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住宅ローン借り換えの重要性と現状
日本では長年にわたり、住宅ローンの低金利が続いてきました。この低金利の時代に、多くの人々が住宅ローンの返済額を減らすために借り換えを行うことが一般的でした。
「金利のある時代」へ。借り換えの判断が重要に(2026年6月時点)
かつて指摘されていた「金利上昇の兆し」は、いまや現実のものとなりつつあります。日本銀行が金融政策の正常化(利上げ)を進めるなかで、長期金利が上昇し、全期間固定金利の代表である【フラット35】(買取型)の最頻金利は2026年6月に年3.21%と、3%を超える水準まで上昇しました(住宅金融支援機構)。固定金利は数年前と比べて明確に高くなっています。
こうした局面では、「金利が上がりきる前に、有利な条件へ借り換えておく」「変動から固定へ切り替えて将来の上昇リスクに備える」といった借り換えの判断が、これまで以上に重要になります。自分のローンが今の条件と比べて不利になっていないか、一度点検しておくことをおすすめします。
変動金利は依然として低めの水準
固定金利が上昇する一方で、変動金利は今のところ比較的低い水準を保っている金融機関が多い状況です。固定と変動の金利差は近年でも大きく、「変動の低さをとるか、固定の安心をとるか」が借り換え検討の大きな論点になっています。利用中のローンの金利が高めの方は、借り換えで総返済額を減らせる余地があります。最新の適用金利は各金融機関の公式サイトで必ずご確認ください(金利は時点によって変わります)。
借り換えの手続きの煩雑さ
住宅ローンの借り換え手続きには、確かに面倒な部分もあります。書類の準備や審査、手数料などの手間がかかりますが、それでも多くの人々が借り換えを選択するのは、借り換えによって得られるメリットがその手間を上回るからです。
そのため、「手続きが面倒だから、何年も前の住宅ローンをそのまま放置して返済し続けている」という人もいます。また、「変動金利は上がらない」と思い込んで、借り換えを他人事として考えている人も少なくありません。金利上昇局面では、こうした”放置”がじわじわと負担増につながることがあります。
住宅ローンは金融機関の店舗に行く必要もなく、郵送手続きさえ不要で、すべての手続きがインターネット経由のスマホやパソコンで完了できる商品も登場しており、どんどん手続きが簡素化されています。
金融機関によっては、借り換えの本審査申込みまで数日で済んでしまうこともあります。
昔に比べるとかなり簡単にできるようになった住宅ローンの借り換えですが、注意しなければならない点もあります。住宅ローン借り換えでしっかり総返済額を減らせるように、以下の点に十分留意して借り換えメリットを最大化しましょう。
借り換えのポイント① 諸費用を引いても得かを確認する
住宅ローン借り換えとは、新しく住宅ローンを借りて、今までの住宅ローンを完済することです。新しい住宅ローンを借りるための手数料や登記手続き費用などを差し引いたうえで、新しいローンのほうがお得でなければ意味がありません。
例えば、住宅ローン残高が3,000万円、残り返済期間が25年だとすると、金利差が0.5%あれば、単純計算で180万円ほどの利息を削減できます。そこから諸費用を除いた額が、借り換えによって得られる利益です(あくまで概算の例で、実際の効果は金利・残高・期間・諸費用により異なります)。
一般に「金利差0.5%以上・残高1,000万円以上・残り返済期間10年以上」のいずれにも近いほど借り換え効果が出やすいと言われます。利用中のローン金利が高めの方は、借り換えの効果が十分に見込めます。各金融機関がシミュレーションを用意しているので、まずは試算してみましょう。
借り換えのポイント② 金利以外の諸費用・手数料を確認する
住宅ローンは金利以外の諸費用や手数料の額もばかになりません。すでに住宅ローンを利用している方ならご存じだと思います。
「事務手数料」「保証料」「団信保険料」「一部繰上返済手数料」「引落先金融機関口座への入出金手数料」など、確認すべき費用は複数あります。一方で、保証料や一部繰上返済手数料を無料にしている住宅ローンもあるため、これらの手数料・諸費用は無視できないポイントです。単純に金利だけで比較せず、金利以外の費用もしっかり確認して借り換え先を選びましょう。
借り換えのポイント③ 団信・疾病保障の充実度を確認する
死亡した場合などに住宅ローンがゼロになる団体信用生命保険(団信)は以前からありましたが、近年増えているのが、特定の病気やけがで住宅ローンが減額・免除される「疾病保障」です。
特にネット銀行で無料(上乗せ金利0円)で提供されることが増え、それを追いかけるように各社が競って疾病保障型の住宅ローンを提供し始めています。がんに対する保障や就業不能保障、全疾病保障など、手厚い保障がそろってきました。
住宅ローンの借り換えを考えている人は、最初に住宅ローンを借りたときより年齢を重ねています。年齢を重ねることは病気のリスクが高まることにもつながるため、疾病保障の充実は借り換えの大きなメリットと言えます。なお、借り換え先で団信に新たに加入する際は健康状態の告知が必要になるため、健康なうちに検討しておくと選択肢が広がります。
借り換えで確認したいポイントの整理
ここまでのポイントを、借り換え先を比較するときの観点として整理しておきます。
| 比較の観点 | 見るポイント | 備考 |
|---|---|---|
| 金利 | 変動・固定の種類と適用金利。利用中ローンとの金利差 | 金利上昇局面では「変動か固定か」も重要 |
| 諸費用 | 事務手数料・保証料・登記費用などの合計 | 諸費用を引いても得かで判断する |
| 団信・疾病保障 | 一般団信のほか、がん・全疾病などの保障と上乗せ金利 | 無料(上乗せ0円)の保障も増えている |
| 繰上返済 | 一部繰上返済手数料の有無・最低金額 | 手数料無料だと機動的に返済できる |
| 手続き | 来店不要・オンライン完結かどうか | スマホで残高確認・繰上返済できる商品も |
借り換え先の一例として、SBI新生銀行のように、一般団信や全疾病保障付団信を上乗せ金利0円で用意し、一部繰上返済が1円から手数料0円で利用でき、店舗相談とオンライン手続きの両方に対応している銀行もあります。こうした諸費用・保障のわかりやすさも比較の材料になります(最新の金利・商品内容は公式サイトでご確認ください)。
よくある質問(FAQ)
借り換えにはどのくらい費用がかかる?
事務手数料・保証料・登記費用(抵当権の抹消・設定)・印紙税などがかかり、借入額や金融機関によって数十万円程度になることがあります。借り換えで減らせる利息額が、これらの諸費用を上回るかどうかが判断のポイントです。
変動から固定への借り換えはあり?
金利上昇が気になる方が、将来の返済額を確定させたいときに選ぶ方法です。固定金利は変動より高めですが、上昇リスクを避けられる「安心代」と考えられます。一方で変動は当面の金利が低い分、毎月の負担を抑えやすいという利点があります。どちらが有利かは金利の先行き次第で、一概には言えません。
借り換えの審査は通りやすい?
借り換えでも新規借入と同様に、収入・勤務状況・健康状態(団信)・物件の担保価値などが審査されます。最初に借りたときから収入や勤務先が変わっている場合は、その点も確認されます。借り換えを考えるなら、健康で収入が安定しているうちに検討しておくと選択肢が広がります。
住宅ローンの借り換えは、総返済額を減らせることが最大のメリットですが、一部繰上返済手数料が無料になる、疾病保障が充実する、スマホで残高確認や繰上返済ができるようになるといった付随的なメリットもあります。金利のある時代だからこそ、これらを忘れずに、しっかりと借り換えの是非を検討しましょう。










