
日本の住宅ローンは低金利が続き、マイホームの購入や借り換えしやすいタイミングが続いています。一方で、都市部を中心に住宅価格の高騰、高止まりが続いています。新型コロナウイルスの影響は一定数ありますが、想像よりは影響がでていません。
住宅の価格が高いと、1人の収入では希望している物件を購入できるほどの金額を借りられないことがあります。そんな時に活用できるのが連帯債務とペアローンといった2人の収入を使って住宅ローンを契約する方法です。
夫婦で共働きの公務員や正社員のご家庭はもちろん、いずれかが正社員ではないケースでも一定の収入があれば収入を足し合わせて借入金額を増やすことができます。
今回はこの連帯債務とペアローンについて解説していきたいと思います。
目次
ペアローンと連帯債務とは?
ペアローンとは、一定の収入のある夫婦や親族がそれぞれ別の住宅ローンを借りることです。それに対して、2人の収入を合わせて1つの住宅ローンとして借りるのが連帯債務です。それぞれのメリットとデメリットを確認していきましょう。
ペアローンと連帯債務それぞれのメリット・デメリット
ペアローンと連帯債務の大きな違いは住宅ローンの借り方です。
目的はどちらも住宅ローンの借入額を増やすことですが、住宅ローンを夫婦それぞれで借りるのか、収入を合算して1つの契約で借りるのかによって、いろいろな違いが出てきます。
なお、収入合算できるのは配偶者や親族に限定されるケースが一般的ですが、金融機関によって利用条件が異なりますので申し込み前に事前確認しておくことをおすすめします。
ペアローンのメリット・デメリット
- メリット
- 住宅ローンの借入額を増やすことができる
- 住宅ローン控除をそれぞれが利用することができる
- デメリット
- それぞれ住宅ローンを契約するので諸費用や申込みの手間が2倍
ペアローンはペアになる2人がそれぞれ別の住宅ローンを契約することになるので、出産・育児休暇の後も仕事に復帰できることが前提となります。また2人とも団信に加入できる健康状態である必要があるので、いずれかの健康状態や持病の状況で審査に落ちてペアローンを利用できなくなることもあります。
このように細かな制約などはありますが、ペアローンの1番のデメリットは、2つの住宅ローンを契約する時にかかる諸費用が2倍近く必要になることです。
連帯債務のメリット・デメリット
- メリット
- 住宅ローンの借入額を増やすことができる
- 契約する住宅ローンは1つなので、諸費用や手間などは1人分のみ
- デメリット
- 取り扱っている金融機関が少ない
- 連帯債務者には団信の適用がない
諸費用をあまり増やさずに住宅ローンの借入額を増やすことができるのが連帯債務の最大のメリットです。
ただし、取り扱っている金融機関自体が少ないことがデメリットです。また、団信は主契約者のみで、連帯債務者は原則として団信に加入せずに利用することになります。
なお、フラット35には連帯債務者おもセットで団信に加入できる「デュエット団信」という商品もあります。このサービスを利用することで、夫婦で団信に加入することもできます。
住宅ローン控除との関係
住宅ローン控除は、住宅ローンを借入れて住宅を取得する場合にに住宅取得者の金利の負担の軽減するための制度です。
年末の住宅ローン残高を基準に所得税などが控除されるわけですが、ペアローンを利用している場合、2人とも住宅ローン控除の対象者になります。
ペアローン・連帯債務のまとめ
いずれも住宅ローンの借入額を増やすことを目的として利用することが多いので、どうしても購入したい物件があって、1人の収入では審査が通らない時に活用するのがペアローンや連帯債務です。
どちらの場合でも住宅ローン控除は活用できるので、共働きで収入を得ているご夫婦の方は検討してみると良いでしょう。節税目的にあえてペアローンにするケースもあります。
夫婦で団信に加入できるフラット35「デュエット団信」
連帯債務で説明した「連帯債務者には団信の適用がない」というデメリットを解決できるのが、夫婦で団信に加入できるフラット35の「デュエット団信」という商品です。
この団信は通常の団信保証料より多くの保険料を支払うことで夫婦どちらかが死亡・高度障害になった場合に住宅ローンの残高が0円になる生命保険です。