家計簿は、支出を総務省の家計調査と同じ10の費目に分けて記録すると、全国の平均と比べられるようになります。2025年の家計調査では、二人以上の世帯の消費支出は月平均314,001円、単身世帯は173,042円でした。
比べるときは、住宅ローンの返済や貯金、税金と社会保険料を消費支出から外して記録してください。家計調査ではこれらを生活費とは別に集計しているため、混ぜたままだと平均より支出が多く見えてしまいます。
費目は家計調査の10大費目に合わせて分ける
家計調査とは、総務省統計局が全国の世帯に家計簿をつけてもらい、収入と支出を毎月集計している統計のことです。結果は月ごと・年ごとに公表され、生活費の平均を知る基準として広く使われています。
家計調査では、生活のための支出を消費支出と呼び、食料や住居など10の費目に分けています。自分の家計簿も同じ区分で記録しておくと、年に一度の公表に合わせて、費目ごとに平均との差を出せるようになります。
各費目に入る主な支出を下の表にまとめました。統計局の2025年平均の概要に出てくる内訳の名前をもとにしており、迷いやすい日用品や通信費の置き場所もこの表で確認できます。
| 10大費目 | 含まれる主な支出 |
|---|---|
| 食料 | 穀類・肉類・魚介類・乳卵類・菓子類・外食など |
| 住居 | 家賃地代・設備の修繕や維持の費用 |
| 光熱・水道 | 電気代・ガス代・上下水道料など |
| 家具・家事用品 | 家事用の消耗品・寝具類・室内の装飾品・家事サービスなど |
| 被服及び履物 | 洋服・和服・下着類・履物類など |
| 保健医療 | 医療機関の支払い・医薬品・保健医療用の器具など |
| 交通・通信 | 電車やバスなどの交通費・自動車関係の費用・通信費 |
| 教育 | 授業料など |
| 教養娯楽 | 旅行や習い事などのサービス・娯楽用の耐久財・書籍など |
| その他の消費支出 | 交際費・仕送り金・こづかい・諸雑費など |
※総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2025年(令和7年)平均結果の概要」の内訳の名前をもとに当サイト作成(2026年10月31日確認)。
市販の家計簿アプリには独自の分類もあります。アプリを使う場合は、日用品を家具・家事用品に、スマートフォン代を交通・通信に入れるなど、10の費目に読み替える対応表を一度作っておきましょう。対応表があれば、アプリの集計をそのまま平均と比べられます。
住宅ローンの返済や貯金は生活費の平均に入っていない
口座から出ていったお金をすべて支出として足すと、家計簿の合計は家計調査の消費支出と同じ基準になりません。家計調査は、生活費の消費支出と、税金・社会保険料の非消費支出、貯蓄や借金の返済を分けて集計しています。
可処分所得とは、給与などの実収入から、所得税・住民税などの直接税と社会保険料を差し引いた、自由に使えるお金のことです。可処分所得から消費支出を引いた残りを、家計調査では黒字と呼んでいます。
二人以上の世帯のうち会社員などの勤労者世帯では、2025年の可処分所得が月平均532,408円、消費支出が346,297円でした。黒字は186,111円で、可処分所得に対する割合(黒字率)は35.0%です。
黒字の中には、預貯金の純増177,061円や、住宅などの購入に使った借入金の返済から新たな借入れを差し引いた額30,173円が含まれます。住宅ローンの返済は、消費支出ではなく黒字の使い道として数えられているわけです。
このため自分の家計簿でも、住宅ローンの返済額、積立貯金、貯蓄型の保険料は消費支出と別の欄に記録してください。返済の元金を減らす方法は住宅ローンの繰上げ返済の記事で説明しています。
住居費の平均が18,678円と低いのは持ち家の世帯が多いから
二人以上の世帯の住居の平均は月18,678円で、家賃を払っている人には低く感じる金額です。この世帯の持家率は87.3%で、家賃の支払いがない世帯も含めた平均になっていることが理由です。
持ち家の住宅ローン返済は住居に入らず、修繕や維持の費用だけが住居に入ります。賃貸の世帯は、住居だけが平均を大きく上回っても、ほかの費目が平均に近ければ家計の使い方に問題があるとは限りません。
2025年の平均を二人以上の世帯と単身世帯で比べる
2025年の家計調査をもとに、10大費目の月平均額と、消費支出に占める割合を世帯の種類別に表にしました。割合は当サイトが月平均額から計算したもので、四捨五入のため合計は100%になりません。
| 費目 | 二人以上の世帯 | 割合 | 単身世帯 | 割合 |
|---|---|---|---|---|
| 食料 | 94,895円 | 30.2% | 49,321円 | 28.5% |
| 住居 | 18,678円 | 5.9% | 21,667円 | 12.5% |
| 光熱・水道 | 24,547円 | 7.8% | 13,333円 | 7.7% |
| 家具・家事用品 | 13,068円 | 4.2% | 6,120円 | 3.5% |
| 被服及び履物 | 10,063円 | 3.2% | 4,908円 | 2.8% |
| 保健医療 | 15,863円 | 5.1% | 8,754円 | 5.1% |
| 交通・通信 | 45,730円 | 14.6% | 19,334円 | 11.2% |
| 教育 | 11,939円 | 3.8% | 37円 | 0.0% |
| 教養娯楽 | 32,125円 | 10.2% | 21,173円 | 12.2% |
| その他の消費支出 | 47,093円 | 15.0% | 28,396円 | 16.4% |
| 消費支出の合計 | 314,001円 | - | 173,042円 | - |
※総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2025年(令和7年)平均結果の概要」(2026年2月6日公表)をもとに当サイト作成。割合は当サイト計算(2026年10月31日確認)。

二人以上の世帯の平均は、世帯人員2.87人、世帯主の年齢60.7歳の世帯の姿です。単身世帯の平均年齢も58.6歳と高く、若い一人暮らしの家計とは費目の割合が違う点に注意が必要です。
統計局が公表するエンゲル係数(消費支出に占める食料費の割合)は、二人以上の世帯で28.6%でした。表の30.2%より低いのは、エンゲル係数の食料費が他の世帯への贈答品を含まない金額で計算されているためです。
世帯主の年齢で消費支出は10万円以上変わる
平均と比べるなら、世帯主の年齢が近い世帯の数字を使うほうが実態に近づきます。子どもの人数や持ち家の割合が年齢で変わるため、二人以上の世帯の消費支出と持家率を世帯主の年齢別に並べました。
| 世帯主の年齢 | 消費支出(月平均) | 世帯人員 | 持家率 |
|---|---|---|---|
| 40歳未満 | 299,100円 | 3.50人 | 65.4% |
| 40〜49歳 | 348,607円 | 3.73人 | 78.9% |
| 50〜59歳 | 367,643円 | 3.12人 | 87.4% |
| 60〜69歳 | 327,405円 | 2.52人 | 92.1% |
| 70歳以上 | 264,332円 | 2.34人 | 95.1% |
※総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2025年(令和7年)平均結果の概要」表Ⅰ-1-2をもとに当サイト作成(2026年10月31日確認)。
50〜59歳の世帯がもっとも多く、70歳以上の世帯とは月に10万円以上の差があります。40歳未満と50〜59歳の間でも約6万8千円の開きがあり、全体の平均だけで比べると判断を誤りやすくなります。
平均との差は、金額と割合の両方で比べる
平均は、その支出がない世帯も含めて計算されています。教育の平均11,939円は、子どものいない世帯も含めた数字です。子育て中の世帯では教育が平均を大きく上回るのが普通で、それだけで使いすぎとは言えません。
どの費目を見直すかを決めるには、金額の差と、消費支出に占める割合の差を並べてみるのが確実です。金額だけでは世帯の人数の違いが混ざるため、当サイトが仮定の家計で両方を計算した例を下の表に示します。
仮定の世帯は、世帯主40代、夫婦と子ども2人、持ち家で住宅ローンを返済中、月の消費支出312,000円です。住宅ローンの返済額は、前の節で説明したとおり表に含めていません。
| 費目 | 仮定の世帯 | 平均との差 | 割合(仮定の世帯) | 割合(平均) |
|---|---|---|---|---|
| 食料 | 98,000円 | +3,105円 | 31.4% | 30.2% |
| 住居 | 8,000円 | -10,678円 | 2.6% | 5.9% |
| 光熱・水道 | 27,000円 | +2,453円 | 8.7% | 7.8% |
| 家具・家事用品 | 12,000円 | -1,068円 | 3.8% | 4.2% |
| 被服及び履物 | 12,000円 | +1,937円 | 3.8% | 3.2% |
| 保健医療 | 10,000円 | -5,863円 | 3.2% | 5.1% |
| 交通・通信 | 52,000円 | +6,270円 | 16.7% | 14.6% |
| 教育 | 30,000円 | +18,061円 | 9.6% | 3.8% |
| 教養娯楽 | 28,000円 | -4,125円 | 9.0% | 10.2% |
| その他の消費支出 | 35,000円 | -12,093円 | 11.2% | 15.0% |
※仮定の世帯の金額は当サイトが設定した例。平均は総務省統計局の家計調査(二人以上の世帯・2025年平均)。差と割合は当サイト計算。
この例では、教育の差がもっとも大きいものの、子どもが2人いる世帯では自然な結果です。見直しの候補になるのは、金額でも割合でも平均を上回っている交通・通信と光熱・水道の2つになります。
交通・通信は、自動車関係の費用とスマートフォンなどの通信費が混ざった費目です。家計簿では交通、自動車、通信の3つに細かく分けて記録しておくと、どこで平均を上回っているのかがすぐに分かります。
記録を続けるためのつけ方
家計簿は、毎日細かくつけるよりも、月に一度費目ごとの合計を出す習慣を続けるほうが比較に役立ちます。二人以上の世帯の年平均は月ごとの結果を単純に平均したものなので、自分の家計も月単位で集計しておくと、そのまま比べられます。
クレジットカードで払った分は、口座から引き落とされた日ではなく使った月の費目に記録すると、月ごとの支出が実態に近づきます。リボ払いを使っている場合は、リボ払いの手数料が残高に応じて毎月かかるため、手数料だけを別の行に記録してください。
保健医療の支出は、受診した人と医療機関ごとにメモを残しておくと、年末に医療費の合計を出すときに役立ちます。家族の医療費が多かった年は、医療費控除とセルフメディケーション税制の違いを確かめたうえで申告を検討してください。
次に、平均と比べる時期を決めておきます。2025年の年平均は2026年2月6日に公表されており、前年1年分の家計簿の合計がそろう時期と重なります。このように年に一度比べる時期を決めておくと、費目ごとの増減を毎年同じ基準で追えます。
制度や統計の内容は改定されることがあるため、比べる前に総務省統計局の最新の公表値で確かめてください。
