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暗号資産の詐欺の手口|投資詐欺・ロマンス詐欺の特徴と相談先

暗号資産(仮想通貨)を使った詐欺の多くは、SNSやマッチングアプリで知り合った相手が投資を持ちかけ、偽の投資サイトへお金や暗号資産を送らせる手口です。画面上では利益が出ているように見せ、出金しようとすると税金や手数料の名目で追加の支払いを求めてくる点が共通しています。

警察庁の統計では、2025年(令和7年)のSNS型投資・ロマンス詐欺の被害額は1,834.3億円にのぼりました。お金を送る前なら金融庁の相談ダイヤルや消費者ホットライン188、送った後は警察に相談してください。

暗号資産をめぐる詐欺は、SNSで始まる投資話と恋愛話が中心

警察庁は、こうした詐欺を2つに分けて集計しています。SNS型投資詐欺とは、SNSなどで会わないまま連絡を重ねて信用させ、投資金や利益の出金手数料の名目で金銭をだまし取る詐欺のことです。

SNS型ロマンス詐欺とは、同じように会わないまま関係を深め、恋愛感情や親近感を抱かせて金銭をだまし取る詐欺のことです。恋愛の話から始まっても、最後は暗号資産への投資を勧める流れになる例が多く見られます。

警察庁が2026年5月に公表した確定値によると、2025年の認知件数と被害額は次の表のとおりです。2024年と比べると、投資詐欺は件数・被害額ともに約1.5倍、ロマンス詐欺も件数が約1.5倍、被害額が約1.4倍に増えました。

手口認知件数(2025年)被害額(2025年)前年比(件数)
SNS型投資詐欺9,523件1,288.0億円+48.5%
SNS型ロマンス詐欺5,645件546.4億円+47.6%
合計15,168件1,834.3億円+48.2%

※警察庁「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(確定値)」をもとに作成(2026年10月30日確認)。

既遂1件あたりの被害額は1,213.3万円で、被害者は男女とも40代から60代が多く、男性が全体の約6割を占めました。警察庁は2026年からこの2つの手口を特殊詐欺の一手口として集計しているため、2026年の数値は特殊詐欺の統計の中で公表されています。

暗号資産を送らせる被害が1年で2倍以上に増えた

警察庁の統計では、被害金の渡し方も分類しています。暗号資産送信型とは、被害者がもともと持っていた暗号資産や、指示されて買った暗号資産を、相手が指定したアドレスへ送らせる渡し方のことです。

当サイトが同じ確定値から前年の件数を割り戻して比べたところ、暗号資産を送らせた被害は投資詐欺で762件から1,898件、ロマンス詐欺で786件から2,177件に増えていました。

暗号資産を相手のアドレスへ送らせた被害の件数を、投資詐欺とロマンス詐欺それぞれ2024年と2025年で比べた棒グラフ
どちらの手口でも、暗号資産を送らせた被害は1年で2倍以上に増えました。

ロマンス詐欺では、暗号資産を送らせた被害が件数の38.6%、被害額の45.3%を占めます(当サイト計算)。銀行振込を使う被害もまだ多いものの、相手が暗号資産で受け取ろうとする例が増えている状況です。

国民生活センターに寄せられた暗号資産の相談も、2023年度8,498件、2024年度7,261件、2025年度8,132件と、年に7,000件を超える水準が続いています。相談には、知人から誘われて追加入金を求められた例や、出金の際に税金を請求された例も含まれています。

だまし取るまでの手口は、出会いから出金拒否まで段階を踏んで進む

金融庁や警察庁の注意喚起を読み比べると、手口はおおむね同じ順に進みます。最初から大金を求めることは少なく、少額の入金や出金で信用させてから、高額の入金を引き出そうとします。途中で気づけるよう、典型的な段階を順に示します。

  1. SNSの広告やダイレクトメッセージ、マッチングアプリで相手と知り合う(著名人になりすました広告もある)
  2. LINEの個別のやり取りや投資グループへ誘われ、複数のアカウントが「もうかった」と書き込む
  3. 相手が教える投資サイトやアプリに登録し、個人名義の口座へ振り込むか、暗号資産をアドレスへ送る
  4. サイト上では利益が出ているように表示され、少額なら出金できることもある
  5. 高額を出金しようとすると、税金・手数料・保証金などの名目で追加の入金を求められ、連絡が途絶える

警察庁の確定値では、投資詐欺の最初の接触はInstagramが1,934件で最も多く、YouTube、LINEが続きました。ロマンス詐欺ではマッチングアプリが1,846件で最多です。被害時の連絡には、どちらもLINEが9割以上で使われていました。

副業の勧誘や知人の紹介から始まる例もある

金融庁の相談室には、動画を見るだけの副業のつもりでタスクに参加し、海外の無登録業者へ暗号資産を送っていたという相談も寄せられています。同僚や親戚から未公開の暗号資産に誘われる例もあり、きっかけはSNSの投資話に限りません。

出金のために税金を先に払う手続きは、正規の取引にはない

「利益を引き出すには税金が必要」と言われると、もっともらしく聞こえます。暗号資産の売却益にかかる所得税は、原則として翌年の確定申告で本人が税務署に納めるもので、出金の前に業者へ払う仕組みはありません(暗号資産の税金と確定申告の記事で計算方法を解説しています)。

金融庁の相談室は、出金の際に保証金や税金などの名目でだまし取られる被害が多発しているとして、事業者には払わずに関わりを断つよう求めています。口座凍結の解除などを口実にした追加の入金は、持っていると思わされている資産の2〜3割程度を求められることが多いとされます。

例えば、画面上の残高が500万円と表示されていると仮定すると、求められる金額は100万〜150万円ほどになります。払っても出金はできず、元の投資金とあわせて回収が難しくなるため、この段階で支払いを止めることが被害を広げないための最初の行動です。

次の表は、公的機関の注意喚起に共通して出てくる、詐欺を疑うべき場面です。1つでも当てはまれば、相手がどれほど親しくても送金を止め、この記事の後半にある相談先に連絡してください。

場面疑う理由
会ったことのない相手から暗号資産の投資を勧められた警察庁は、面識のない人から暗号資産を求められたら詐欺を疑うよう呼びかけている
振込先が個人名義の口座だった個人名義の口座への入金を指示する手口が、金融庁の相談事例に載っている
少額の出金ができたので本物だと思った信用させるために少額の出金に応じる手口が、金融庁の相談事例に載っている
出金前に税金・手数料・保証金を求められた払っても出金できず連絡が取れなくなる例が多いと、金融庁が公表している
登録業者や著名人の名前を名乗っていた登録業者や著名人をかたる、なりすましの事例も多く寄せられている

※金融庁・警察庁の注意喚起と相談事例(2026年10月30日確認)をもとに作成。

送る前は、相手の業者が登録を受けているかを調べる

日本の居住者を相手に暗号資産の売買や交換を仕事として行うには、海外の事業者でも金融庁・財務局の登録が必要です。勧められた業者の名前を、金融庁の「金融事業者一括検索機能」や暗号資産交換業者の登録一覧で検索してください。

登録の確かめ方と、無登録で営業する業者への警告の公表については、暗号資産交換業者の登録制度の記事で一覧の見方を紹介しています。一覧に載っていない業者や、警告を受けた業者とは取引しないでください。

金融庁は、登録があるだけでは安心して投資できる業者という保証にはならないとも説明しています。高い利回りを約束する話には応じず、少しでも不審に感じた時点で送金を見合わせれば、被害を防げます。

送ってしまった後は、相談先を使い分ける

詐欺に気づいたら、それ以上の入金をやめ、やり取りの画面や送金の記録を消さずに残しておきましょう。追加の支払いを求める連絡にも返事をせず、相談先には困っている内容に合わせて連絡します。

相談先相談できること連絡方法
警察だまされたと思ったときの被害の相談最寄りの警察署、警察相談専用電話 #9110
金融庁 金融サービス利用者相談室詐欺的な投資の勧誘や業者についての相談・情報提供0570-050588(平日10時〜17時)、ウェブは24時間受付
消費生活センター契約のトラブルや返金を求めたいときの相談消費者ホットライン 188
振込先の口座がある金融機関個人名義などの口座へ振り込んだ場合の口座の利用停止警察とあわせて、すぐに連絡する

※金融庁の注意喚起・相談事例と国民生活センターの案内で確認(2026年10月30日)。返金を求める場合は各地の弁護士会も相談先になります。

銀行振込と暗号資産の送信では、取り戻す手段が違う

預金口座へ振り込んだ被害には、振り込め詐欺救済法の手続きがあります。振込先の口座が凍結されると、預金保険機構のサイトで公告されたうえで、口座に残った資金が被害者に分配される仕組みです。

この法律は預金口座等への振込みを使った詐欺の被害回復を目的としています。暗号資産を相手のアドレスへ送った場合は振込みにあたらないため、この手続きでは取り戻せない点に注意が必要です。

暗号資産を送った被害では、まず警察に相談し、送信の記録や相手のアドレスを伝えてください。暗号資産交換業者そのものが破綻したときの保護の仕組みは、詐欺とは別の話で、暗号資産交換業者が破綻したらの記事で説明しています。

被害回復をうたう連絡には応じない

金融庁は、被害の回復をうたって近づいてくる者の中に詐欺グループの一員がいて、さらに被害を受けた事例もあると注意を呼びかけています。そうした連絡には返事をせず、相談先を警察や消費生活センター、弁護士会など自分で調べた窓口だけにすれば、二次被害を避けられます。

手口や相談先の連絡方法は変わることがあるため、相談する前に各機関の最新の案内で確かめてください。

参考・出典

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