クラウドローンとは、複数の銀行や信用金庫から融資の提案を受け取り、条件を比べて選べるローンのマッチングサービスのことです。運営はクラウドローン株式会社(東京都新宿区)で、ヤミ金ではありません。お金を貸すのは提携先の金融機関で、利用者は先に提携保証会社の事前審査を受けます。
怪しいと検索されるのは、2018年から2019年ごろに同じ名前を名乗る業者が融資を勧誘していたためです。正規のサービスとは関係がなく、借りる前に費用を求めてくる相手は、名前が同じでも正規のサービスとは別の業者です。
クラウドローンは銀行ローンの提案を受け取って比べるサービス
クラウドローンは2020年1月に地方銀行6行の参加で始まり、2021年7月からは保証会社の事前審査を組み込んだ今の仕組みで運営されています。借りたい目的と金額を登録すると、参加する金融機関から実際に借りられる条件の提案が届きます。
契約の相手は提案を出した銀行や信用金庫で、クラウドローン株式会社はお金を貸しません。引越し業者の一括見積もりのように、借りたい人と金融機関の間をつなぐのがクラウドローンの仕事です。
運営会社は2026年5月25日に、提携金融機関40行超、登録ユーザー20万人超、累計申込総額1,814億円を達成したと発表しました。累計申込総額は申し込まれた金額の合計で、実際に融資された金額とは異なります。
保証会社の事前審査を通過すると金融機関から提案が届く
借入の希望を登録すると、提携保証会社が事前審査を行います。保証会社とは、借り手が返済できなくなったときに代わりに金融機関へ返済する会社のことで、クラウドローンではオリエントコーポレーションと三井住友カードが審査を担当します。
手続きの流れを段階ごとに分けると、下の表のようになります。申込から提案の確認まではオンラインで完結し、来店する必要はありません。
| 段階 | 何をするか | 補足 |
|---|---|---|
| ①簡易診断・登録 | 借りられるかどうかの簡易診断のあと、アカウントを登録する | 簡易診断の目安は約1分 |
| ②事前審査の申込 | 借入の目的・希望額・他社の借入・住所・勤務先などを入力する | 入力の目安は約3分。事前審査の段階では郵送物や勤務先への電話(在籍確認)はない |
| ③保証会社による事前審査 | 提携保証会社(オリエントコーポレーション・三井住友カード)が審査する | 最短30分〜翌営業日。平日16時までの申込なら当日19時ごろ、16時以降は翌営業日に回答。この事前審査は信用情報機関に記録が残る |
| ④提案の受け取り・比較 | 審査を通過すると、提携する銀行・信用金庫などから提案が届く | 希望に合う提案がなければ利用しなくてもよい |
| ⑤本申込・本審査 | 提案を1つ選び、その金融機関へ本申込をする | 連絡が来るのは申し込んだ金融機関だけ。金融機関の本審査が行われる |
| ⑥契約・入金 | 必要書類を出し、契約後に融資が実行される | 書類の提出から入金までは10日〜2週間程度が目安。口座開設が必要になることもある |
※所要時間と回答時刻は2026年10月時点のクラウドローン公式サイトの案内によります。
参加する金融機関は40行超で、使いみちは目的別ローンが中心
サービス開始時の提携先は中国銀行や伊予銀行など6行でしたが、2026年5月時点では40行を超えています。住んでいる地域に関係なく、全国の銀行や信用金庫のローンを比べられます。
公式サイトでは、車やバイクの購入、リフォーム、教育費、引越し費用、医療・介護、おまとめなどの使いみちが案内されています。使いみちや金額が確定する前でも事前審査を受けられるため、借りられる金額の目安を先に知ることができます。
マイカーローンは、販売店を通じて組む信販会社のローンより、銀行や信用金庫のローンのほうが金利が低いことがあります。販売店で提示された条件と、銀行から届いた提案を比べる手段として使えます。
2026年秋は車と太陽光・蓄電池の分野で提携先が増えた
運営会社は2026年9月15日に日本瓦斯(ニチガス)との連携を発表しました。ニチガスの利用者が太陽光発電システムや家庭用蓄電池を導入するとき、銀行ローンを比べて資金を用意できるようにする取り組みです。
10月5日には、カーライフサービスのcarsとの提携を発表し、マイカーローンを比べる新サービスcars LOANが始まりました。10月20日には、DMMエナジーの加盟店や登録事業者に向けて、銀行ローン比較の導入を支援する業務提携も発表しています。
事業資金を借りたいときは事業者向けのタスカリを使う
クラウドローンが扱うのは、個人が暮らしの中で使うローンです。運営会社は事業者向けに資金調達のマッチングサービスであるタスカリ(TASUKARI)を別に提供しており、法人や個人事業主が事業資金を探すときはタスカリを使います。
クラウドローンのデメリットと利用前の注意点
比べる手間は減りますが、向かない場面もあります。申し込む前に知っておきたい注意点は次の5つです。
1. 借りられるかどうかは金融機関の本審査で決まる
公式サイトは、事前審査を通過しても、金融機関の本審査の結果によって融資が実行されない場合があると案内しています。提案された金利や借入可能額も、本審査で変わることがあります。
本審査では、事前審査で入力した内容と提出書類が照らし合わされます。年収や他社の借入額が書類と食い違うと、否決の原因になります。源泉徴収票や返済予定表を手元に置いて入力してください。
2. 事前審査の記録が信用情報機関に残る
保証会社の事前審査は、信用情報機関に記録が残ります。短い期間に多くのローンを申し込むと、審査で不利に見られることがあります。住宅ローンなど大きな借入を控えている時期は、申し込む時期をずらすことも考えておきましょう。
ローン審査と信用情報の関係は、税金滞納と住宅ローン審査・信用情報の関係の記事で紹介しています。
3. ほかに借入がある人は総額を先に把握する
公式サイトのよくある質問では、すでに複数の借入がある人も、総量規制の限度内であれば利用できる可能性があると案内されています。総量規制とは、貸金業者から借りられる金額を原則として年収の3分の1までに抑える決まりのことです。
他社の借入の状況は、事前審査で入力する項目の1つです。申し込む前に借入先ごとの残高と毎月の返済額を書き出しておくと、入力の誤りを防げます。
4. 今日中にお金が必要な場面には向かない
事前審査の回答は早ければ当日ですが、金融機関へ書類を出してから入金までは10日〜2週間程度が目安です。比べて低い金利で借りるためのサービスで、当日中の資金調達には向いていません。車の購入や学費のように、支払日から逆算して準備できるお金に向いています。
5. 借入額と返済期間は自分で決める
マッチングサービスは条件の比較を手伝ってくれますが、いくら借りて何年で返すかを決めるのは利用者自身です。低い金利の提案が届くと、予定より多く借りたくなることがあります。
申し込む前に、毎月の返済に回せる金額、返し終えたい時期、教育費や車検など今後の大きな支出を書き出しておくと、届いた提案を落ち着いて比べられます。金利の数字だけでなく総返済額で比べ、保証料や繰上返済手数料の扱いも提案ごとに確認しましょう。
クラウドローンはヤミ金ではなく、注意すべきは同じ名前の別業者
2018年から2019年ごろを中心に、クラウドローンという同じ名前を使い、ヤミ金と思われる業者が融資を勧誘していた事例があります。名前が同じだけで、この記事で取り上げている正規のサービスとは別の業者です。
下の画像は、当時クラウドローンを名乗って出回っていた勧誘広告の例です。

正規のクラウドローンでは、提携保証会社の事前審査を経て、銀行や信用金庫が融資します。登録の前に費用を求める、SNSやメールで個人的に勧誘してくる、といった相手とはやり取りをしないでください。
融資の前に保証料などの名目でお金を振り込ませる手口は、融資保証金詐欺と呼ばれます。借りる前にお金を払うよう求める相手とは、その時点で連絡を絶つのが安全です。
相手が貸金業の登録を受けているかは、金融庁の登録貸金業者情報検索サービスで、登録番号や商号、所在地から調べられます。銀行や信用金庫は免許を受けた金融機関で、貸金業の登録の対象外のため、この検索には出てきません。
クラウドローンの評判と口コミは審査の結果に左右される
使えなかったという評価が出る理由の多くは、仕組みそのものにあります。提案を出すのは銀行や信用金庫で、保証会社の事前審査に通らなければ提案は届きません。
信用情報に延滞などの記録がある場合や、収入に比べて希望額が大きい場合は、提案が届きにくくなります。仕組みが安全かどうかと、自分が審査に通るかどうかは分けて考える必要があります。勤続年数や年齢が審査でどう見られるかは、住宅ローン審査の勤続年数・年齢・健康状態で解説しています。
クラウドローンが向いている人
クラウドローンは、1回の事前審査で複数の金融機関から提案を受け取り、条件を比べて選べるサービスです。車の購入や教育費のように、使いみちと金額がある程度決まっていて、支払いまで日数がある人に向いています。
一方で、事前審査の記録は信用情報機関に残り、最終的に借りられるかは金融機関の本審査で決まります。当日中に借りたい人や、借入額をまだ決めかねている人は、申し込む時期を見直したほうがよいでしょう。
サービスの内容や提携先は変わることがあるため、利用前に運営会社と各金融機関の最新情報で確かめてください。



