネット銀行と同じ考え方の料金体系になっています。
一方で、団信の保険料が銀行負担であることや、インターネットからの一部繰上返済が手数料無料であることは、近年の住宅ローンでは当たり前になっており、特筆すべきメリットとは言いにくくなっています。ネット銀行の住宅ローンでは、団信無料に加えて疾病保障まで無料で付帯する商品も増えています。
たとえば、三菱UFJ銀行が出資するauじぶん銀行では、がんと診断されると住宅ローン残高が半分になる「がん50%保障団信」を上乗せ金利なしで用意し、4疾病保障や、すべてのけが・病気で入院が180日以上継続した場合に残高が0円になる全疾病長期入院保障まで付帯しています(保障内容・条件は変わることがあるため、最新は公式でご確認ください)。純粋な保障内容ではネット銀行に分があるのも事実です。
2026年9月の適用金利と、審査への影響
審査基準を確認する前に、前提となる金利水準を押さえておきましょう。三菱UFJ銀行の住宅ローン金利ページは2026年9月1日現在の内容に更新されており、当編集部が公式サイトで確認した最優遇金利は次のとおりです。
| 金利タイプ(コース) | 新規借入 | 借り換え |
|---|---|---|
| 変動(ずーっと一律優遇コース) | 年1.195% | 年1.245% |
| 固定10年(最初に大きな優遇コース) | 年3.630% | 年3.630% |
| 固定20年(最初に大きな優遇コース) | 年4.390% | 年4.390% |
| 全期間固定コース(31〜35年) | 年4.300% | 年4.300% |
※2026年9月1日現在・公式サイトにて確認。変動の店頭表示金利は年3.375%で、そこから完済まで新規は年2.180%、借り換えは年2.130%引き下げられます。最優遇金利は給与振込などの条件を満たし、かつ審査結果に応じて適用されるもので、申し込めば誰にでも適用される金利ではありません。

変動金利は前月の年0.945%(借り換えは年0.995%)から0.250%幅の引き上げとなりました。これは日本銀行が2026年6月に政策金利を0.75%程度から1.0%程度へ引き上げたことが、短期プライムレートを経由して基準金利に反映されたものです。なお、大手5行のうち9月に変動型を引き上げたのは2行で、残る3行は据え置きでした(共同通信・日本経済新聞ほか)。「変動金利が一斉に上がった」わけではない点は押さえておきましょう。
この金利上昇は、審査にも間接的に効いてきます。当編集部が各行公式サイトで実測した2026年9月適用金利をもとに、借入3,000万円・35年・元利均等(ボーナス返済なし・諸費用は含まない金利のみの試算)で計算すると、三菱UFJ銀行の変動 年1.195%での月々返済額は87,439円で、同じ条件を8月の金利で計算した場合より3,521円多くなります(当社試算・端数は円未満切り捨て。変動金利は全期間変わらないと仮定した概算です)。年間返済額が増えれば、次に説明する返済負担率の分子が増えるため、同じ年収・同じ借入希望額でも審査の通りやすさは変わり得ます。
三菱UFJ銀行の住宅ローンの審査基準(早見表)
まず、申し込みの主な条件を一覧で整理します。「商品としての条件」と「優遇金利コースを使うための条件」は別物なので、分けて確認してください。
| 確認の観点 | 三菱UFJ銀行の基準 | 備考 |
|---|---|---|
| 年齢 | 借入時に18歳以上70歳の誕生日まで/完済時に80歳の誕生日まで | 2022年の成年年齢引き下げで申込下限は18歳に |
| 団信 | 団体信用生命保険に加入が認められること | 健康状態によっては加入できず、借りられないことがある |
| 国籍 | 日本国籍の方、または永住許可を受けている外国籍の方 | 永住許可がない外国籍の方はかんたん事前審査の対象外 |
| 年収 | 公式の利用条件に「◯万円以上」という金額の定めはない | 商品説明書には「返済計画に無理のないよう年収による制限があります」と記載 |
| 勤続年数 | 金利優遇コースは「同一勤務先に満1年以上勤務」が条件 | あわせて当行での給与振込の利用が必要 |
| 取引条件 | 「スーパー普通預金(メインバンク プラス)」と「三菱UFJダイレクト」を利用中、または今後利用できること | 金利優遇コースの条件 |
| 借入金額 | 500万円以上3億円以内(10万円単位) | ペアローンは1人2億円かつ合計4億円が上限 |
| 借入期間 | 2年以上40年以内(1年単位) | 全期間固定金利は21年以上 |
※公式の住宅ローン商品説明書(2026年6月17日現在)および金利ページの「金利コースのご利用条件」(2026年9月1日現在)より作成。
1 年齢
借入時に18歳以上70歳の誕生日まで、完済時に80歳の誕生日までの方。借入期間の上限は40年ですが、完済時年齢の上限があるため、40年で組めるのは実質的に40歳前後までという点に注意しましょう。
2 勤続年数・取引条件
ここは誤解されやすいところです。公式の金利ページに記載された金利優遇コース(ずーっと一律優遇コース/最初に大きな優遇コース/全期間固定コース)の利用条件には、「同一勤務先に満1年以上勤務されている方で、当行にて給与振込をご利用中の方」が明記されています。あわせて「スーパー普通預金(メインバンク プラス)」と「三菱UFJダイレクト」を利用中、または今後利用できることも条件です。
つまり、転職直後で勤続1年に満たない場合や、給与振込口座を他行にしたままの場合は、優遇金利のコースをそのまま使えない可能性があるということです。申し込みを検討する段階で、給与振込の変更を勤務先に相談できるかを確認しておくとスムーズです。
3 年収・収入
三菱UFJ銀行の公式な利用条件には、「年収◯万円以上」という金額の下限は示されていません。商品説明書には借入金額の欄に「返済計画に無理のないよう年収による制限があります」と書かれているのみです。
そのため、年収そのものより「年収に対する年間返済額の割合(返済負担率)」が実質的な関門になります。審査では実際の適用金利より高めの「審査金利」で返済負担率を計算するのが一般的で、金利が上がる局面では同じ年収・同じ借入額でも負担率が上がり、基準を満たしにくくなります。ネット上で見かける「年収◯万円以上でないと無理」といった数字は公式の条件ではないため、鵜呑みにしないようにしましょう。
4 国籍
日本国籍の方、または永住許可を受けている外国籍の方が対象です。永住許可を受けていない外国籍の方は、かんたん事前審査を利用できませんと明記されています。
5 資金の用途
新規借入の場合は、ご自身が住む住宅の建築・購入・増改築資金、住み替えの際の既存住宅ローンの返済資金(売却価格との差額のみ)とそれに伴う諸費用。借り換えの場合は住宅ローンの借換資金と諸費用です。三菱UFJ銀行の住宅ローンから同行の住宅ローンへの借り換えには利用できません。
6 諸費用と借入後の手数料
借入時に借入金額の2.20%(税込)を事務手数料として支払います(保証料は不要)。借入後の各種手続きには次の手数料がかかり、インターネットを使うか窓口を使うかで金額が大きく変わります。
| 借入後の手続き | インターネット | 窓口 |
|---|---|---|
| 一部繰上返済 | 無料 | 16,500円(税込) |
| 金利選択(金利タイプの変更) | 無料 | 11,000円(税込) |
| 期限前完済 | 16,500円(税込) | 33,000円(税込) |
| 条件変更 | 5,500円(税込) | 11,000円(税込) |
※2026年6月17日現在。債務者変更の手数料はインターネット16,500円(税込)・窓口33,000円(税込)。最新は公式の商品説明書でご確認ください。

繰上返済を細かく重ねていく予定なら、インターネットで手続きできる体制を最初から整えておくだけで、支払う手数料に差がつきます。
住宅ローン審査の流れ(事前審査と本審査)
三菱UFJ銀行の住宅ローンの審査は2段階で行われます。公式の案内では「事前審査のお申し込み → 正式審査のお申し込み → ご契約 → お借り入れ」という流れです。
申込直後に行われるのが事前審査(仮審査)と呼ばれる簡易的な審査で、「年齢」「年収」「勤め先」などの条件をもとに返済能力が判定されます。個人の信用情報も調査され、過去にローン返済の遅れがあると、勤務先や職種にかかわらず審査に通りにくくなります。三菱UFJ銀行の「かんたん事前審査」はネットで完結・書類提出不要・最短即日回答とされており、まず気軽に打診しやすいのが特徴です(受付状況等により日数がかかる場合があります)。
事前審査を通過した後に行われるのが正式審査(本審査)です。事前審査の項目に加えて、不動産の担保価値や個人信用情報など細かな点まで確認されます。公式には「お申し込みに際しては当行所定の審査をさせていただきます。審査の内容についてはお答えいたしかねます」と案内されており、審査基準そのものは公表されていません。落ちた理由を銀行に問い合わせても教えてもらえない点はあらかじめ理解しておきましょう。
三菱UFJ銀行の住宅ローンの審査が厳しいと言われる主な理由は、返済負担率の基準が年収や勤務先によってはクリアしにくいことと、個人信用情報の審査が厳格に行われていることにあります。そのため、他の住宅ローンの審査に通っても三菱UFJ銀行の審査には落ちた、という声も見られます。上で見たとおり2026年9月には変動金利が0.250%幅引き上げられました。金利が上昇する局面では審査金利も上がり、返済負担率の基準を満たしにくくなる場合があるため、借入額には十分な余裕を持たせることが大切です。
「かんたん事前審査」を利用できないケース
意外と見落とされがちですが、公式サイトにはかんたん事前審査を利用できないケースが明示されています。人の属性だけでなく「物件の条件」で対象外になるケースが多いのが特徴です。
- 日本国内に居住していない方
- 永住許可を受けていない外国籍の方
- 本人が居住する住宅以外の申し込み
- 物件が建築基準法およびその他関連法令に抵触している場合
- 物件が仮換地・保留地・定期借地権付建物・借地権付建物・買戻し特約付きの住宅、または離島にある場合
- 物件が旧耐震基準(1981年5月31日以前に建築確認を取得)のマンションの場合
- 借入中の住宅ローンの完済予定がない場合(借り換えを除く)
- 不動産会社・建築会社との提携ローンを希望する場合
とくに中古マンションを検討している方は、旧耐震基準かどうかを早い段階で確認しておきましょう。建物の条件で入り口から外れてしまうと、いくら年収や勤務先の条件が良くても前に進めません。なお、かんたん事前審査には同行の普通預金口座が必要で、その後の正式審査・契約は専用のマイページで進めるため、紙面での申し込みや対面での契約を希望する場合はこの経路を使えません(窓口での相談・申し込みは可能です)。
三菱UFJ銀行の住宅ローンの審査に落ちた場合の対策
事前審査で落ちた場合、頭金や自己資金を厚くして再度申し込む方法もありますが、現実的とは言えません。よりシンプルで分かりやすい対策は、審査基準の異なる他の住宅ローンに申し込むことです。
たとえば、ドコモSMTBネット銀行(旧・住信SBIネット銀行)の住宅ローンやSBI新生銀行の住宅ローンは、三菱UFJ銀行とは異なる審査基準を設けつつ、商品性でも優れた住宅ローンを提供している有力候補です。とくにSBI新生銀行は、店舗相談とオンライン手続きの両方に対応し、一般団信や全疾病保障付団信を上乗せ0円で用意するなど、保障と手続きのしやすさに強みがあります。
なお、住信SBIネット銀行は2026年8月3日付で商号を「株式会社ドコモSMTBネット銀行」へ変更し、個人向けサービスは「ドコモの銀行」のブランドで提供されています。同行は金融機関コード・支店番号・口座番号に変更はないと案内しています。古い記事や比較表では旧社名のまま記載されていることがあるため、調べる際は注意してください。
三菱UFJ銀行の審査に落ちたからといって悲観する必要はありません。より自分に合った住宅ローンを契約する機会だと考え、最新の住宅ローンに前向きに申し込んでみましょう。
住宅ローンの審査対策の最良の方法は、小細工を考えることではなく、複数の金融機関に申し込むことです。絶対の自信があっても落ちることがあるのが住宅ローンの審査です。とくに購入物件が決まっている場合は、融資の実行が引き渡しに間に合わないトラブルを避けるためにも、少しでも有利な住宅ローンを契約できるよう、早めに複数行へ申し込んでおきましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 三菱UFJ銀行の住宅ローンは年収いくらから申し込めますか?
A. 公式の利用条件に「年収◯万円以上」という金額の下限は示されていません。商品説明書に「返済計画に無理のないよう年収による制限があります」と記載があるのみで、実際には年収そのものより返済負担率で判断されます。ネット上の「年収◯万円以上」という数字は公式条件ではないため、参考程度にとどめてください。
Q. 転職して1年未満でも申し込めますか?
A. 金利優遇コースの利用条件に「同一勤務先に満1年以上勤務されている方で、当行にて給与振込をご利用中の方」と明記されているため、勤続1年未満だと優遇金利のコースをそのまま使えない可能性があります。実際に借りられるかどうかは個別の審査次第なので、窓口やコールセンターで先に相談しておくと確実です。
Q. 中古マンションでも「かんたん事前審査」を使えますか?
A. 旧耐震基準(1981年5月31日以前に建築確認を取得)のマンションはかんたん事前審査の対象外です。ほかにも借地権付建物・定期借地権付建物・離島の物件などが対象外とされているため、購入を検討している物件がどれに当たるかを不動産会社に早めに確認しましょう。
Q. 審査が厳しいと聞きますが本当ですか?
A. 返済負担率の判定と、個人信用情報の厳格なチェックから「厳しい」と言われることがあります。過去の返済遅延などがあると、他行に通っても落ちることがあります。審査基準は公表されていないため、心配な場合は、基準の異なる複数の銀行に同時に申し込むのが現実的な対策です。
Q. 審査に落ちたらどうすればよいですか?
A. 審査基準は銀行ごとに異なるため、他の住宅ローンに申し込むのが基本です。ドコモSMTBネット銀行(旧・住信SBIネット銀行)やSBI新生銀行など、別の基準で審査する商品力の高い住宅ローンを検討しましょう。auじぶん銀行の住宅ローンの審査基準を詳しく解説したこちらの記事も住宅ローン選びの参考にしてみてください。
※本記事の金利は2026年9月1日現在、条件・手数料は2026年9月時点で公開されている公式資料にもとづきます。金利・条件は改定されるため、最新の取り扱い状況は必ず三菱UFJ銀行の公式サイトでご確認ください。










