三菱UFJ銀行・みずほ銀行など相次ぐ住宅ローン審査へのAI導入

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2018年は住宅ローン業界が大きく動いた1年でした。まず、1つ目に住宅ローン審査でのAI活用が挙げられます。この記事では住宅ローンの審査におけるAI活用の動きとそれが利用者にどのような影響を与えるようになるかを解説したいと思います。

主要銀行のAI審査導入の動き

最初に住宅ローンの審査でのAI活用に積極的な金融機関の直近の動きを紹介しておきます。

金融機関名状況
三菱UFJ銀行2018年10月から一部の住宅ローンの仮審査にAIによる融資可否判定を導入。現在は仮審査にのみ導入されているが将来的には本審査でのAI活用も視野に。
ソニー銀行2018年5月から住宅ローンの仮審査にAI導入を発表。人が行っていた与信判断をAIで行うことで業務効率化を実現。
みずほ銀行2018年10月から住宅ローン審査へのAI導入に向けた実証実験を開始。2019年度に導入予定で実証実験中。

※2018年11月時点。当サイト調べ。

上記のようにメガバンク VS ネット銀行でAI活用の分野でも競い合っている構図です。住信ネット銀行などは自分たちで実際に利用してその精度を高めてから、地銀などにもそのノウハウと技術を提供する方針も発表していました。その結果、今となっては様々な金融機関の住宅ローン審査でAIが活躍していくことになると思います。

住宅ローンの審査におけるAI活用の効果とは?

住宅ローンの審査へのAI導入を金融機関が進めている理由は大きく3つあります。

  1. 人手で行っていた業務のAI化による業務効率化
  2. AIによる自動審査による審査スピードの強化
  3. 人手では判断できない審査基準モデルの導入(リスク管理の最適化)

上記の3つが主な理由です。業務効率化は私たち利用者には直接は影響ありません(業務を効率化した分が金利引き下げなどのようなメリットを生む可能性はあります)。

2はわかりやすいと思います。審査を申し込んで1時間で結果を回答してもらえるのは利用者にとってもメリットがあります。

3はちょっとわかりにくいですが、AI審査が本格導入されると今までの人手による審査では落ちていた人が審査に通る可能性もありますしその逆も十分ありえます。

AIによる住宅ローンの審査でどう影響する?

現時点ではAIが行っている住宅ローンの審査はあくまでも「仮審査」です。住宅ローンは「仮審査」の後の「本審査」に通らなければ借りることはできませんので、仮審査が若干いい加減な精度だったとしても、本審査で修正することが可能なので、またAIによる住宅ローン審査は実験的な段階を抜け出せていないと言えます。(銀行もそこまで信頼していないし実証もできていない)と言えます。

将来的に本審査までAIが審査するようになった時には影響は大きくなでしょう。

なお、AIの特徴は「学習して改善していくこと」です。つまり、毎回、同じ結果を導き出すとは限りません。各金融機関がAIにどのように学習させていくかで同じAIでも導き出す結果が異なってくるのでそのあたりが各金融機関の審査基準の差別化に繋がっていくことになると思います。

人間がAIに審査される時代が本当に目の前に迫っていますが、安定した収入を得られるように努力して貯蓄を蓄えることがより良い住宅ローンを利用するための最善の方法であることは変わらなさそうですね。

2018年は情報を処理するAIが注目を集めましたが、2023年ごろから生成AIに注目が移っています。今後もAI分野の進化から目が離せません。

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